Back to Top

第1回 ゲストMEN’S Precious編集長 橋本記一氏 第4章 「クレンジングフォーム」の邪道な使い方とは。

<店主前曰>

SHISEIDO MENの商品を2つ買うと金額には関係なく、売り場で洒落たアイテムがもらえることはご存じか。最近、わたしは人気のポーチを制作している「アルチザン・アーチスト」と資生堂がコラボして作った小さくて便利なポーチをもらった。いままでもチャーミングな販促グッズをたくさんもらっているが、とくに今回のポーチは気に入っている。シマジ・サロンには山のように鞄が調度品のように置かれている。どうして納戸に入れず部屋に飾っているのか。それは納戸に入れているとバッグたちが夜鳴きするからである。いつもバッグの美しさを愛でてやり、そろそろ旅行に出かけるぞ、と声をかけてやらないと、バッグは死んでしまうのである。だがこのポーチは、エルメスのバーキンとグローブ・トロッターの間に挟まれても、まったく見劣りがしないのだ。「今度はぼくもイタリアに連れてって」と小さな声で話しかけてくる。これは財布にもなるし、カード入れにもなり、パスポート入れに持ってこい、なのである。真夏、短パンを履いたときは、財布や小物入れに最適だなといまから考えている。SHISEIDO MENそのものも高級感溢れるのだが、オマケ・グッズもお洒落なのが嬉しい。銀色のひとつ星が黒色ポーチに凜として輝いている。

シマジ 家ではちゃんと英国式に「トゥルフィット&ヒル」の穴熊のブラシにシャボンをつけてカミソリでヒゲを剃っていますが、何より旅行のとき便利なのは、SHISEIDO MENの「クレンジングフォーム」で顔に泡立ててヒゲを剃ると気持ちいいですよ。

BC高石 その方法は売り場でもお客さまに勧めております。SHISEIDO MENにはシェービングクリームがございませんので流用することをお勧めしているのです。

ハシモト なるほど。それは英国美容を勉強してきたぼくも知らなかった。さっそくやってみます。

シマジ おれは浅草の古いブラシ屋「藤本虎」のブラシで、もう何十年もボディ全体をゴシゴシ洗っているんだが、そのとき、「ディープクレンジングスクラブ」をたっぷりブラシにつけて使っているんだ。

BC高石 それはもったいないことです。邪道な使い方です。

ハシモト きびしいねえ。シマジさんらしくって贅沢じゃないかしら。

BC高石 そんなことをすると、すぐなくなってしまいます。あれは125グラムしか入ってないのです。スクラブ入りは「クレンジングフォーム」<130グラム>より、しかも525円高く2,625円します。

立木 シマジ、おまえなにを考えてるんだ。高石さんの言う通りそれはやめたほうがいい。

シマジ そうかなあ。スクラブの感触がとても気持ちいいんだがなあ。そうだ、福原さんに頼んで、今度、SHISEIDO MENのボディークレンジングをボディーケアラインに加えてもらおうかな。

立木 そんな個人的なことでエスタブリッシュメントの福原さんを煩わしちゃいけません。頼むんなら、もっと下々の者に言いなさい。

ハシモト SHISEIDO MENのボディークレンジングはいいアイデアですね。SHISEIDO MENの「クレンジングフォーム」で洗顔すると、もう普通の石鹸は使えなくなりますからね。

シマジ 本当のお洒落は見えないところを手入れするときも気を遣うことだと思うがね。ハシモト、そのうち『MEN'S Precious』の「お洒落極道」の連載でトリートメント&グルーミングをやろうか。

ハシモト いいですね。SHISEIDO MEN、ペンハリガン、トゥルフィット&ヒル、D.R.HARRISの歯ブラシ、シマジさんのところはなんでも揃っていますものね。

立木 おれ、シマジの使った歯ブラシも撮るのか。

シマジ これぞお洒落ドキュメント写真です。

立木 ハシモト、本当か、おれ、降りていい。

ハシモト 立木先生、D.R.HARRISの歯ブラシは王室御用達のロイヤルワラントなんです。絵になるくらいアートな歯ブラシです。

立木 本当か、ハシモトが言うなら信じようか。

BC高石 そんな女王陛下が使われている歯ブラシが売られているんですか。

シマジ ロンドンにしか売っていないです。それは高いですが、歯をやさしく愛撫するように磨けます。資生堂は歯磨き、歯ブラシは作ってなかったよね。

BC高石 作っておりません。

シマジ よかった。宣伝大将として気を遣わないとね。

立木 それは愛用者代表としてのエチケットだよな。福原さんもさぞお喜びになることでしょう。シマジ、なにか変わったシングルモルトを一杯ちょうだい。今日は十分いい写真も撮れたし、カワユイ高石さんの話も聞けたし、シマジとハシモトのSHISEIDO MENへのこだわりもわかったし、余は満足じゃ。一杯飲んだら帰るよ。

シマジ それではサロン・ド・シマジのなかで取って置きのシングルモルト、ブルックラディ、ポート・シャーロットPC7を飲んでください。ブルックラディはアイラでもボウモアやラフロイグのようにメジャーではないし、2001年に再開してからですからモルト自体が若いですが、大好きなモルトです。

立木 じゃあ、それをもらおうか。

シマジ ハシモト、おれたちもこの仕事が終わったら一緒に飲むから、そんな哀しい顔をしなくても大丈夫だよ。

ハシモト ありがとうございます。

立木 たしかにこれは美味いねえ。なんて言ったっけ。

シマジ ブルックラディのポート・シャーロットPC7です。フルボディで甘さとスモーキーさがミックスされていて、またフルーティなところもあるでしょう。

立木 なるほど。シマジはメンズ誌の『Pen』にシングルモルトの話を連載してるだけある。

シマジ ブルックラディのオクトモアもイケますよ。

立木 それは今度にしよう。折角だから、久しぶりにシマジの得意のジョークを1つやってくれよ。今日は高石さんがいるから、シモネタは禁物だよ。

ハシモト ぼくも開高健さんの気持ちになって聞きたいなあ。

シマジ じゃあ、調子に乗って1つやりますか。

ハシモト 是非、是非。

シマジ モンパルナスにサーカスがかかって、明日が初日という晩、団長あてに電話がかかってきた。「人間の言葉をしゃべる馬がいるんだが、雇ってくれませんか」と言う。電話を受けた秘書が団長に話を伝えると、「あしたが初日で忙しいときに、人間の言葉をしゃべる馬がいるだと? 人をからかうのもいい加減にしろ!」と怒鳴って受話器を秘書の手からもぎ取ってガチャンと切ってしまった。2、3分経つとまた電話のベルが鳴って、秘書が出るとまたさっきの奴だ。どうしても団長に話がしたいとくいさがってくる。仕方なく団長が代わって「このいかさま野郎、こっちは忙しいんだ!」すると電話のむこうの声も怒って「こっちだって、ひずめでダイヤルをまわすの、大変なんだ!」

ハシモト アッハハハハ。

立木 面白い。まだダイアルの時代って味があるね。

シマジ このジョークには続きがある。キョトンとしている団長のところにマントを着て、肩をがっくり落とした冴えない青年が青白い顔して訪ねてきて、団長に言った。「団長さん、わたしを雇ってくれませんか」。団長はいらだちげに「あしたから開演するんでこんな忙しいときに、いったいどんな芸を売り込もうと言うんだ?」「はい、わたしは空を飛ぶんですがーー」「空を飛ぶ? わしは忙しいんだ。人をからかうのもいい加減にしろ! トットと帰ってくれ!」と団長が怒鳴り散らすと、「ああ、そうですか、お邪魔しました」と青年はマントをひろげ、ファと宙に浮き、唖然としている団長の目の前からゆっくりと空へと飛んでいった。

ハシモト シュールですね。

立木 短編小説だな。高石さんは、いまのジョーク、わかったかな?

BC高石 はい。

PageTop

Copyright 2013 Shiseido Co., Ltd. All Rights Reserved. Shiseido Men Special Project

このサイトについて

過去の掲載

Sound