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第11回 西麻布コントワール ミサゴ オーナーシェフ 土切祥正氏 第4章 男の朝の荘厳な儀式。

撮影:立木義浩

<店主前曰>

いままで食べたもののなかでベスト3を挙げよといわれたら、わたしは迷わず開高健文豪と食べた大阪の高級おでん屋「万卯」のさえずり<クジラの舌>をベストワンに挙げる。いやいや、四国の大将こと坪内寿夫さんに招待されて柴田錬三郎先生と食べた、わたしの二の腕ほどもある大きなマツタケづくしの料理か。待て待て、今東光大僧正と一緒に食べた京都「たん熊」の明石のシラサエビか。まったく甲乙つけがたい。
 くどいようだが、「ミサゴ」のヒグマのステーキはベストテンに入る。しかし浅草「鷹匠寿」の真鴨はいつも舌に鳥肌がたつ。赤坂「重箱」の天然ウナギもたまらない。京橋の老舗の寿司屋「与志乃」のカステラ風の卵焼きも抜群に美味い。恵比寿「マサズキッチン」の冷やし坦々麺も挙げたい。最近は人気があるので一年中冷やし坦々麺を出してくれる。銀座「鳥政」のボンジリもホッペが落ちる。赤坂「カナユニ」のビーフピラフも捨てがたい。神保町「カーマ」のチキンカレーはくせになる味である。淡路町「天兵」の殻付きハマグリの天ぷらも挙げねばなるまい。銀座「玉木」のハヤシライスのレトロな味は日本一だろう。こんな風に挙げていくと、優にベストテンは超えてしまう。

シマジ 鈴木さんのお子さんはパリの小学校に通わせたんですか。

鈴木 はい、そうです。5年間滞在する間にわたしたち夫婦よりフランス語が達者になりました。

立木 子供は大人より順応するのが早いからね。

シマジ わたしの友人がロスに一家で行って子供が瞬く間に英語を覚え、その家に遊びに行って親父とニュースをみていたとき、親父もわたしもわからなくて、息子に意味を教えてもらったことがありましたね。

土切 でも子供のとき外国の言葉を覚えても、大きくなって使わないと忘れてしまうことがよくあるようですね。

鈴木 そのためうちの息子は日本に帰ってきてからもせっかく覚えたフランス語を忘れないように、いまでもフランス語を習わせております。

立木 それはいいことだね。フランス語がその子の財産になるね。

シマジ 大学受験もフランス語で受ければいい。息子さんはいい両親を持ってよかったですね。

鈴木 ありがとうございます。

土切 ところでこんなに高級な化粧品をいただきどのように使えばいいのか教えてください。

立木 それはシマジが懇切丁寧に教えてくれるよ。

土切 シマジさんの肌はピカピカ輝いていますからね。

鈴木 そうですね。シマジさんはSHISEIDO MENをお使いになられてもう10年は経つんでしょう。

シマジ はい、日本で発売される前、ミラノのデパートでみつけてから使っていますから、10年以上になりますか。たしかヨーロッパに遅れて1年後に日本で発売になったんですよね。

鈴木 はい、そうです。今年の5月でちょうど10周年になります。

立木 この際シマジのグルーミング作法を聞こうじゃないの。

シマジ 少し長くなりますがいいですか。

立木 長講一席やってくれ。

シマジ まずわたしは毎日10時ごろ起きてシャワーを浴びます。
ヘアは資生堂の薬用アデノゲン・シャンプーで洗い、同じ薬用アデノゲン・コンディショナーをつけておきます。それからSHISEIDO MENのクレンジングフォームで顔を洗い、4日おきにディープクレンジングスクラブで洗います。次にペンハリガンのブレナムブーケのバス&シャワージェルを藤本虎のボディブラシにたっぷりつけて全身を洗い流します。そのとき一緒に頭髪につけている薬用アデノゲン・コンディショナーを洗い落とします。

立木 土切シェフ、ここまでしないとシマジのように年齢不詳にはなれないんだよ。

土切 シマジさんは女性たちに負けていませんね。

シマジ バスを出てから洗面所の鏡の前に立ち、歯をライオンのデントヘルスで磨きます。歯ブラシはライオンのデンターシステマを使っています。そしてトルフィット&ヒルのシェービング・クリームをヒゲの生えている部分にぬってアナグマのシェービング・ブラシでなで回し、まるでサンタクロース状態にしてから、ジレットの3枚刃のヒゲ剃りでヒゲを当たります。このシェービング・クリームのライムの香りが毎朝堪りませんね。それから8時間後にバッキンガム宮殿でチャールズ皇太子が、同じように同じものを使ってヒゲを剃っているのです。

立木 その話はホントか?

シマジ だからトルフィット&ヒルはロイヤルワラントがついているんですよ。

鈴木 凄いですね。男の朝の荘厳な儀式ですね。

シマジ それからいよいよSHISEIDO MENの登場です。まず手の平にこぼれるくらいトーニングローションを垂らし顔全体に叩くようになじませます。冬はハイドレーティングローションを主に使います。そしてアクティブ・コンセントレイティッドセラムを1〜3滴手の平に垂らして顔にぬり、その次はスキンエンパワリングクリームをしっかりぬり込みます。そして目のまわりに先月発売されたトータルリバイタライザーアイをぬり、唇の乾燥を防ぐためにリップトリートメントをぬって、顔のグルーミングはお仕舞いです。

鈴木 シマジさん、完璧です。これだけ丁寧に使っていただければ研究所の人たちも嬉しいでしょう。

シマジ それからヘアの手入れは資生堂の薬用アデノゲンを散布して、いままではSHISEIDO MENのヘアワックスを使っていたのですが、製造中止になってしまったので、仕方なくいまは女性用のデザインヘアワックスで整髪しています。

鈴木  皆様にご迷惑をおかけして申し訳ありません。近いうちにご期待に添えるように検討しています。

シマジ よろしくお願いしますね。それから脇の下のデオドラントとしてペンハリガンのデオドラントスティックを塗っています。残念ながらこのスティックは日本には輸入されていないのでロンドンから買ってきたものです。そしてシャツを着て脇の下にペンハリガンのオー・ド・トワレとしてブレナムブーケを左右に3プッシュ振りかけます。これですべて完了です。あっ、もう一つありました。ボディークリエイターを500円硬貨大ほど手の平に取って、両手でこすりニオイを嗅ぐ。すると柑橘系の香りが脳みそを刺激するんです。そして「痩せろ!痩せろ!」と呪文を唱えながら腹部にすり込みます。

土切 シャワーを浴びてからボディークリエイターまでの所要時間はどれくらいなんですか。

シマジ 約1時間くらいかな。

土切 それはぼくには無理ですね。

シマジ どうして。

土切 うちは昼も夜も営業していますから、朝の1時間は寝ていたほうがいいんです。

シマジ まあ、シェフはまだ若いから、省略に省略して顔を洗ったら今日もらったSHISEIDO MENの6点セットを上手く使えばいいんじゃないの。

立木 シェフ、シマジは異端児であり異常の人だから決してこいつの真似をすることはないよ。

シマジ このわたしのグルーミング作法のアイテムはすべて伊勢丹新宿店メンズ館8階のサロン・ド・シマジでわたしが対面販売しているんですよ。

鈴木 ありがとうございます。

シマジ 福原名誉会長も丸山執行役員も関根近子執行役員もみにきてくれています。

鈴木 わたしも近々一家で伺います。

シマジ お待ちしております。

今回登場したお店

コントワール ミサゴ
東京都港区西麻布4-17-22 アビターレ西麻布2F
>公式サイトはこちら (外部サイト)

今回登場したアイテム

シマジ式SHISEIDO MENの使い方基本講座。
男に生まれて鏡で自分の顔をしげしげみることは、21世紀の男の正しい生き方である。

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