第1回 ゲストMEN’S Precious編集長 橋本記一氏 第3章 わたしの肌は71歳にしては極めて良好。

<店主前曰>

資生堂の全国どの売り場にも、肌をたちどころに分析してくれるスグレモノの機器がある。よく女性客が診てもらって「きゃあ」なんて黄色い声を出しているのを見かけるが、男性も堂々と診てもらったほうがいい。わたしは年に2回は顔の肌をチェックしてもらっている。10分もしないうちに、肌のきめの細かさ、透明度、ハリ、シワ、が怖いほど拡大画像されて一目瞭然に見ることができる。この機器はCSSDという。
 わたしは自宅近くのデパートのSHISEIDOの売り場でBCの高石さんに診てもらっている。
それによれば、わたしの総合点はCである。71歳としては優れてうるおいがあり良好ということだ。実年齢より20歳は若い肌だそうだ。素晴らしいというお墨付きをいただいたので、自信をもってSHISEIDO MENの「愛用者代表」をやっているのだ。高石さんはいままで8年間売り場でお客さんと対面しているが、Aをゲットしたのはたった1人だったそうだ。しかも韓国の女性だった。彼女は多分1週間に1度はサムゲタンを常食しているのではないか。毎日朝、昼、晩、よく手入れしている女性でも、Bを取るのがやっとだそうである。Cは良好でDが普通でEはちょっと考えなければならない状態なのである。
 男性諸君、1度はこの機器で診てもらうことをお薦めする。
顔の皮膚の表面が拡大された画面と自分の腕の内側の肌を比べてくれる。三角形の理想の形の腕の肌と破壊されている顔の肌の落差に驚くだろう。いつも太陽にさらされている顔の肌は老化が日増しに激しくなっている。一方、腕の内側の肌は下着や洋服にガードされて保護されているから美しさが保たれている。だから毎日ていねいに顔は洗ってやり肌に保湿料を補給してやらないと乾燥したリンゴの皮みたいにボロボロになってしまう。善は急げである。

BC高石 どうしてシマジさんとハシモトさんはお知り合いになられたのですか。

ハシモト ちょうど『MEN'S Precious』を創刊する前、ヨーロッパに行く飛行機のなかで発売されたばかりのシマジさんの『甘い生活』<講談社>を読んで、この人にお洒落のエッセイの連載を頼もうとひらめいたんです。

立木 そのお陰でおれはシマジの小物を専門に撮るハメになってしまったんだ。今月号の『MEN'S Precious』なんか、シマジの着古したシャツを何枚も撮ったんだよ。

BC高石 立木先生はどうしてシマジさんとお知り合いになられたのですか。

立木 それはね、高石さん、聞くも涙、語るも涙の長い物語がはじまりますから、ここではやめときましょう。一種の腐れ縁です。

シマジ 高石さん、男と男はね、一度人生のどこかで深く知り合って気が合ってしまうと、死ぬまで付き合うことになってしまうんです。

立木 おい、おい、死ぬまでか。勘弁してもらいたいなあ。

ハシモト 立木先生とシマジさんのコンビは出版界でも有名なんです。ぼくがまだ学生のころ『PLAYBOY』でアメリカの男性ストリップの写真を見たときには驚き感動しました。35年も前なのにいまでも眼に焼きついています。

シマジ あれはタッチャンの真骨頂だったね。レンズが黒人の腰をなめて、若い女性たちが唖然と口を開けて「キャアー」と叫んでいる姿をものの見事に1枚の写真に盛り込んでいたからね。

立木 そうお。

シマジ そんなところで照れ隠しに、資生堂の福原名誉会長の声色を真似たって、傑作は傑作です。

ハシモト あの写真を見てぼくは編集者になろうと決心したんです。

シマジ 今度はCSSDの機器を持ち込んでタッチャンをはじめゲストの編集者たちの肌の状態をチェックしてもらおうかな。

ハシモト それは面白いですね。

立木 76歳のおれの肌を調べてどうするんだ。面白いかい。

シマジ 面白いですよ。付き合った女性の数までわかるんです。

立木 勘弁してよ。もうすべて時効だよ。

BC高石 それにしてもシマジさんのお肌の状態は完璧でした。

立木 だからシマジはほかのやつの肌をチェックしたいんだな。

シマジ バレましたか。

立木 バレバレだよ。

BC高石 ホメオスタシスレベルといって、その機器を肌に当てるだけで肌の元気度がわかるんです。健やかで美しい肌を実現する力もわかります。だから、SHISEIDO MENをこれから使われる男性のみなさまは資生堂の売り場で必ずチェックして、それから1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、またチェックすればSHISEIDO MENの効き目に納得すると思います。

ハシモト ぼく、さっそく明日やってこよう。

シマジ ハシモトは何年もSHISEIDO MENを使ってるからきっといい成績が出るんじゃないか。

BC高石 その機器を使って女性はファンデーションの色を決めるのです。顔と首の色を一緒にするわけです。

シマジ 女性は大変だね。

立木 女優なんてあんなに美貌に恵まれているのに、いざ撮影となると2時間も3時間もメイクに時間をかけるものなのよ。

シマジ それをじっとスタジオで待ってるタッチャンも偉いな。

立木 仕事だから仕方がないだろう。

シマジ そう思えばシマジ・サロンの狭さなんて我慢できるじゃないの。

立木 それとこれとは別だよ。狭いシチュエーションで撮影するコンクールがあったら、おれ、きっと、優勝するだろうなあ。

シマジ その肌を調べる機器で年齢別コンテストがないのかなあ。

立木 そんなものあるわけないだろう。

シマジ 高石さん、どうすればこの良好な状態を90歳くらいまで維持できるでしょうか。

立木 シマジは90歳を目指してるのか。かなわねえなあ。

BC高石 それは朝起きたときと寝るまえに必ずSHISEIDO MENの「クレンジングフォーム」で洗顔して同じように、シマジさんの場合でしたら、「トーニングローション」をつけて、「スキンエンパワリングクリーム」をつけ「アイスーザー」でしめることです。

シマジ 朝はやるけど寝る前大変だね。とくに酔ってるときなどどうしても面倒くさくなっちゃうものなあ。

ハシモト そうですよね。歯を磨くのも面倒ですものね。

BC高石 もし毎日朝晩そうすれば、シマジさんはCからBになることは間違いありません。

立木 シマジ、やれ! 福原さんのためだ。もしシマジの肌のレベルがBになったらSHISEIDO MENはもっともっと売れるぞ。

ハシモト でもそうなったら、そのぶんシマジさん御用達洋酒店のシングルモルトの売れ行きが下がりますかね。

立木 シングルモルトを取るか、SHISEIDO MENを取るか、そこが問題だな。

シマジ おれは両方に淫してるからなあ。そうだ、酔っぱらってもSHISEIDO MENで手入れしてから寝ればいいことだ。

立木 偉い、シマジ、男だ。今夜からやってみろ。

ハシモト 明日からでもいいんじゃないですか。

シマジ 来月の1日からって、どうだろう。

立木 シマジはやらないな。いや、できないな。

BC高石 おやりになったかならないかは、CSSDの機器で診ればすぐわかります。

シマジ 高石さんはお顔に似合わず意外と厳しいね。
<次号は4月27日更新>

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