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第6回 ゴルフダイジェスト社 大川喬司氏 第4章 何よりも尊いものは友情である。

<店主前曰>

ジョークにもエチケットがあることをご存じだろうか。これは欧米では厳しく重んじられている。たとえば、店主が得意がってゴルフジョークを語ろうとしたとき、オオカワが「ぼく、それ、知ってる」なんて言いながら、結論まで語ってしまうことはジョークエチケットに反する行為なのである。一生懸命ジョークを語ろうとする人を尊んで、聞いたことがあるジョークでも、はじめて聞いたような顔をするのが礼儀なのだ。その点、34歳の編集者のオオカワは、ゴルフもそうだが、ジョークを聞くエチケットも身につけている。立木義浩ことタッチャンも、店主のジョークを耳にタコが出来て、そのタコがまた子供を生んだくらい聞いているのに、いかにもいまはじめて聞いてるようなやさしい笑顔を作りながら聞き惚れている。人間がここまでできてくると”人物”の域に入ったと言われる。だから世間から”巨匠”と呼ばれているのである。

シマジ オオカワ、おまえは、おれが送ってやったSHISEIDO MENのスキンケアキットに入っていた小さなクレンジングフォームしか知らないと思うが、ディープクレンジングスクラブで洗顔した快感はこれまた格別なんだ。

オオカワ まだあるんですか。一体、SHISEIDO MENって何種類あるんですか。

BC山地 はい。合計22種類ございます。

オオカワ すげぇー。女性用化粧品に負けない数ですね。シマジさんはそれを全部持っているんですか。

シマジ もちろん。毎日使っているのは別にしてときどきではあるけど全部使っている。たとえば、ディープクレンジングスクラブは3,4日に1回の頻度で使っている。これはツブツブの細かい植物繊維の粒子が入っていて、洗いはじめはザラザラと感じるけど、だんだん擦っているうちにツブツブが消滅していく。それが何とも神秘的で気持ちがいいんだ。

オオカワ それでは伊勢丹のサロン・ド・シマジでクレンジングフォームは2種類買うべきなんですか。

シマジ 当然だよ。オオカワ、1本だと快感が半減するぞ。

立木 面白い!またシマジの脅迫的押し売りがはじまったぞ。

シマジ タッチャン、人聞きの悪いこと言わないでよ。おれは日本中の男たちをヨーロッパ並の粋な男にしたいんで、SHISEIDO MEN の宣伝マンを買って出たんだ。しかもおれ自身、9年間毎日使ってその絶大なる効果を証明済みなんだ。

オオカワ たしかにシマジさんの光り輝く肌を見せられると反論のしようがないですよね。

立木 だからこそ、シマジはSHISEIDO MEN なくしては生きていけないって、力説しているところが面白いんじゃないか。

シマジ じっさい、おれはSHISEIDO MENに出会っていなかったら、こんなに男として化粧品のトリートメントもグルーミングも愉しむことはできなかったろう。オオカワ、おまえは34歳か。おれの半分以上若いのか。これから男性化粧品はもっともっと高品質なものが開発されるだろうなあ。おまえの若さと美貌がうらやましくなってきた。

立木 シマジが珍しくヤキモチを焼いてる。

シマジ タッチャン、そう思わないか。おれたちは冥途からのお迎えの日が刻々と近づいているんだ。

立木 シマジくらい散々人生を愉しんだやつはそういないんだから、この期に及んでそんなにあがくのはみっともないぞ。人生は冥途までの暇つぶしじゃないか。オオカワ、これ、どこかで聞いたセリフだよな。

オオカワ これもシマジさんの十八番の警句です。

立木 どうも月3回もここでシマジと仕事しているとシマジのセリフが移ってしまうんのかな。

シマジ そう言えば、タッチャン、数々作った”シマジ格言”が伊勢丹のサロン・ド・シマジのバーのコースターになって出るんだよ。

オオカワ 面白いですね。まさに、「バーのカウンターは人生の勉強机である」ですか。

シマジ もちろん、その格言のコースターもあるよ。

BC山地 それは素敵ですね。わたしもお邪魔して一枚父に持って帰りたいですね。

シマジ 山地さん。そう思ってちゃんと12枚セットにして箱入で売っています。

オオカワ すげぇ!コースターも売るんですか。それは売れますよ。ぼくのいちばん好きな「女房の目には英雄なし」もあるんですね。

シマジ 当然ある。だからおまえは独身を通しているんだな。

立木 シマジの得意中の得意の「男と女は誤解して愛し合い理解して別れる」も置いてあるんだな。

シマジ 当然でしょう。いちばんの傑作は「美しいモノをみつけたら迷わず買え」かな。

オオカワ それは面白い。SHISEIDO MENシリーズはデザインがいいですよね。狭い1人暮らしの男性なら本棚に一緒に並べても格好いいですよね。ぼくも迷わず全部買います。

BC山地 ありがとうございます。このデザインはむかしの革張りの洋書をイメージしてデザインされたと聞いています。

立木 そのうち「SHISEIDO MENは男の人生の美しき伴侶である」なんて格言のコースターが現われるんじゃないか。

シマジ うまい!それは使えるかもね。

立木 山地さんは当然タイガースファンなんでしょう。

BC山地 はい、父も母もわたしも大ファンです。

シマジ そう言えば、この間、近くのシガーバー「ブリッジ」で飲んでいたら、お客が面白いことを言っていた。あんまり面白いので思わずメモを取っちゃった。

オオカワ シマジさんが野球の話をするなんて珍しいですね。

立木 シマジ、タイガースのことで面白いってどんな話なんだ。

シマジ 阪神はいまあわや最下位なんだってね。だから客がやけ酒を飲みながら「タイガーズはいまや下半身タイガースだ!」って喚いていたよ。

立木 シマジ、やっぱり当分絶交する。

オオカワ またですか。

BC山地 それはひどいです。わたしも帰らせてもらいます。

シマジ 山地さん、おれが言ったんじゃないですよ。タイガースファンがやけくそでそう言っていたのをただメモしただけですよ。

立木 シマジのそのメモする行為が気にくわない。ねえ、山地さん。

シマジ もう一つ面白いことを言っていた。ちょっと待ってね。あった。ここに書いてある。「タイガースはいまや三振タイガースだ!」と言っていた。

立木 シマジ、そいつはニセ者のタイガースファンだな。

BC山地 そうですよ。タイガースファンなら拷問されてもそんな本当のことは言いません。

立木 おれも東京にきたころは肩身が狭かった。タクシーに乗ると運転手までがジャイアンツファンなんだ。訛りが関西系なのでこころ許してタイガースの話をすると、これまたジャイアンツファンなんだ。おれは参ったよ。でもタイガースはジャイアンツのためにどれだけの寛容なことをしたか、シマジは知ってるのか。

シマジ まったく知りません。

立木 江川問題にしても小林を寛容に入団させたんだ。泣ける話だよ。

オオカワ シマジさん、部屋の空気が不穏になってきました。ここらで1つゴルフジョークをまたやっていただけませんか。お願いします。

立木 野球知らずのシマジに野球の話をさせたのはだれだ。気分が悪くなった。

シマジ よくみんなに嫌われているゴルファーっているんだが、そんな男が1人でカートを転がしながらラウンドしていた。まさにティーショットしようとすると、いかにも胡散臭いセールスマンがティーグランドにやってきた。「ちょっと待ってください!打つ前に凄いボールを見てください」「一体どんなボールなんだ」と孤独のゴルファーがいらだって聞き返した。「これは新発明のボールでして、絶対ロストボールにならないんです」ゴルファーはあざけり笑った。「絶対なくならないだと?それじゃ、池のなかに打ち込んだらどうなるんだ」「まったく問題ありません。このボールは浮かび上がってきて陸がどちらにあるかセンサーで感知して、そちらに向かってたどり着くように設計されています」「じゃあ、林のなかに打ち込んだらどうなるんだ?」「簡単です。そんなときはアラームが鳴るように設計されていまして、目をつぶっていても見つけられます」「わかった。じゃあ、夕暮れが迫ってきて暗くなったら?」「それもまったく問題ありません。このボールは暗闇では光るようにできてるんです。なくそうとしても絶対無理なんです」一人ぼっちのゴルファーはその場で1,000ドルで買った。金を払ったあとでセールスマンに尋ねた。「もう1つ訊きたいことがあるんだが、どこでこのボールを手に入れたんだ」「えーっと、その、拾ったんです」

立木 アッハハハ。よく出来ているジョークだ。

オオカワ インチキの世界にも上には上があるって話ですね。

BC山地 シマジさんはこんな面白いジョークをどこから仕入れていらっしゃるんですか。

シマジ それは企業秘密です。

立木 シマジ、山地さんはわざわざ大阪からきたんだぞ。素直に白状しろ。やっぱりいくらSHISEIDO MENを顔にぬったくったって腹の黒いのは治らないようだね。

シマジ ボディークリエイターは毎日ぬっていますよ。もっと愉しい面白いゴルフジョークは、いま講談社のハラダが編集中です。早ければ12月に『赤の他人の七光り』というタイトルの新しく上梓される単行本に載っています。

BC山地 それは父にプレゼントしようかしら。

シマジ 山地さん、まずあなたが買って読んでください。

オオカワ 伊勢丹のサロン・ド・シマジでも売るんでしょうか。

シマジ もちろん。買ったかたにはその場でサインしてあげますよ。

立木 シマジはSHISEIDO MENを売ったり、自分の本を売ったり大変だね。

シマジ タッチャン、たまには遊びにきて一緒に手伝って売ってくれない。

立木 バカ言っちゃいけない。オオカワ、やっぱりおれはシマジと絶交しないとなにされるかわからない。

オオカワ 立木先生、「何よりも尊いものは友情である」じゃないでしょうか。

立木 オオカワ、それがいちばん怖いんだ。

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