資生堂は、2008年から始めた現在の3カ年計画で、グローバル企業への変革の道をさらに推進することを宣言しました。2004年に参加を表明した「国連グローバルコンパクト」で求められる「人権」「労働基準」「環境」「腐敗防止」に関する10原則の順守・実践に加え、「一瞬も 一生も 美しく」という当社のコーポレートメッセージにこめた想いの実現に向け、資生堂ならではの活動に積極的に取り組んでいます。具体的には、当社の本業である「化粧を通した社会貢献」、そしてお客さまの9割、社員の7割以上を占める女性のために、社内外の「女性を支援する活動」、世界の重要課題のひとつである「環境への取り組み」、そして、「安心・安全への取り組み」をCSR活動の柱として展開しています。
「化粧を通した社会貢献」では、国内外において肌や心、からだに何らかの悩みを抱える方々に対して、化粧や美容の技術を通してQOL(Quality of Life=生活の質)向上をめざす「資生堂ライフクオリティー ビューティープログラム」に取り組んでいます。このプログラムの一つである「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー」は、福祉施設などにいらっしゃるご高齢の方、障がいのある方などのための美容セミナーとして毎年全国で約3,000回開催されています。2009年度には、すべての社員がセミナーに参加してお手伝いができるよう、「ビューティーサポーター制度」も新設しました。私をはじめ役員、社員がお手伝いをさせていただき、その人数は国内事業所社員約1,400名にのぼりました。お手伝いをさせていただくたびに、化粧がお客さまの心を明るくし喜びや自信をもたらす様子に触れ、感動や勇気をいただく機会となっています。
「女性を支援する活動」としては、企業活動のすべてを通して、世界中の女性に心まで豊かな生活を実現していただくことをめざした支援活動を行っています。社内の男女共同参画活動においても、今まで以上に女性社員の育成が必要と考え、「女性リーダーが恒常的に輩出される組織風土の完成にむけたポジティブアクションプランの推進」を基本方針とした活動を推進しています。育児や介護と仕事を「かろうじて両立」させる段階から、「男女ともに子育てや介護をしながらもしっかりとキャリアアップしていく」ことを目標に、女性社員の育成をめざし、企業としての成長と、お客さまへの新しい価値の提案力向上に努めていきます。
「環境への取り組み」では「人も地球も美しく共生する持続可能な社会の実現」を使命として、世界中の資生堂グループの社員が取り組む環境プロジェクト「資生堂アースケアプロジェクト」をスタートさせました。このプロジェクトでは、まず、すべての価値づくりの源泉である「地球の恵みの保全」、すなわち生物多様性の保全を中核に据えながら、「CO2削減」「省資源」といった、すべての企業があたりまえに取り組むべき「基本的環境活動」を着実に進めていきながら、さらに、資生堂ならではの「美とエコをつなぐ新しいライフスタイル」の実現に向けて注力していきます。
お客さまに安心して化粧品をお使いいただけるよう安全性を厳格に確保しながらも、地球上の生き物の命を大切にしたいという観点から、化粧品開発における自社での動物実験を2011年3月末までに廃止することを決断しました。今後は、多くの有識者や学術関係者のみなさま、動物愛護団体の方々との意見交換の場も設けながら、最も先進的な欧州の法規(EU化粧品指令)にあわせ、動物実験の廃止に向けた取り組みを推進していきます。
今日、世界経済は少し明るさを取り戻しつつありますが、先行きの不透明感はぬぐえません。地球温暖化や貧困、紛争など、多くの問題が未だ解決の途上にあるままです。だからこそ、私たちは今、お客さま、社会、そして地球もそれぞれが美しく豊かであるために、なおいっそう結束し、「新しく深みのある価値を発見し、美しい生活文化を創造する」という、資生堂の企業理念に基づいたCSR活動を進めていきたいと考えます。それが、世界中のお客さまに向けた約束です。
2010年6月
株式会社 資生堂 代表取締役社長
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