
<店主前曰>
このTreatment&Grooming At Shimaji Salonの更新は金曜日だが、水曜日には講談社の現代ビジネスのサイトでNespresso Break time @ Cafe de Shimajiを連載し、ご存じ、木曜日には日経BPで乗り移り人生相談をやっている。この3つのサイトはすべて仲良くリンクされていて、どこからでもクリックできるようになっている。伊勢丹新宿店メンズ館8階にくるシマジファンの話によれば、会社で仕事をする振りをしながら読んでいて、思わず吹き出すことがよくあるそうだ。
いまの世の中は笑いが少なくなった。テレビのお笑い番組を笑いながらみていると、自分がバカになってしまうような気がするらしい。自慢じゃないが、水、木、金のシマジワールドの笑いは高尚である、といってくれたファンがいた。わたしは大忙しのなか、ますます毎回笑わせようと努力しているのだ。霊長類のなかで美しいものを感じることと、笑う愉しさは、人間さましか持っていない貴重な感覚なのである。
伊勢丹新宿店メンズ館のサロン・ド・シマジで肌測定の結果Bを獲得してこの世の春を謳歌しているシラカワ・ヨシカズが、先日広尾のサロン・ド・シマジの“本店”に昼間やってきた。理由は4月に更新されるNespresso Break Time @ Cafe de Shimajiの対談であった。お客さまは美味しいシングルモルトを世に送り出しているイチローズモルトの作り手、肥土伊知郎さんである。撮影はもちろんわれらがタッチャンこと立木義浩先生。
「タッチャン、こいつがシラカワという、わたしの”隠し子”だといってきたヘンな男なんだ。でも伊勢丹新宿店のサロン・ド・シマジでアルニスや万年筆やパイプを買ってくれている。どうしてもおれと同じパイプを咥えて、同じアルニスを一緒に着た写真を立木先生に撮ってもらいたいというんだよ。まあおれの”隠し子”だから、おれに免じて撮ってくれない?」「シラカワ、いくら持ってきた」「えっ!シマジのパパが謝礼はいらないから、ビックリする面白いものを立木先生にプレゼントとして持ってこい、といわれましたので、ここに持って参りました」「何だ、それは。また仰々しい箱に入っているね」「あけてみましょうか。こういうモノです」とシラカワが取り出したものは、トイレットペーパーであった。それには皇室献上品、羽美翔と明記されていた。
「これは面白い。やんごとない方がお使いなされるトイレットペーパーをおれに持ってきてくれたのか」「はい」「シマジはこれを使ったことがあるのか」「まるで真綿で拭いた感触なんだ」「よし、わかった。それじゃ、そこに2人で並んでくれ。いまからまず変態の2人を撮ろう」ということになり、シラカワは緊張しながら、マスターの隣に座って、撮影は無事終了したのである。
シマジ キクチ、先ほど教えたSHISEIDO MENの使い方の順番を覚えているか。
キクチ えっ!この歳でテストをされるとは思わなかった。覚えているかな。まずクレンジングフォームで顔を洗いますね。
シマジ 当たり前だけど、そうだ。ディープクレンジングスクラブは3,4日に1回使えばいい。それから?
キクチ トーニングローションを肌を叩くようにつける。
シマジ 当たり前だけど、その通りだね。寒い冬の時期はハイドレーティングローションのほうを薦める。ここからが難しくなる。
キクチ ええっと、これだ。何とかセラム、アクティブコンセントレイティッドセラムです。
シマジ そうだ。これが抜群の効果をもたらすんだよ。ちょっとかいでみな。
キクチ 上品な香りですね。
シマジ そうだろう。次は?
キクチ スキンエンパワリングクリームですね。この黒いヤツです。
シマジ そうだよ。これはいちばん高価なものだが、効き目は凄いぞ。でも20代だったらグレーのキャップのトータルバイタライザーで十分なんだ。黒いほうは老化を防ぐ成分がたっぷり入っているそうだ。おれはずっと使ってこの通りピカピカだ。それから?
キクチ アイスーザーですよね。
シマジ ご名答。まだキクチは心配ないが、アイスーザーは重要なんだ。老化はまぶたのたるみからやってくる。どうしても頬のたるみとまぶたのたるみ、それから目の下が黒ずんでクマが出来てくる。それを防いでくれる強力な武器がアイスーザーなんだ。高橋さん、こんなところでまちがいないですか。
高橋 完璧ですわ。スキンエンパワリングクリームは女性のかたがお使いになっても効果があるそうです。
立木 よし、3人でこっちに目線を一緒にくれないか。OK.。でもキクチ、よくこんなにあるのに順番をまちがえなかったね。
シマジ おれだって以前アイスーザーを最初につけてからスキンエンパワリングクリームをぬっていたからね。
キクチ 効果はちがったんですか。
シマジ 効果はぬらないよりはあっただろうね。だから順番は重要だよ。
高橋 お話しが跳びますが、シマジさんはホールインワンはやったことがあるんですか。
シマジ 高橋さん、いい話の飛びかたですね。
立木 高橋さん、シマジをそんなに喜ばせてどうするの。
シマジ おれは25歳でゴルフをはじめてホールインワンは2回もやったんだよ。
キクチ えっ、2回もあるんですか。
シマジ 1回目は田舎の一関にある南岩手CCだった。120ヤードの打ち下ろしで、9番アイアンで打ったボールが珍しくバックスピンがかかって、カップのなかに吸い込まれていったんだよ。2回目は、忘れもしないキクチの先輩の堤堯さんのホームコースの川越CCだったんだ。190ヤードはあったかな。ちらちら雪が降りはじめ、クリークで打ったボールが雪の上を転がり出して見事に入ったのがみえた。でも雪がだんだん凄くなってきたから、みんなでやめようか、早く食堂で、シマちゃんのホールインワンの祝杯をあげようよ、ということになったら、堯ちゃんが「待て待て。全ホール回らないとホールインワン保険はたしか成立しないはずだよ」といい出した。ちょうど茶店があったから、フロントに電話で訊いてみたんだよ。そしたら支配人が出てきて、「その通りです」というじゃないの。さすがは堯ちゃんだ。伊達に東大法学部卒ではないな、とみんなで感心したものだ。そんなわけで、ヒヒと降る雪のなかを最後までみんなで回ってくれたんだ。お蔭さまで2度目のホールインワン保険をもらえたんだよ。
キクチ いくらもらったんですか。
シマジ 50万円だった。
キクチ ホールインワン保険って月いくらかけるんですか。
シマジ たしか年1万円だったかな。
キクチ じゃあ、合わせて100万円ゲットしたんですね。
立木 100万円だって?!おれは聞いていないぞ。シマジ、その100万円はどうしたんだ。
シマジ 2回とも洒落たウイスキーグラスを作ってゴルフ仲間にあげちゃった。
立木 おれのところにはこなかったぞ。
シマジ タッチャンはゴルフをしないからあげなかったんじゃないかな。
立木 水くさいヤツだな。
キクチ ホールインワン保険にはいまでも入っているんですか。
シマジ もちろん。多分、死ぬまでにもう一度はやるかもね。いや、やりたいと思っているんだ。
高橋 シマジさんは強運の人ですから、きっとやるんではないでしょうか。そのときはここにいる3人のことをお忘れなく。
シマジ それは約束しましょう。また洒落たウイスキーグラスを作って差しあげましょう。
キクチ でも考えますと、25歳からゴルフをやって、いままでで46年でしょう。1万円を毎年支払ったとして46万円ですよ。まあ、シマジさんが90歳までゴルフをやったとしても、65年間ですね。完全にゴルフ保険に関しては、元を取っていますね。もしもう1回ホールインワンしたとしたら、150万円ゲットすることになりますね。すると65万円払って、85万円の儲けですよね。
シマジ それはもしかしたらの話だよ。
立木 シマジ、そんな夢みたいな話は置いといて、洒落たゴルフジョークを最後にやってくれ。
高橋 ぜひお願いします。
キクチ コンペのスピーチのとき使えそうですね。
シマジ 定年退職したジョン・フィッツジェラルドは毎日ゴルフをしながら、余生を愉しんでいた。また敬虔なカソリック信者でもある彼は、日曜日には教会に通って礼拝を欠かさなかった。とある日曜日のこと、ジョンは神父に質問した。「神父さん、天国にはゴルフ場があるんでしょうか」「さて、天国にゴルフ場があるかどうか、わたしにはわからない。聖書にも書いていないし、バチカンでも聞かされなかった」そこで神父はジョンのために天国に電話をかけて、広報担当の天使に訊くことにした。「そちらにはゴルフ場があるかどうか、うちの信者でゴルフ好きのジョン・フィッツジェラルドという者が尋ねておるんですが」すると天使が厳かに答えた。「ゴルフ場?あるとも。18ホールの堂々としたチャンピオンコースがちゃんとある。そこはパラダイスカントリークラブというんだ。ちょっと待ってくれ。いま、ジョン・フィッツジェラルドとかいったね」
電話の向こうで帳面をパラパラめくる音がした。そして天使がいった。「その男なら、明日のアウトコース8時18分のスタートにちゃんと予約が入っている」
立木 アッハハハ、面白い。よく出来たジョークだ。
キクチ これは使えますね。
高橋 笑えますわ。
シマジ 笑うと免疫力が増して肌にもいいんですよ。
立木 じゃあ、これからシマジに最後にジョークをやってもらおうか。
高橋 大賛成です。わたし、来月もこようかしら。
キクチ ぼくもきたいですね。
シマジ はあ、おふたりは毎週金曜日に更新されるウェブサイトで読んでください。
立木 そうだ。おれは生で聞けるんだな。
シマジ そうだよ。役得だね。