Back to Top

第13回 恵比寿 ゴロシタ. 長谷川慎氏 第1章 食いしん坊向けイタリアン「ゴロシタ.」。

撮影:立木義浩

<店主前曰>

この長期にわたる連載も、開始以来すでに6年を超すこととなった。だが、旧約聖書の「伝道の書」によれば、すべてのものには始まりがあり、そして終わりがある。そんなわけで、ついに本連載もこの6月に幕を閉じることと相成った。
今回紹介する店は、恵比寿にある「ゴロシタ.」である。「golosita.」はイタリア語で「食いしん坊」という意味だそうだ。まさにこの店は食いしん坊向けの、カウンターのみのイタリアンである。はじめて「ゴロシタ.」を訪れたのは、「島地勝彦公認スタイリスト」である広尾の「ピッコログランデ」の加藤夫妻と一緒であった。そのとき長谷川シェフの豪快な料理に舌鼓を打ったのは言うまでもない。

立木:あれ、今日の資生堂からのゲストはお嬢ではなくて、男性なんだね。

シマジ:タッチャン、本当に長いこと撮影を担当してくださってありがとうございました。タッチャンの素敵な写真でたくさんのバーやレストランを紹介してきたこの連載が、じつは本日を含めラスト2カ月となったのです。SHISEIDO “MEN”の連載ですから、その掉尾を飾る意味でも、今回は資生堂から男性のゲスト、服部広毅さんをお呼びしたわけです。どうぞ最高にいい男に撮ってあげてください。

服部:よろしくお願いいたします。

立木:よろしくね。

シマジ:こちらは長谷川シェフです。

長谷川:よろしくお願いします。

立木:こちらこそ。じゃあ、いつものように最初にカラーで料理を撮影しようか。そうだね、このカウンターに作った料理を並べてくれる。

長谷川:かしこまりました。では最初の料理は太刀魚のカツレツといきましょうか。いまが旬の太刀魚です。身が柔らかくて皮も薄く、食べ頃です。

シマジ:服部さん、まず立木巨匠が撮影しますから、ちょっと待っていてくださいね。

服部:はい。いままでのすべての連載を読んでいますから、その辺は十分心得ております。

長谷川:立木先生、太刀魚のカツレツです。どうぞ。

立木:美味そうだ! タカギ、この辺に一発スポットが欲しいな。

タカギ:了解です。

シマジ:長谷川シェフ、これはなんの油で揚げているんですか。

長谷川:イタリアのヒマワリオイルです。

シマジ:ほう、いかにもイタリアンの揚げ物ですね。

立木:太刀魚は撮影終了!

シマジ:では服部さん、資生堂を代表して召し上がってください。

服部:いただきまーす! うーん、ころもがサクサクしていて美味いですね。はじめて食べた食感です。

シマジ:お次は?

長谷川:ピッコログランデの加藤夫妻の大好物です。

シマジ:あれだね、目玉焼きの上にカラスミが豊富にかかっている、いわゆるイタリア式タマゴかけ御飯ですね。

長谷川:その通りです。これはイタリア玄米なので黒いんですが、この米は日本ではなかなか手に入りにくく、加藤夫妻にお願いして、イタリアに行ったときに買ってきていただいている貴重なお米なんですよ。

シマジ:先日も食べたけど独特な味がするよね。

長谷川:これはわたしがイタリアを放浪していたとき、偶然見つけた田舎料理なんです。では立木先生、どうぞ、よろしくお願いします。

立木:任せなさい。これは変わっているね。素朴だけど豪華でいいね。

服部:ぼくにとっては、生まれてはじめて食べる料理のオンパレードですね。やっぱり今日はランチを抜いてきて正解でした。

立木:イタリア式タマゴかけ御飯は撮影OK!

シマジ:では服部さん、どうぞ。まずはこの香りを愉しんでくださいね。

服部:この黒い米は独特な食感ですね。カラスミといい目玉焼きといい、凄く美味しいです! この連載の最後のゲストに選ばれて本当によかったです。

シマジ:そんなに喜んでもらえて、こちらもお呼びした甲斐がありますよ。

服部:ところでシマジさん、横浜の資生堂リサーチセンターの取材についてはもう少々お時間をください。6月掲載のために撮影許可の申請中ですが、多分もうそろそろ許可が下りると思います。SHISEIDO MENを含め当社商品の研究開発の拠点に、わたしがシマジさんと立木さんをご案内できるのは光栄です。

立木:なになに、シマジ、連載最後は横浜の資生堂研究所に行くのか。

シマジ:そうです。どういう研究者がこのクオリティーの高いSHISEIDO MENなどの化粧品を作っているのか、この目で見てみたいんです。

立木:どうせならでっかいロケバスで乗り着けようぜ。

シマジ:その点は抜かりなく服部さんが手配してくれるでしょうから、ご心配なく。

立木:次の料理は?

長谷川:はい、いまできたところです。スパゲットーニといいまして、日本のうどんよりちょっと太いパスタです。トマトソースで和えています。イタリアでは通常の細いパスタをスパゲッティーニと言います。まあ召し上がるとわかりますが、モチモチ感が違うんです。

服部:これもはじめて食べるスパゲッティですね。モチモチ感が違うんですか。愉しみです!

立木:スパゲットーニもOKだ。

シマジ:さあ、服部さん、こころおきなく召し上がってください。

服部:いただきます。うーん、これが長谷川シェフが言うところのモチモチ感ですか。いや確かに美味いですね。

長谷川:では、メインディッシュは滋賀県蔵尾ポークのロースソテーといきますか。立木先生、お願いします。

立木:これは豪快でわかりやすい料理だね。

長谷川:この蔵尾ポークは、鶏の生産者の紹介で知り合ったじつに上質な肉なんですよ。

立木:最後のポークソテーも撮影終了だ。

シマジ:では服部さん、頑張って蔵尾ポークを召し上がってくださいね。

服部:楽勝です。今日のぼくは資生堂でいちばんの幸せ者です。長谷川シェフ、立木先生、シマジさん、本当にありがとうございました。では、いただきまーす!:えっ、これがポークソテーですか。驚きです。こんなに美味いポークソテーがあるなんて。

シマジ:服部さん、そんなに喜んでいただきこちらこそ大感謝ですよ。

服部:長谷川シェフが料理に合わせて出してくれたワインもとても美味かったです。あっ、そうだ。先輩の女性たちに、最初に肌チェックをしたほうがいいよとアドバイスを受けていたんです。いま肌チェックをしてもいいですか。

シマジ:どうぞ、どうぞ。

服部:では長谷川シェフ、ちょっとこちらにいらしてください。

長谷川:なんか怖いですね。肌年齢が出るんでしょう。

シマジ:シェフの生年月日をおしえていただけますか。

長谷川:1977年10月19日生まれです。

シマジ:ホント?! まだ40歳なんだ 。

長谷川:何歳だと思っていたんですか。

シマジ:正直に言っていいですか。貫禄があるからてっきり50歳くらいかなと思っていましたよ。

立木:えっ、40歳? 見えないね。サバ読んでいるんじゃないよね。おれも50歳くらいのベテランシェフかなといままで思っていたよ。

服部:世紀の判定が出ました。Cでした。しかも肌年齢は36歳ですよ!

シマジ:へぇーっ、やっぱり人生は恐ろしい冗談の連続なんだよね。

新刊情報

神々にえこひいきされた男たち
(講談社+α文庫)

著: 島地勝彦
出版: 講談社
価格:1,058円(税込)

今回登場したお店

恵比寿 golosita.
東京都 渋谷区恵比寿南1-18-9
Tel:03-5794-8568
>公式サイトはこちら (外部サイト)

PageTop

このサイトについて

過去の掲載

Sound