冬になると肌がカサカサする、化粧水がしみる気がする……そんな悩みを抱えていませんか?「敏感肌だから」と、なんとなく低刺激な製品を選んでいる人も多いかもしれません。
ですが、自分の肌に合ったケアをするには、まず自分の肌を知ることが大切。そのカギとなるのが「肌タイプ」と「肌コンディション」という考え方です。この2つの違いを理解するだけで、より高いスキンケア効果を期待できます。この記事では、肌タイプの見極め方から化粧水・乳液の正しい使い方まで、敏感肌が知っておきたいスキンケアの基本を解説します。
「肌タイプ」と「肌コンディション」の違い
スキンケアを考えるとき、知っておきたい「肌タイプ」と「肌コンディション」の違いについて説明します。この違いを理解することが、より美しい肌へのヒントになります。
「肌タイプ」ってなに?
肌タイプ(肌質)とは、あなたが生まれ持った肌の基本的な性質のこと。遺伝的な要因や、皮膚の中の皮脂分泌量によって決まります。
肌タイプの大きな特徴は、一度決まったら基本的には変わらないということ。長期的に安定していて、あなたの肌の「ベース」とも言えます。
一般的に、肌タイプは次の4つに分類されます。
- 乾燥肌:皮脂分泌が少なく、カサつきやすい
- 脂性肌(オイリー肌):皮脂分泌が多く、テカリやすい
- 混合肌:Tゾーンは脂っぽく、頬は乾燥するなど、部位によって違う
- 普通肌:皮脂とうるおいのバランスが取れている
「肌コンディション」ってなに?
一方、肌コンディション(肌状態)は、肌の表面に現れる一時的なトラブルや状態のことを指します。
肌コンディションは、日々の生活習慣、環境、ストレス、季節の変化など、さまざまな外的・内的要因によって毎日変化します。例えば、こんな状態が肌コンディションに当たります。
- 肌荒れ
- ニキビ
- くすみ
- ごわつき
- 乾燥(一時的なつっぱり感など)
つまり「肌タイプ」は変わらない肌の“性格”、「肌コンディション」は日々変わる肌の“気分”と考えるとわかりやすいかもしれません。
あなたはどのタイプ? 乾燥肌・脂性肌・混合肌・普通肌の特徴
適切なスキンケアを行うには、まず自分の肌タイプを理解した上で、その時々の肌コンディションに合わせたお手入れをすることが重要です。
例えば、肌タイプが脂性肌であっても、冬場に一時的に乾燥してコンディションが悪くなっていれば、保湿を重視するなどの柔軟な対応が必要になります。
ここからは、上記で紹介した4つの肌タイプそれぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
乾燥肌
皮脂の分泌が少なく、肌のうるおいが不足しがちなタイプです。
<特徴>
- 洗顔後、すぐに肌がつっぱる感じがする
- 肌がカサカサして、粉をふくことがある
- 化粧ノリが悪く、ファンデーションが浮きやすい
- 小じわが目立ちやすい
- 季節の変わり目に肌荒れしやすい
乾燥肌は、とにかく保湿が重要。化粧水でたっぷりうるおいを入れた後、乳液やクリームでさらに保湿することを心がけましょう。保湿タイプの美容液を取り入れることもおすすめです。
脂性肌(オイリー肌)
皮脂の分泌が多く、肌がテカリやすいタイプです。
<特徴>
- 朝起きたとき、顔全体がベタついている
- Tゾーン(おでこ・鼻)だけでなく、頬もテカる
- 毛穴が開いて目立ちやすい
- ニキビができやすい
- メイクが崩れやすく、夕方にはテカテカに
脂性肌は、皮脂を取りすぎないことが大切。洗いすぎると、逆に皮脂分泌が増えてしまうこともあるので、うるおいをキープできるタイプの洗顔料がおすすめです。さっぱりタイプの化粧水と、軽めの乳液でケアしましょう。
混合肌
部位によって肌質が違うタイプです。日本人に一番多いと言われています。
<特徴>
- Tゾーンはテカるのに、頬や目元は乾燥する
- 季節によって、肌の状態が変わりやすい
- 部位によってトラブルが違う(Tゾーンはニキビ、頬は乾燥など)
混合肌は、部位別のケアが理想的ですが、難しい場合は全体的にバランスの取れた保湿を心がけましょう。肌荒れ・ニキビ予防ができるタイプのスキンケアは特におすすめです。特に乾燥しやすい部分には重ね付けするのもおすすめです。
普通肌
皮脂とうるおいのバランスが取れている、理想的な肌タイプです。
<特徴>
- 肌トラブルが少ない
- キメが整っていて、ツヤがある
- 化粧ノリがいい
- 季節の変化にも比較的強い
普通肌は恵まれた肌質ですが、油断は禁物。今の状態をキープするために、基本のスキンケアをしっかり続けましょう。特に保湿ケアはおこたらないようにしましょう。
自分の肌タイプがわからない時は?
朝起きたときの肌状態をチェックしてみてください。洗顔後、何もつけずに10分ほど放置した後の肌の状態も参考になります。ベタつく?カサつく?それとも快適でしょうか?その感覚が、あなたの肌タイプを教えてくれます。
スキンケアの基本、化粧水と乳液。それぞれの役割を知ろう
肌タイプがわかったら、次は基本のスキンケアアイテムの役割を理解しましょう。特に大切なのが「化粧水」と「乳液」。この2つ、実は全く違う役割を持っているんです。
化粧水の役割は「うるおいを届ける」
化粧水の一番の役割は、肌にうるおいを与えること。洗顔後の肌は、汚れと一緒に、肌に必要なうるおいまで失われがちです。そこで化粧水を使って、まず肌をうるおいで満たしてあげます。
化粧水をつけることで以下のような効果が期待できます。
- 肌にうるおいが行き渡る
- 肌のキメが整う
- 肌が柔らかくなり、次に使う乳液などが浸透しやすくなる
- たっぷりのうるおいで、肌のバリア機能をサポートする
たっぷりと、やさしく肌になじませることが大切。パシャパシャと叩き込むのではなく、手のひらでやさしく、包み込むようにつけましょう。
乳液の役割は「うるおいを持続させる」
乳液の役割は、化粧水で与えたうるおいが逃げないように、うるおいを持続させること。乳液には油分が含まれていて、この油分が肌の表面に薄い膜を作ってくれます。
乳液をつけることで以下のような効果が期待できます。
- 化粧水で与えたうるおいを持続させる
- 角層深部までうるおいで満たされ、長時間持続する
- たっぷりのうるおいで、肌のバリア機能をサポートする
化粧水と乳液を一緒につかうことで、スキンケア効果がより高まります。
「うるおいを与えて、キープする」がスキンケアの基本
つまり、化粧水のあとに乳液をつけることで、化粧水で与えたうるおいを持続することができます。この2つはセットで使うことで、相乗効果を発揮します。
どんな肌タイプであっても、この「化粧水でうるおいを与えて、乳液でうるおいを持続させる」という基本は変わりません。ただし、肌タイプによっては…
- 乾燥肌:しっとりタイプ・保湿タイプの化粧水・乳液を選ぶ
- 脂性肌:さっぱりタイプや、オイルフリーの化粧水・乳液を選ぶ
- 混合肌:部位によってタイプを使い分けたり、肌荒れ予防ケアができる化粧水・乳液を選ぶ
というように、スキンケア選びを工夫しましょう。
何よりも大切なのは、自分の肌タイプと、今日の肌コンディションの2つにマッチしたスキンケアすること。いつもより乾燥していると感じたら、いつもより多めにつけたり、肌のベタつきを感じたら、軽めのテクスチャーのアイテムを選ぶなど。肌の声を聞きながら、柔軟に対応していくことが、美しい肌への近道です。