あなたのカバンができるまで

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Part1 こだわりで、“自分だけの一足”を選び出す

今回プレゼントする革製カバンは、手づくりカバンの老舗店『ヘルツ』のもの。注文を受けてから、職人が一つひとつつくり上げるカバンには、温かみと男性らしい無骨さが溢れている。同店に、革カバンとのつき合い方、そして手づくりのカバンの魅力を教えていただいた。

ハンドメードだからこその“味わい深さ”

約40年の間、「一生使えるカバン」をテーマに、時代に左右されないカバンをつくり続けている『ヘルツ』。ワイルドで丈夫なカバンがずらりと並ぶ同店には、自分好みのカバンを追求する30~60代の男性が、数多く訪れるという。

「お客さまの多くは、オシャレよりもカバンそのものを楽しみたいという、こだわり派の方々です。ハンドメードでつくったカバンは、機械や大量生産品ではどうしても出すことのできない、温もりや表情があります。そしてなにより、厚い革で丁寧につくられた革のカバンには、タフな男らしさが宿っているんです。実際、毎日使っても、壊れにくい。ハンドメードならではの味わいと実用性の高さが、日々のパートナーとして人気を集めている理由だと思います」。

ヘルツ 青山本店

“自分の歴史”を刻み込める、革の魅力

「革カバンとともに過ごす、楽しさや喜びをお伝えしたい」と語る同店。革ならではの魅力についてうかがうと……。

「革には、エイジングと呼ばれる経年変化があります。使い込むほどに色やツヤ感が変化していくんです。エイジングの仕方は、使い方や手入れの仕方によって異なり、長年使ったカバンは、その人だけの色と風合いになる。もちろん、柔らかさや形状も変わっていきます。ショルダーバッグなら持ち主のボディーに、取手もまた、手にしっくりくる形状へと変化していくんです。お客さまのなかには、自分とともに年を重ねたカバンに愛着を持ち、修理を繰り返しながら20年、30年と使っている方もいるんですよ。

職人が丹誠込めてつくったカバンですが、神経質にならずに、毎日でも使って欲しいですね。汚れやシミも、カバンとともに過ごした年月の足跡になるはずです。上質な革カバンを日々のパートナーにし、自分の歴史を刻み込む楽しさを感じて欲しい。そう願っています」。

「自分仕立ての革製カバン」のつくり方

Step1 デザインを選ぶ

ビジネスユースが可能なものから、プライベート向けのものまで、幅広いカバンを扱う同店。長く使える、オーソドックスな型が多いのが特長だ。まずは、そのなかから、好みのデザインをセレクト。

自分仕立ての革製カバン

Step2 革の色を選ぶ

デザインにもよるが、多くの型で、選べる色は5種類。好み・ファッション・使い道のほか、それぞれの色が持つ、経年変化の特長で選ぶのもオススメだ。

①キャメル

ゆっくりと飴色に変化していくキャメルは、ショップでナンバー1の人気を誇る。用途や環境に加え、手入れ方法でも変化の仕方が異なってくるので、経年変化を存分に楽しみたい人に。

②チョコ

ビジネスにもカジュアルにも使いやすい、人気のカラー。段々と、ダークで深い色合いになっていく。色むらとともに、渋さが増すのを楽しんで。

③ブラック

経年変化がもっとも少ないブラックは、通が好む色。ほかのカラーよりもツヤが目立ち、年月とともに光沢のあるブラックへと変化する。

④グリーン

男性から、常に高い支持を得ている、落ち着いたグリーン。使い込むことにより、段々と、深みのある濃い色合いへと変わっていく。

⑤赤

大人の男だからこそ似合う、シックな赤。色味の変化は少ないものの、使い込むほどにツヤが増し、よりダンディーなイメージに。

革の色を選ぶ
how to care

革カバンをより長く使い続けるために大切なのが、オイルでの手入れだ。「オイルを使うことで、ある程度の汚れや水、ひび割れを防ぐことができます。また、より早く、色・ツヤが変化していきます。自らの手でエイジングさせる。そう考えると、手入れが楽しくなると思いますよ」。

◆オイル選び

動物性のオイルは、油分が強く、色むら・ベタつきが出やすい。また、革がやわらかくなりやすいので、扱いには注意を要する。そのため、まずは、ほどよい油分の植物性のオイルを選ぶのがオススメだ。

◆磨き方

布やスポンジにオイルをつけ、薄く伸ばすようにして、カバンに塗り込んでいく。縫い目が見えないタイプのカバンの場合は、こすれやすい角の部分に、念入りにオイルを塗り込んで。塗ったあとは、布で乾拭きを。

◆頻度

使いはじめの1ヶ月は1週間に1度、それ以降は1~2ヶ月に1回を目安に。神経質に守る必要はないが、定期的な手入れは、修理が必要な箇所を早めに発見することにもつながる。

◆注意点

防水スプレーを使用すると、革の味わいが出にくくなる。エイジングを楽しみたいならば、使わないのがベター。また、革は水に弱いため、雨や湿気は極力避けたい。保管の際は、カビが生えるのを防ぐため、通気性のよい場所を選んで。

プレゼント・取材協力

ヘルツ 青山本店
東京都渋谷区渋谷2-7-12 TEL: 03-3406-1471
http://www.herz-bag.jp/

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