第9回 南青山 HELMSDALE 村澤政樹氏 第4章 社員思いの会社システムとは?

撮影:立木義浩

立木:シマジ、そろそろ資生堂のお嬢にインタビューをしてもいい頃じゃないのか。

シマジ:いつもタッチャンに気を遣わせて済みません。たしかに時間が逼迫してきましたね。ということで松山さん、よろしくお願いします。

松山:こちらこそ、よろしくお願いいたします。

シマジ:では早速ですが、松山さんが資生堂に入社されたのはいつ頃ですか。

松山:わたしは2001年入社です。

シマジ:資生堂の新入社員は新聞社のようにはじめは地方に行かされるようですが、松山さんはどちらに配属されたんですか。

松山:はい、まずは石川支店に配属されて専門店営業をしていましたが、2003年に埼玉支店に転勤し、同じ専門店営業を2年ほどやりまして、ジョブチャレンジ制度で宣伝部に異動しました。

シマジ:ジョブチャレンジ制度というのは、自分の希望部署を申請できるシステムなんですよね。

松山:そうです。

シマジ:資生堂はじつに開かれている会社ですね。たしかに自分の希望する部署に行ければ仕事もより愉しく、より頑張るでしょうね。社員の才能や可能性を精一杯引き出す最良のシステムだと思いますね。そこで松山さんはなにを手がけたんですか。

松山:広告戦略の立案と推進、メディアバイイング業務です。たとえばTVスポット、雑誌、ラジオ、OOH等を担当していました。その後、ちょうど6年目に入った頃でしたが、夫の香港赴任に伴い、帯同休暇システムを利用させてもらいました。

シマジ:帯同休暇システムというのも素晴らしいですね。やっぱり資生堂は進んでいる企業ですね。

松山:帯同休暇システムは最長3年間会社を休むことが出来るんですが、わたしは休んでいるうちに赤ちゃんを授かり、今度は育児休暇に移りまして、合計4年4カ月休暇を取りました。

シマジ:人口激減が深刻な我が国のためにも、資生堂は頑張っているんですね。

松山:ありがとうございます。2013年に長女を出産して育児休暇に入り、2015年に帰国しました。それから2016年に復職し、前に所属していたところに戻りました。部署名はコミュニケーション統括部に変わり、いままた広告戦略の立案と推進の仕事でTV番組や雑誌を担当しています。

シマジ:4年以上のブランクがあるのに前の職場に戻れることにも、会社の愛を感じますね。

立木:シマジ、どうしてお嬢が資生堂を就職先として選んだのか訊かなくてもいいのか。

シマジ:そうでしたね。ではお訊きします。松山さんはどうして資生堂に入社したいと思ったんですか。

松山:学生の頃からメディアマーケティングに関する仕事に興味があったのですが、自社で作った商品の宣伝制作物まで自社で作る企業は数少なく、とりわけ広告表現の世界でトップと称されていた資生堂に入社を希望しました。また、メーカーならば自社商品をこころから愛せなければ売ることは出来ないという思いがあり、女性が生涯寄り添える商品を扱う会社であれば、入社後数十年経っても、商品への愛着と高い志を持って自分自身が働けるのではないかと思ってもいましたが、もともとわたし自身が資生堂化粧品の愛用者でもあります。また、商品の先にある女性の美しい生き方まで創造するという企業理念に非常に魅力を感じていたような記憶があります。

シマジ:たしかに15年も前のことですものね。「記憶があります」という感覚はよくわかります。いまやっているお仕事の面白いところはどんなところですか。

松山:担当は雑誌とテレビ番組なんですが、テレビの方では、資生堂一社提供番組「金曜日くらい褒められたい」(BS朝日金曜23時から放映)を立ち上げから担当しております。テレビ局や制作会社と共に頭を悩ませながら、日々忙しく行動する女性にとって癒やしであり、明日への活力となるような番組作りを心がけています。「女性活躍支援」と言葉に出すのは簡単ですが、生活者にとっていかに身近にこの言葉を感じていただけるかが重要で、この番組を通じて女性に役立つ情報を提供し、女性の生き方に寄り添う企業として、資生堂をもっと認知していただけるよう、さらなる進化を目指したいと日夜考えているところです。

シマジ:松山さんなら出来ますよ。頑張ってくださいね。松山さん、一生懸命しゃべってくれて喉が渇いたでしょう。村澤、もう一杯松山さんにラガヴーリン16年をトワイスアップで作ってくれますか。

村澤:畏まりました。立木先生とシマジさんは?

松山:ありがとうございます。

立木:おれにタリスカー10年のハイボールを小さなグラスで作ってくれないか。

シマジ:わたしもタッチャンと同じでいいですよ。でもペッパーを上からかけてくれる。

村澤:了解です。

シマジ:では松山さん、もう一度乾杯しましょう。スランジバー、資生堂、ゴブラー!

松山:スランジバー、資生堂、ゴブラー! これって資生堂よ永遠に!という意味ですよね。

シマジ:その通りです。

松山:ありがとうございます。これから資生堂でも流行らせますね。

シマジ:松山さんが資生堂に入られていちばん嬉しかったことはなんですか。

松山:それはやはり、営業5年目の転機でジョブチャレンジ制度を利用して現在の所属部署に異動出来たことです。自分としては入社前から希望していた部署でしたので、ついに念願が叶ったという気持ちでした。わたしは言霊というものを信じています。「いつか宣伝部に行くぞ!」とこころのなかで叫んでいましたし、また周囲に公言したのがチャンスを呼び込んだのだといまでも信じているんです。

シマジ:それはいい話ですね。わたしも言霊の存在を信じている人間です。若いときに今東光大僧正に教わったことですが、たとえば、夜寝るときに「わたしは宣伝部に異動した!」と両手を丹田に置いて3回声を出して唱えると、実際にそのことが叶うんですよ。

松山:そうですか。もっと早く聞いておけばよかったですね。

シマジ:でも松山さんは結局希望が叶えられたからいいんじゃないですか。

松山:そうですね。欲張ってはいけませんね。また異動してから感じたことは、お客さまの顔が見えないということです。ですから営業時代に直接お客さまのお顔が見られたことは重要だったとわかりました。新入社員の頃の失敗談を話してもいいですか。

シマジ:どうぞ、どうぞ。

松山:わたしが慌て者であるばかりに、各店の目標金額を書いた自分のメモを、ある担当店にうっかり置いてきてしまったことあるんです。「うちだったからよかったものの、あそこのお店に置いていたら大変だったわよ」と、逆にお店の奥さまに励まされたことがありました。

シマジ:それも松山さんの強運でしょう。よかったですね。

松山:また冬場にハンドマッサージを店頭活動として実践していたのですが、当時の支社長に「営業はまず販売主務者に体感頂いて心地よいと感じたらお客さまに実践してください」と言われたので、私が打合せ時に得意先の社長に実践したところ、事情を知らない奥さまが後ろからその現場を見て大激怒され、しばらく口をきいてもらえず大変でした。

シマジ:それはご主人が松山さんにハンドマッサージをされてよっぽど気持ちよさそうな顔をしていたんでしょうね。奥さまの単なるヤキモチでしょう。松山さんのハンドマッサージがそれほど上手かったということですね。

松山:それ以降、男性にはハンドマッサージをしたことがありません。

立木:シマジ、お嬢にハンドマッサージやってもらったら。

シマジ:いえいえ、わたしは最近資生堂を引退された矢野裕子先生にジェルネイルをお願いするときに、やってもらうことがあるんです。矢野先生にはもう長いこと伊勢丹のサロン・ド・シマジに週末1回来ていただき、お客さまへのネイルの手入れをやっていただいています。もちろんショップでSHISEIDO MENの全アイテムも売っていますよ。

松山:ありがとうございます。

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出版: 講談社
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