約40年の間、「一生使えるカバン」をテーマに、時代に左右されないカバンをつくり続けている『ヘルツ』。ワイルドで丈夫なカバンがずらりと並ぶ同店には、自分好みのカバンを追求する30~60代の男性が、数多く訪れるという。
「お客さまの多くは、オシャレよりもカバンそのものを楽しみたいという、こだわり派の方々です。ハンドメードでつくったカバンは、機械や大量生産品ではどうしても出すことのできない、温もりや表情があります。そしてなにより、厚い革で丁寧につくられた革のカバンには、タフな男らしさが宿っているんです。実際、毎日使っても、壊れにくい。ハンドメードならではの味わいと実用性の高さが、日々のパートナーとして人気を集めている理由だと思います」。
「革カバンとともに過ごす、楽しさや喜びをお伝えしたい」と語る同店。革ならではの魅力についてうかがうと……。
「革には、エイジングと呼ばれる経年変化があります。使い込むほどに色やツヤ感が変化していくんです。エイジングの仕方は、使い方や手入れの仕方によって異なり、長年使ったカバンは、その人だけの色と風合いになる。もちろん、柔らかさや形状も変わっていきます。ショルダーバッグなら持ち主のボディーに、取手もまた、手にしっくりくる形状へと変化していくんです。お客さまのなかには、自分とともに年を重ねたカバンに愛着を持ち、修理を繰り返しながら20年、30年と使っている方もいるんですよ。
職人が丹誠込めてつくったカバンですが、神経質にならずに、毎日でも使って欲しいですね。汚れやシミも、カバンとともに過ごした年月の足跡になるはずです。上質な革カバンを日々のパートナーにし、自分の歴史を刻み込む楽しさを感じて欲しい。そう願っています」。