ガラスペンで綴る「書くこと」の未来

  • Part1 ガラスペンを作る人
  • Part2 ガラスペンを伝える人

Part2ガラスペンを伝える人「カキモリ」代表 広瀬琢磨さん

※2015年12月20日をもってプレゼントの応募受付は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。
ガラスをペンの形に加工し、ペン先にインクを浸して使用するガラスペン。ガラスで文字を書くという非日常感と、所有欲をそそるデザインを備えた、スペシャルなツールだ。その透明感のある美しさにひき込まれたのが、ガラスペン作家の藤田素子さんと文房具店「カキモリ」代表の広瀬琢磨さん。ガラスペンの作り手と伝え手、それぞれの立場から、魅力について語っていただいた。

カキモリオリジナル・ガラスペンの誕生

カキモリオリジナル・ガラスペン

「道具としてのガラス」にこだわり続ける藤田さんのガラスペンに魅了されたひとりが、万年筆やオリジナルインクを提案する文房具店「カキモリ」の広瀬琢磨さんだ。藤田さんと広瀬さんのご縁は、藤田さんが飛び込みで作品を持ち込んだことからスタートしたのだとか。

「それまで、うちでは飛び込みの作品はお断りしていたのですが、藤田さんのガラスペンはあまりにも良かったので、すぐにお取り扱いが決まりました。それまでも海外製のガラスペンはありましたが、試し書きをしたら藤田さんのペンはまったくの別物。それまでのガラスペンはデコラティブな芸術作品のようなものが多かったのですが、藤田さんの作品は使う人目線で作られているのだと思います。超一流のペン先、色合い、デザイン、どれも秀逸でした」

カキモリでは、カキモリオリジナル・ガラスペンを販売している。藤田さんデザインのガラスペンをラウシャ村の工房で製造することにより、価格を抑えることにも成功。よりシンプルで、カジュアルな雰囲気も備えたこれまでにないガラスペンが誕生した。

「お店には、好みの色のインクをカスタムできる「インクスタンド」を併設しているので、インクとセットでガラスペンを購入される方がほとんどです。ガラスペンは使う分だけインクを浸すので、使用頻度がそれほど高くないという方にもおすすめです。万年筆だとしばらく使用しないうちにインクが乾いてしまうということもあるので、そういう方にはガラスペンのほうが使い勝手がいいかもしれません」

書くことが非日常となった今だからこそ、伝えたいガラスペン

創業当初は“書くと日常が楽しくなる”というスタンスでお店を始めたというが、今は、書くことそのものが非日常で、より特別なものになっている。今後は “紙に書くってかっこいいよね”という提案が必要なのかもしれないと、広瀬さんは語る。
「メールやLINEはやっぱり便利。でも特別なもの、例えば20年も30年も残しておきたいものは手書きがいいと思うんです。手書きの文字には、人となりだけでなく書いているときの気持ちも反映されます。後で読み返したときに、書いたときの情景がふわっと浮かんでくる。キーボードで打った文字にはそれがありませんよね。だから、手紙はもちろんですが、自分のために残す日記などを手書きにするのもいいですね」

日常生活では、文字を「書く」ではなく「打つ」時代。書くこと自体がスペシャルになっているだけに、何で書くかにこだわって万年筆や紙を選ぶ人がカキモリを訪れる。店頭に並ぶガラスペンを見て、初めてガラスペンを手に取る人も多いのだという。

「書くことそのものが非日常で、スペシャルになっていることを考えると、ガラスペンは今後さらに注目のツールだとも思います。今だからこそガラスペンを伝えていきたいと思うし、藤田さんの作品にはその魅力があります」

ガラスペン

様々なガラスペン

藤田さんの通常の作品よりも持ち手が短いカキモリオリジナルは、横書き縦書き問わず書きやすいのが特徴。ブルーのパーツにはインク止めの役割もある。持ち手とペン先につけたインクの色によるコントラストも美しい。

持ち手となるガラス棒

カキモリ併設の「インクスタンド」では、3色のインクを調合して自分だけのオリジナルカラーを作ることができる。色味はガラスペンで試し書きして確認できるので、ガラスペンの書き心地を試したい人にもうってつけ。

火入れの作業

カウンター上にずらりとカラフルなインクが並ぶ「インクスタンド」の店内。広瀬さんは、もっとガラスペンを知ってもらうためにも、壁一面にガラスペンを展示するアイディアを構想しているのだとか。

profile

広瀬琢磨

万年筆やオーダーノートなど特別感のある文房具を揃える文房具店「カキモリ」代表。2014年、カキモリの隣に万年筆用インクのオリジナルカラーをオーダーできるインク専門店「インクスタンド」をオープン。(※2015年10月現在、カキモリオリジナルガラスペンは入荷待ち)
 http://www.kakimori.com/

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