第12回 ゲスト講談社 生活文化局 局次長 原田 隆氏 第1章 なぜ講談社のセオだけがモテるんだ!?

<店主前曰>

わたしの担当編集者シリーズもこの12人目で終了する。掉尾を飾る編集者は、シマジサミットのなかの大物で最長老のハラダ・タカシである。ハラダは、講談社の編集者でわたしの処女作『甘い生活』を作ってくれた編集者でもある。いってみれば、わたしを世に出してくれた”産みの親”だ。それから2年半位して『知る悲しみ』を編集してくれた。そして現在、3月28日発売予定で『アカの他人の七光り』を編集中である。表紙のイラストと装丁は南伸坊画伯にお願いしてくれた。序文は塩野七生さん、伊集院静さんときたから、さてだれにしようか。
 ハラダとブレーンストーミングした結果、いい書き手がみつかった。「嫌だ、嫌だ」と逃げまくるその書き手を、ハラダはむんずと捕まえて書かせてくれた。その序文を読んだわたしは、正直、久しぶりに大声をあげて抱腹絶倒して読んだものである。読者諸君、愉しみにして待っていてくだされ。この序文を読んで笑わなかったら、心配だから、カウンセリングを受けたほうがいいかもしれない。

シマジ ハラダ、『アカの他人の七光り』の編集は快調に進んでいるのか。

ハラダ はい。もう少しで産まれます。これはシマジさんのエッセイ集第3弾なのですが、今回はバラエティーに富んでいます。ぼく自身編集していていい勉強になりました。リベラルアーツの大切さがよくわかりました。

立木 それは誉めすぎじゃないのか。

ハラダ いや、そんなことはありません。見本が出来次第、送らせていただきますので、必ず読んでみてください。

立木 その心配はない。買うよ。本は買わないと頭に入らないんだと、むかしからシマジに聞かされているからね。でもこれは真実だとおれも思っているんだ。福原さんも同じことをおっしゃっていた。

ハラダ 立木先生、とにかく読んでください。

立木 わかった。今日はまずハラダの肌チェックからはじめるんじゃないのか。

水井<現在資生堂広報部在籍> はい、はい、そうです。でも『アカの他人の七光り』って面白いタイトルですわね。シマジさんがつけたんですか。

シマジ いやいや。アカの他人がつけてくれたんです。

水井 ジャン!ハラダさんのお肌のチェックの結果が出ました。Dでした。

ハラダ Dでしたか。ぼく自身はCはいくかもしれないと、密かに思っていたんですがね。

水井 どうしてですか。

ハラダ ぼくはシマジさんほどではありませんが、SHESEIDO MENシリーズは、以前から使っているんです。こうみえても若いときは女性誌「FRaU」の編集長をやっていたんですよ。

シマジ なるほど。それで化粧品に目覚めたんだな。

ハラダ はじめはSHISEIDO MENの試供品をもらったのが使うきっかけでした。

水井 いま季節的には肌測定の好成績を獲得するには乾燥していて、最悪なコンディションなんです。この時期に男性としてDだったら合格です。

ハラダ シマジさんはDでしたよね。

シマジ そう、Dなんだけど、文藝春秋のキクチにいわせると「限りなくAにみえるD」なんだ。

ハラダ シマジさんがDなら、今日のところはこれで満足するとしますか。いままでの成績でいちばんいいヤツはだれだったんですか?

シマジ それがいままで何もつけたことがないのに、Cをゲットしたのは、光文社のハギワラだったんだよ。

ハラダ あの酒豪のハギワラがCだったんですか。

立木 それもここで謝礼としてもらったSHISEIDO MENの一式を余裕で家に帰って可愛い妻にあげちゃったらしいぞ。

シマジ 何にもつけない肌の状態を続けることを”肌断食”っていうらしい。断食はたまにやるから効果が出るんで、生まれてからこのかた、ずっと断食ってのはいかがなものだろう。

水井 それはよくありません。あとでどっとツケがきますわ。

ハラダ 第一、男性化粧品を女性が使ってもいいんですか。

シマジ それはSHISEIDO MENくらいの高級男性化粧品になると、効き目があるらしい。でも少し脂肪分が足りないらしいけどね。

ハラダ ときどきぼくもみていましたが、みんな男前に撮れているのには、驚きでしたよ。

シマジ それは巨匠、立木義浩のテクニックで、おれをはじめ、かなりみんな修正されている。ねえ、タッチャン。

立木 お陰さまでシロウトさんの写真がうまくなりました。

シマジ そうだ。面白い話を思い出した。新宿伊勢丹メンズ館8階のサロン・ド・シマジでの本当にあった出来事なんだ。いままで一度しかなかったけれど、バーのなかのお客さまが全員女性だったことがあった。

立木 シマジ、どうしてそんなとき、おれに電話をよこさないんだ。

シマジ いや、タッチャンはもう女には飽きていると思っていたんだ。よし、今度またそんな奇跡が起こったら、必ず携帯に電話するよ。そのときはカメラ持参で飛んできてね。女性陣を立木さんがくるからって待たせておこうかな。

立木 よし、約束だぞ。

シマジ もちろん、男の約束だ。

ハラダ まったく2人で何やっているんですか。それでバーで何が起こったんですか。

水井 面白そうですね。何が起こったんですか。

シマジ シマジガールズのコウガを含めて、おれ以外女性だけで7人だったかな。みんな悠々とスパイシー・ハイボールやら、シマジオリジナルの水割りを飲みながら、昼下がりの静かな優雅な時間を過ごしていたんだよ。

立木 何だ、それだけの話か。

シマジ そこでおれが女性たちに訊いてみたんだ。SHISEIDO MEN Treatment&Grooming At Shimaji Salonのサイト読んでいますか、っていったら、全員がシマジ教の信奉者だから、当然読んでるわね。そこで尋ねたんだ。いままで11人のいろんな出版社の編集担当者が登場したけど、だれといちばんデートしたいですか、ってね。

ハラダ シマジさん、それはぼくを入れて12人から選ばせなくては、公平ではないんじゃないですか。

立木 その通りだな。

シマジ ハラダ、ゴメン。今度更新されたら元FRaUの編集長のハラダはどうか、と訊いておくから、今日のところは勘弁してくれ。

ハラダ わかりました。話が面白いから許します。だれがモテたか知りたいですね。

立木 だれだったんだ。

シマジ それが意外なことに、ハラダのところのセオだったんだ。

ハラダ 何?!セオ!?

シマジ そうなんだ。講談社の現代ビジネス編集長のセオだったんだよ。

立木 あのゴリラみたいなセオがか。

ハラダ そんなことをいうとゴリラが怒ります。

水井 でもわたしもセオさんに男らしい精悍さを感じましたわ。

ハラダ えっ!?あのむさ苦しい男にですか!?

シマジ おれもハラダもしょっちゅうあいつと飲んでいるから、そう思うのは当たり前だろうが、タッチャンの写真で魔術にかけられたとしか、おれには思えなかった。しかも結婚相手はだれがいいですか、と訊いたら、やっぱりセオなんだぜ。

ハラダ シマジさん、彼女たちにスパイシー・ハイボールを立て続けに、5杯飲ませたんじゃないですか。

シマジ そんなに酔ってもいなかったな。でもタッチャンがえこひいきして、とくにセオだけをイケメンに撮ったとは思えないしね。

ハラダ たしかにセオはその日床屋に行ったばかりという感じでこざっぱりしてましたがね。

立木 セオは業界一の愛妻家だから、それが功を奏したんじゃないか。女という動物は、愛妻家を自分のほうに向かせたがるものだよ。なあ、シマジ。

シマジ もう一つ、当時、小渕首相の病床の写真をFRIDAYで大スクープしたことが印象的だったのかなあ。

立木 それからイラクの命がけの現地取材の話も印象的だったのかな。

ハラダ いや、仕事の話でモテるというのはあんまりフェアじゃないですからね。

シマジ まったくおれは女がわからなくなってきたよ。

立木 おれもだ。イケメンならもっといたはずだ。「MEN’S Precious」のハシモトや「Pen」のサトウや「週刊大衆」のテヅカだって役者にしてもいいいくらいだ。

シマジ タッチャン、それは誉めすぎだよ。

ハラダ もしミツハシがこの企画に参加していたら、あいつはモテたとぼくは思うなあ。

水井 たしかにミツハシさんは「乗り移り人生相談」でシマジさんの素敵な相棒として大活躍していますものねえ。

シマジ ミツハシは日経BPの規定でこの企画には登場出来なかったんだよ。本人も悔しがっていたけどね。

ハラダ 新聞社系は厳しいんですね。

シマジ そうなんだよ。たしかにミツハシは人気者だよ。あいつがサロン・ド・シマジにやってくる日を告知すると、女性のお客さまが増えるんだよ。この間なんてわざわざミツハシ会いたさで博多からきた女性がいたくらいだ。

ハラダ でもこの意外な事実はまだセオにはいっていないんでしょう。

シマジ いっていないけど、ハラダが何をしゃべるか、きっと気にして更新されるとすぐ読むだろうね。

立木 そういえばセオはあのときの写真をくれくれってしつこくいってきているんだ。何に使うんだろう。

シマジ 遺影に使いたいとおれにはいっていたなあ。

ハラダ そんなにカンタンに死にませんよ、とくにあいつは。絶対、携帯の待ち受け画面に使って、女の子たちにみせようとしているんですよ。

シマジ でもセオは自慢の女房を持っている自他共に認めている愛妻家だよ。

ハラダ ところでセオの肌測定はどうだったんですか。

シマジ Eだった。

ハラダ よかった。セオがEでぼくがDで面目が保てました。

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