ビューティーブック

BEAUTY BOOK

香りと豊かに暮らす vol.3

Column

香りと豊かに暮らす vol.3

夏から秋へ、巡る季節に、
香りを取り入れおだやかに過ごす。

豊かな四季に囲まれた日本は、それぞれの季節とともに香りを楽しんできました。
日々の暮らしのなかで、香りを季節に応じて上手に取り入れるヒントを資生堂グローバルイノベーションセンターで美しい肌と心と身体の関係について研究する合津陽子研究員に聞きました。

季節の変化と女性の身体

風が涼しくなり、木々や風景が色づき始め、思わず出かけたくなる季節。おだやかな秋は一年の中でも、身体にとっても、肌にとっても過ごしやすく快適な時期と言えるでしょう。汗しかし、本当に気持ちがいい秋本番になるまでの夏から初秋は、朝夕の寒暖差が大きかったり、夏から蓄積した疲れによって身体の不調を感じやすい季節でもあります。気候の変化は自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れにつながったり、なかにはPMS(月経前症候群)が重くなると感じる人もいるようです。

PMSの症状については個人差がありますが、女性ホルモンのバランス変化が影響していることがわかっています。女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2つがあり、月経周期に伴いこの2つのホルモンのバランスが変化します。変化への対応がうまくいかないと、イライラしたり便秘になったりと心や身体にさまざまな不快症状が引き起こされるのです。

身体からのサインを見逃さない

加えて、ホルモンバランスは「加齢」や「ストレス」そして「生活の乱れ」等からも影響を受けます。加齢は前述の「エストロゲン」を減少させます。結果、ホルモンバランスの崩れから、更年期特有の不調が現れやすくなります。また、過度な身体的・精神的ストレスや睡眠不足、過剰な飲食もホルモンバランスを乱す原因となります。ホルモンバランスの乱れはなかなか自分では気づきにくいのも特徴です。なんだか身体が重い、頭痛がする、気分が優れないというような身体からのサインに気づいたら、早めの対処がおすすめです。アロマテラピーの世界ではセージやカモミールの香りが月経前の不快な症状を和らげることが知られています。以前、私たちが行った調査では、スイートオレンジの香りがPMSの不快な症状を和らげ、さらに肌のさまざまな悩みの改善につながることがわかりました。不調の対処法として、自分自身が心地いい気分になれる香りの種類を知っておくのもよいでしょう。

秋の夜長は自分と向き合う時間

年齢を重ねた女性の身体の不調の原因は、女性ホルモンの変化だけではありません。仕事や家族、人間関係とさまざまな社会的要因が複雑に絡み合い、心身の不調にもつながります。周囲に気配りができる人ほど、自分を忘れがちに。夜の時間が長くなる秋。ふっと心が落ち着く静かな時間を、たまには自分のために使ってみましょう。好きな香りのキャンドルを灯したり、いい香りのアロマオイルでマッサージをしたり。香りをうまく取り入れながら、毎日がんばっている自分の肌をいたわってみてください。心からリラックスすること、それが身体にも肌にもいい影響を及ぼすのですから。

次回のコラムもお楽しみに!

合津 陽子

資生堂グローバルイノベーションセンターにて心身の状態を整え美しい肌を実現する研究に従事。