「道具としてのガラス」にこだわり続ける藤田さんのガラスペンに魅了されたひとりが、万年筆やオリジナルインクを提案する文房具店「カキモリ」の広瀬琢磨さんだ。藤田さんと広瀬さんのご縁は、藤田さんが飛び込みで作品を持ち込んだことからスタートしたのだとか。
「それまで、うちでは飛び込みの作品はお断りしていたのですが、藤田さんのガラスペンはあまりにも良かったので、すぐにお取り扱いが決まりました。それまでも海外製のガラスペンはありましたが、試し書きをしたら藤田さんのペンはまったくの別物。それまでのガラスペンはデコラティブな芸術作品のようなものが多かったのですが、藤田さんの作品は使う人目線で作られているのだと思います。超一流のペン先、色合い、デザイン、どれも秀逸でした」
カキモリでは、カキモリオリジナル・ガラスペンを販売している。藤田さんデザインのガラスペンをラウシャ村の工房で製造することにより、価格を抑えることにも成功。よりシンプルで、カジュアルな雰囲気も備えたこれまでにないガラスペンが誕生した。
「お店には、好みの色のインクをカスタムできる「インクスタンド」を併設しているので、インクとセットでガラスペンを購入される方がほとんどです。ガラスペンは使う分だけインクを浸すので、使用頻度がそれほど高くないという方にもおすすめです。万年筆だとしばらく使用しないうちにインクが乾いてしまうということもあるので、そういう方にはガラスペンのほうが使い勝手がいいかもしれません」