愛してやまない男たち。

名古屋ランニングジャーナル(名古屋ランニングジャーナル編集長さん)

“ただ走るだけ”のランニングになぜハマる?

ランニングを始めるきっかけは人それぞれ。運動不足解消のため、メタボな腹を引っ込めるため、会社や家庭でのストレス発散のため・・・。最初はランニングそのものを楽しむのではなく、あくまでも「痩せたい」など「目的を達成するための手段」として走っているケースがほとんどでしょう。

テニスやサッカーのように、はじめからスポーツとしての魅力を感じて走り始める人は少数派だと思います。ランニングがこうした単なる「手段」の域を脱し、走ることそのものに楽しさや喜びを感じられたらしめたもの。

ある程度の年齢になってから「ランニングを始める」こと自体、大きなチャレンジです。しかもそれが「手段から楽しみ」に“昇格”した人は、人生においてとても貴重な「財産」を手に入れたに等しいと断言できます。

なぜならランニングは健康・美容に対するメリットが大きいばかりか、メンタル面にもたらすプラス作用もまた少なくないから。積極性、集中力の向上はもちろん、ある大学教授の研究では、一定の速度以上で走り続けることにより前頭前野が刺激され、思考能力が向上するという結果が得られたという話もあるそうです。

たまに、「仕事で疲れているのに走るなんてとんでもない!」という声を聞きます。しかし実際はその逆で、「走ることにより疲労(とくに心の疲労)が抜ける」のです。この感覚、ランナーならわかると思いますが、そうでない方にはなかなか理解しにくいですよね・・・。

では、走ることが「手段」で終わってしまう人と、走ることそのものに楽しみを見いだせた人。その違いはどこにあるのでしょうか。ターニングポイントはいったい何だったのでしょうか。

そのひとつとして考えられるのが、「カッコいいランウェアを着てみたい」「GPSウォッチなどのランニングギアを試してみたい」「マラソン大会に出てみたい」など、よりランニングに対するモチベーションが上がる「走る理由」を見いだせたときです。

この時点ではまだランニングが「手段」の域を出ていませんが、少なくとも「痩せるため」など、他の運動でも代用できることとは異なっています。

最新のランウェアやシューズで颯爽と走る。その高揚感は、オシャレなファッションに身を包んで街を歩く気持ちよさと同じです。もちろんウェアに限らず、ランニングをエンターテインメントとして楽しむギアも数多く登場しています。

そしてもうひとつ、ランニングそのものに楽しさを見いだせるとっておきの方法。それが「マラソン大会へのエントリー」です。ひとくちにマラソン大会といっても、5kmレースから100kmを超えるウルトラマラソンまで実にさまざま。

「自治体の数だけ大会がある」と言われるほど、シーズン中の日曜日は日本のどこかで必ずマラソン大会が行われるといっても過言ではありません。しかも昨今のランニングブームで大会の数が増え、人気大会は数時間?数日でエントリーが締め切られてしまうという“異常事態”になっています。初めてレースに挑戦するという方は、近所で行われる10kmレースを探してみてはいかがでしょうか。

マラソン大会にエントリーしたら必ず家庭や職場で公表しましょう。これでもう後には退けません。子どもから「パパがんばって!」なんて言われたら、ランニングに対するモチベーションは否が応でも高まること間違いナシ。

レースデビューに向けてランニングに取り組んでいるうち、いつしか「走ることそのもの」に楽しさを感じている自分に気づくでしょう。さらに初めてのマラソン大会では、おそらく学生の頃以来(?)となる「がむしゃらにがんばれる自分」がいることに驚くかもしれません。

そして何よりゴールしたときの達成感・爽快感は、ある意味“中毒”になってしまうほどの心地よさをもたらします。
・・・
こうしてランニングの魅力に取りつかれていく人を何人も見てきました。読者の中にもランニングに興味がある方は少なくないと思います。思い切って、いきなりマラソン大会にエントリーしてしまうのもアリでしょう。

ハマったらなかなか抜けられないランニングの世界。「もう歳だから」なんていわず、ちょっとだけでも覗いてみてはいかが。

このページのトップへ