毛髪は,1本1本独立した毛周期をくり返しています。成長期には頭皮内の毛包にある毛母から新しい毛が生まれ、2~6年かけて伸びていきます。次に退行期として毛包が2~3週間かけて退縮した後、3~4ヶ月間の休止期に入ります。同じ部位に新しい毛が生まれると、休止期にあった元の毛が抜け落ちるというサイクルです。毛髪の抜け毛は1日100本以内であれば生理的な脱毛ですが、それ以上は治療を必要とする病的な脱毛である可能性があります。
1)女性の男性型脱毛症/壮年性脱毛症
男性型脱毛症は、男性ホルモン(アンドロゲン)の影響で毛髪の成長が抑制されて起こります。毛が細くなるので、量が減少したように見えます。男性では前頭部の軟毛化と生え際の後退が起こりますが、女性の場合は頭頂部が軟毛化するのが特徴です。
一方、加齢による壮年性脱毛症は、毛髪の成長を促す働きをする女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が、更年期以降に減少するために起こるものです。加齢による脱毛も毛が細くなるのが特徴ですが、頭部全体が薄くなるのが男性型脱毛症との違いです。
女性は本来、男性ホルモンの分泌が少ないのでその影響をあまり受けませんが、更年期以降に女性ホルモンの分泌が減少して相対的に男性ホルモンが優位になると、男性型脱毛症になりやすくなります。
2)休止期脱毛症
休止期脱毛症は、毛周期の休止期に入る毛の割合が増えることで起こります。原因として、精神的ストレス、栄養不良、出産のほか、甲状腺疾患や鉄欠乏性貧血などが挙げられます。無理なダイエットをすると頭皮に栄養が行き渡らなかったり、ホルモンバランスが乱れたりして毛周期が影響を受け、休止期に入る毛が多くなります。出産後は、妊娠中に増加したエストロゲン量が元に戻るため、延長されていた成長期が一気に休止期に切り替わります。
休止期脱毛症では全体的に薄毛になりますが一時的なものであり、原因を取り除けば回復していきます。
3)牽引性脱毛症
ポニーテールなどの髪形により毛髪を高頻度に牽引することで、主に前頭部や側頭部の毛髪が抜ける脱毛症です。
4)円形脱毛症
コインのように丸く毛が抜けてしまう脱毛症です。複数箇所に生じたり、頭部全体や体全体に起こったりする場合もあります。精神的ストレスが原因と思われがちですが、毛包を標的とした自己免疫疾患であり、成長期の毛包がリンパ球の攻撃を受けて壊されてしまうことが原因です。また、なりやすさは遺伝すると考えられています。
①自分の頭皮や髪質に合ったヘアケア、②良質な睡眠、③禁煙、④1日30品目を目標としたバランスのよい食事、を維持した上で、薄毛・脱毛の原因を取り除くことが重要です。
頭皮や毛髪も肌同様、乾燥は大敵です。シャンプーの使用は1日1回までとし、乾燥肌・脂性肌に適したものを選びます。カラーリングやパーマ、ドライヤーは最小限にしましょう。育毛剤や髪に栄養を与えるトリートメントや頭皮マッサージも有効です。
病的な脱毛は自己判断せず、皮膚科専門医の正しい診断の下、必要であれば治療を受けるようにしましょう。
山口県 光市
アットホームなクリニックピンク色のクリニックで、女医ならではの相談のしやすさが特徴です。アトピー、かぶれ、じんましん、ニキビなどはもちろん、シミ、小ジワ、ほくろ、あざ、化粧のりの悪さなど女性にしかわからない肌の悩みもぜひご相談下さい。また、当院では炭酸ガスレーザー、ケミカルピーリング、液体窒素、ダーモスコピーを導入し、安全、安心、確実な治療を行っています。「こんな事を聞いたら、恥ずかしい」「笑われないだろうか」と言う事をお話にいらしてください。きっとお役に立てると思います。