肥満外来の先生に聞く!ダイエット研究所

肥満外来の先生に聞く!ダイエット研究所

ダイエットがなかなかうまくいかない……。
そんな経験、ありませんか?
資生堂ダイエット研究所は、3 万人のダイエットを成功させた佐藤桂子先生と一緒に成功のポイントや疑問などを研究しています。
佐藤桂子先生

佐藤桂子先生

3万人の肥満を治療したエキスパート

~プロフィール~
よみせ通り診療所所長。日本肥満学会日本内科学会日本糖尿病学会日本プライマリケア連合会所属。
現在、診療所所長として在宅医療に従事しつつ、予防医学、ゲノム診断、生活習慣病などの啓発活動を行っている。

第3回研究テーマ:ダイエットのペースが乱れる生理前 生理期間になると、食欲がコントロールできない……

生理前や生理中にいつもより食欲がアップしてしまうことはありませんか?
研究所にこんなお悩みが寄せられています。

質問:生理をきっかけにダイエット挫折するのはなぜ?

ダイエットを始めるとしばらくは順調なのですが、生理前に急に食欲が出て、それまでの我慢が水の泡になってしまいます。それをきっかけに挫折してばかり………。どうしてでしょうか?
( 26 歳 女性)

回答:女性ならではのホルモンバランスの変化によるものです

女性のホルモンバランスは、生理を境に大きく変わります。
これにより、生理の数日前は、体は妊娠に備え栄養や水分などをため込もうとしたり、精神状態が不安定になることも。
食欲が増えてしまい、ダイエットがうまくいかなくなるのも無理はありません。

女性のホルモンバランスの変化を知って、
ダイエットに役立てよう!

ホルモンって?:"女性ホルモン"の特徴を知ることがダイエットのキーポイント

ホルモンとは、体の機能を正常に保つために体内で作られ、必要な時に分泌される物質の総称です。
数十種類のホルモンがあるとされています。

「女性ホルモン」という言葉を聞いたことがありませんか?
これは、ホルモンの中でも女性の体に大きな関わりがある
エストロゲンプロゲステロンと呼ばれる2つのホルモンのことです。
2つまとめて「女性ホルモン」と呼ばれていますが、
それぞれ違う働きを持っています。

まず1つ目のエストロゲン
これには体と精神を健康に保つための働きがあります。
肌のうるおいや髪のツヤなどの女性らしさも、このホルモンによって高められます。

2つ目は、プロゲステロンというホルモンです。
こちらは妊娠に関わるホルモンで、子宮内膜を厚くするなど妊娠準備のための働きをします。

エストロゲンとプロゲステロンは、一定の期間(約28日周期)の中で分泌量が変わり、
体内でのホルモンのバランスを変化させていきます。

このグラフのように、生理前はプロゲステロンが増加し
生理が始まるとエストロゲンの方が多くなります。
個人差はありますが、このホルモンバランスの変化によって、心身の調子も変化します。

ダイエット停滞:生理前はがんばらなくていい!プロゲステロン作用で体調不良が当たり前

生理前/ 生理中に食欲がアップした経験はある?

およそ7割の女性が、生理前や生理中に食欲が増す経験をしています。
生理前に分泌量が増えるプロゲステロンというホルモンの働きによるものだと考えられます。

冒頭のご相談にもある通り、生理前に食欲が増進してしまうという方は多いです。
これはプロゲステロンというホルモンが、「ため込むホルモン」だから。
妊娠中は、おなかの中で赤ちゃんを大切に育てるために、
体に水分や栄養をため込もうとする働きがあるのです。
このため、生理前は妊娠に備えて食欲がアップしたり、体がむくんだり、便秘になることがあります。 

生理前/ 生理中に体重が順調に落ちなかった経験はある?

ダイエットをして順調に体重が落ちている時期でも、生理前になると減量が止まったり、増えてしまうことがあります。生理前/生理中は多くの女性にとって痩せにくい時期なのです。

生理前は体重が落ちにくいという方が多くいます。
体に色々なものをため込もうとするので、ダイエットしても体重は下がりにくくなるのです。

また、エストロゲンとプロゲステロンの変化は、セロトニンやアドレナリンという神経伝達物質のバランスにも作用します。
これにより、気分が落ち込んだり、また攻撃的になったりという症状が起こることもあります。
このイライラによって、さらに食欲が増進してしまうという傾向もあるでしょう。

生理前の時期は1カ月のうちで最も体もメンタルも調子が悪い時期といえます。
だから、どんなにがんばってもダイエットが停滞するのは当たり前です。
これは、女性の体の自然な働きなのです。

ここで焦って食事制限を強めると、代謝不良や栄養不足で痩せにくい体になってしまいます。
少しでも代謝をよくするために、むくんでいても水分や栄養はしっかり摂ってください。

自分をいたわろう:生理で調子が悪くてもダイエットをうまく乗り越えるコツ

これまで述べた通り、生理前は体重が落ちにくいし体調が悪くなりがちです。

そして生理が始まると、不要になった子宮内膜を排出するための子宮収縮で
生理痛が起こることがあります。

また、血液を多く排出してしまうため、鉄分やカルシウムなどの栄養不足になることも。
生理時に腰痛を起こす方がいますが、
これは血行不良やホルモンの影響などの他、血中に不足したカルシウムを補うために腰の骨のカルシウムを溶かすことで起こるものだとも言われています。
体重が減らないからといって食事制限を強めると、貧血や腰痛、骨密度の低下につながることもあります。

このように、生理前から生理が終わるまでは、ダイエットが順調にいかなくなる時期です。
ホルモンバランスの影響や、思うように体重が減らないことで、イライラしてしまうこともあるでしょう。
うまく気分転換することが必要です。

たとえば、イライラしたり、何か食べたくなったら、いつもは我慢しているおやつを口にしてみるのもよいでしょう。
ドライフルーツやナッツは栄養が多く体によいので、ダイエット中のおやつにおすすめです。

大量じゃなければ、チョコレートやケーキを食べたってかまいません。
お誕生日のときのように、いつもがんばってダイエットしている自分に、少しだけご褒美をあげるのはどうでしょう?
ダイエット中とはいえ、厳しくするだけでなく、時には自分をいたわることも必要です。
女性の体は、ダイエットよりも妊娠・出産を優先させるようにできています。
生理前・生理中はそういう期間だと認識して、焦らないことが、うまく乗り越えるコツです。

痩せ期到来!:生理後は大きなダイエットチャンス!

プロゲステロンの影響でダイエットが停滞する生理前・生理中ですが、
それが終わると今度はエストロゲンの分泌が増えてきます。

エストロゲンには体を正常に、健康に保つ作用がありますから、体調や気分はよくなっていくでしょう。
また、代謝がよくなり、生理前にため込んだ水分などが排出される時期でもあります。

この時こそ、女性にとって大きなダイエットチャンス!
ふつうに過ごしていても痩せやすい時期なので、積極的に運動などすると効果が出やすいのです。
よく言われる「痩せ期」という時期ですね。

食べ過ぎを控え栄養をしっかり摂って、適度に運動すれば、
生理前・生理中の停滞はこのタイミングで取り戻せるはずです。
再び気持ちを引き締めてダイエットに取り組んでみてください。

生理前の食欲増進は自然の摂理 生理後にうまく取り戻そう

生理前に食欲がアップしても、それは一時的なものです。
数日で収まって、生理後の痩せ期にはまたちゃんと体重が落ちるようになるでしょう。

また、生理は憂鬱なものかもしれませんが、少々強烈な自然のデトックスと考えることもできます。
いらないものを一気に排出するリセット期間だと思えば、
生理の後をさわやかな気分で過ごせるのではないでしょうか?

いつも妊娠したいわけではないのに、
ホルモンバランスによって心身に影響を受けるなんて女性の体は不便だなと思うでしょうか?
でもこれは、変えることはできない自然の摂理です。うまく付き合っていくしかありません。

生理前にいつもよりたくさん食べてしまっても、体重が減らなくても、
ヤケにならずダイエットを諦めないことが大切です。

監修/ 佐藤桂子先生
日本肥満学会日本内科学会日本糖尿病学会日本プライマリケア連合会所属。現在、診療所所長として在宅医療に従事しつつ、予防医学、ゲノム診断、生活習慣病などの啓発活動を行っている。佐藤桂子ヘルスプロモーション研究所所長、よみせ通り診療所所長、おぐり近視眼科・内科 品川院アンチエイジング外来医長、ラジオNIKKEI「体よろこびクリニック」パーソナリティ、La chouchou 編集部顧問。書籍「ダイエット外来の寝るだけダイエット」(2013 年)は発売1週間で4刷と好評を博した。 


データ元:ダイエット経験者またはダイエット中の20代~40代女性100名
調査会社:株式会社ネオマーケティング
調査期間:2014年9月30日~10月2日