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Beauty Roots #1 野口啓代
【自分の好きな自分で、クライミングを。】

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私たちはいつからか、美しさには「こうあるべき」とされる姿があると思っていたのかもしれません。多様な価値観が広がるいま、あらためて、自分にとっての「美しさ」を皆さんと考えたい。そこで、解放美区編集部は多様な分野で活躍される方に「美しさ」の原点を伺う連載、「Beauty Roots」をスタートします。

連載「Beauty Roots」では、見た目だけでなく、その人が何を大切にし、どう生きてきたのかに目を向けながら、美しさを形づくる原点を探ります。

第1回は、プロクライマーの野口啓代さん。現役時代、練習でも大会でもメイクをし、指先には赤い“勝負ネイル”。過酷なトレーニングの日々のなかで、メイクやネイルは、野口さんにとってどのような意味を持っていたのでしょうか。現役を引退し、母となったいま、美しさに対する眼差しはどのように変わったのでしょうか。

9つの質問から、野口さんの「美のルーツ」をたどります。

Special Guest

プロクライマー
野口啓代さん

1989年5月30日生まれ、茨城県龍ケ崎市出身。小学5年生でクライミングと出会う。ボルダリング・ワールドカップ通算21勝、年間総合優勝4回、東京2020オリンピック女子複合で銅メダル獲得。2021年に現役を引退し、現在は普及活動を行いながら、自らも外岩での高難度クライミングに挑戦を続けている。3歳の娘の母。

Q1. 野口啓代さんが「美しい」と感じるのは、どんな人・どんな瞬間?

すごく大きなテーマで悩みましたが、私自身、長くスポーツを続けてきたので、美しいと感じるのは、やはりスポーツのシーンが多いですね。

努力して何かを達成した瞬間の表情や、悔しかったときの涙、そんなシーンに心を動かされます。作り込まれた写真よりも、素で出てくる感情のほうが響くんです。

――最初にそう感じたのは、いつごろでしたか?

子どもの頃、競技をしている女性を見たときですね。表情や体型、まとっているオーラや自信を全部ひっくるめて、「かっこいいな、あの選手みたいになりたいな」と思っていたことを覚えています。

Q2. 母になったいま、「美しい」の感覚は昔と変わった?

私はいま37歳で3歳の娘がいますが、子どもの頃に思い描いていたアラフォー世代のイメージとは、大きく変わりましたね。

15年ほど前は、「母親」も「37歳の理想像」も、年相応の服装やメイクでそれらしくしていないといけない、という印象が強かったんです。

でも近年は、もっと自分らしくしていいと思うようになりました。母親だから露出をしてはいけない、毎日しっかりメイクをしてはいけない。全然関係ないな、と。

――家事や育児を理由に、ネイルは意識して控える方もいます。野口さんはどう考えていますか?

私は、「家事か、ネイルかというように、どちらか片方しか選べない」とは思わないようにしています。無理のない範囲で好きな服やメイクやネイルを取り入れて、なりたい自分で家事も育児も仕事もする。そのほうが、私自身は心地よく過ごせるんです。

Q3. 「スポーツ選手なんだから」――メイクやネイルの「こうあるべき」とどう向き合った?

「もう30なんだから」「母親なんだから」、そして「スポーツ選手なんだから」。この3つでしょうか。

特に選手のときは、直接言われなくてもそう感じ取る場面がありました。選手だからという理由で、「メイクをする時間があるのなら、その時間でトレーニングに集中すべきだ」という考え方も耳にすることはありました。

でも私は、自分が一番気分のいい状態で大会に出ることが成績につながると思っていました。自分の好きな自分で表に立つことが、プロとしての活動にもつながっていたんです。だから、手を抜くという発想はありませんでした。練習でも大会でも変わらず、メイクをして、必ず勝負ネイルをして臨む。スポーツをしている私も全部ひっくるめて私なんです。

――反対に、うれしかった言葉はありますか?

実は、違和感よりもポジティブな言葉のほうが印象に残っていますね。「クライミングは髪を染めたりネイルをしたりできる、自由で新しいスポーツだよね」とか。よく覚えています。

もちろん競技によると思うのですが、もしスポーツをしている方で「こうあるべき」に違和感を抱くことがあったら、自分のやりたい「美しい」を全部叶えた上で、スポーツをやってほしいなと思いますね。

Q4. 引退後、理想の身体や体重への考え方は変わった?

実は、現役時代もいまもあまり変わっていなくて。過去に体重制限を意識したこともありましたが、私の場合はパフォーマンスにつながりませんでした。

数値的な指標にとらわれるよりも、自分の身体に耳を傾け、健康を保ちながら、良いコンディションに整えるほうが、結果的にパフォーマンスが向上したんです。

――いま思う「理想の身体」は、どんなイメージですか?

現役のときは、とにかく優勝すること、いまは、高難度のクライミングに挑戦することというように、高い目標に向かって努力していれば、自然と理想的な身体になっていく。見た目を気にして体重を落とすのではなく、目標に向かう途中で自然と手に入るものだと思っています。

Q5. 赤とゴールドに込めた闘志。メイクやネイルの役割は引退後に変わった?

メイクもアクセサリーもネイルも、本当に全部好きなんです。初めてお会いした方が受け取る印象は、まず外見からだと思うんですね。

現役中は、絶対に金メダルを取るという気持ちでゴールドのアクセサリーしか身につけませんでした。赤いネイルやリップをすると闘志が湧くんです。色で、覚悟や気持ちの強さを表現していました。当時は「気が強くて怖そう」と言われていましたけれど(笑)、見せたい自分を表現していました。

――いまは、どうでしょう。

そこは変わっていません。挑戦したい日には、いまも赤やゴールドを取り入れます。プライベートな時間はあえてシルバーにしたり、ネイルもピンクや黒にしたり。周りからは「表情が柔らかくなったね」とも言われます。

Q6. 現役時代、プレッシャーの中でどうモチベーションを保っていた?

クライミングは対人で戦うスポーツではないんです。成績や順位は出るにせよ、戦う相手は目の前の壁と、自分自身なんですね。

そこを勘違いすると、モチベーションやパフォーマンスにも影響を受けてしまう。だから常に、「自分自身が全部うまくいって登り切れれば、誰にも負けない」と自分に言い聞かせていました。

――試合でうまくいかない日は、何をしていましたか?

メイクやネイルを意識し直したり、過去の自分のパフォーマンスの映像を見たりしていました。私にとって自分を一番鼓舞してくれるものは、過去の自分の成績や実績だったんです。これだけ積み上げてきた、ここまで頑張ってきた——そう思えるように、自分のトレーニングの映像や過去の大会の映像を見るようにしていました。

Q7. 引退・出産後のいま、自分を整えるために続けている習慣は?

やっぱりスポーツです。2021年に引退しましたが、体を動かすことは続けています。筋肉を使うことでしか感じられない喜びが、私には絶対にあるんです。

――そう気づいたきっかけは、何かあったのでしょうか。

引退と妊娠・出産で、一時期スポーツから離れていたのですが、そのときは感情がすごく貧しくなってしまって、喜怒哀楽が少なくなってしまった。

体を動かさないとこんなにも心が動かなくなるのか、と気がついて。そこからまた、自分なりの目標を見つけて挑戦するようになりました。

調子の悪い日は、自分の身体としっかり話し合って、いまの状態を正しく判断する。そう意識しながら続けています。

Q8. 妻・母という役割の葛藤の先に。大人の女性としての生き方の美しさとは?

引退してから、現役中とは違う葛藤がたくさんありました。夫がまだ現役だから私が家事を全部やらないといけないんじゃないか。子どもがいるから毎日3食手作りしないといけない。立場から来る役割の部分ですね。

でも、それって本当に誰が決めたんだろう、と。世間体を気にして妻や母親に収まらないといけない。それが窮屈でしたし、自分の可能性に蓋をしているんじゃないかと感じていました。

ただ、それは誰かに言われたわけでも、夫婦間で争いが起きたわけでもなく、完全に自分の中だけの葛藤だったんです。実際に「もっとクライミングを頑張りたい」と打ち明けたときには、親も夫も応援してくれたんです。

どれだけ葛藤しても、「大人だから」「引退したから」は関係なく、自分の好きな自分でいることは変わりませんでした。いまも、クライミングでもっと上を目指したい気持ちを大事にしています。周りに感謝しながら挑戦を発信して、成果を残していく。それが大切だと思っています。

Q9. 「壁にぶつかっても美しく立ち向かえる人」の共通点は?

スポーツに限らず、失敗しない人はいませんし、最初からトップに立てる人もいません。

壁にぶち当たったときに、自分の弱さや苦手なこととどう向き合って、どう乗り越えていくか、そこで強くなれると思っています。

自分の弱さと向き合って乗り越えてきた人は美しいなと感じますし、それは弱さを知っているからこその強さでもある。スポーツに限らず、みんなに共通することなんじゃないかなと思います。

外岩でも子育て中も。野口啓代さんが語る、崩れにくいファンデーションと日焼け止め

自分の気持ちを盛り上げたり、なりたい自分を表現したり。メイクやスキンケアは、自分自身と向き合う時間そのものです。

クライマーとして、そして一人の女性として挑戦を重ねる野口さんが、日々の生活で取り入れているアイテムについて語っていただきました。

マキアージュ エッセンスリキッド EX ブライトグロウ(リキッドファンデーション)

日頃のトレーニングや外の岩場でのクライミングは日差しや擦れなどで肌への負担が大きいのですが、マキアージュのファンデーションは本当に頼もしい存在です。肌にすっと伸びてぴたっと密着してくれるので、体を激しく動かしても崩れにくく、ツヤ感をキープしてくれます。美容液成分がたっぷり入っているおかげで、しっとりとした潤いが続くのも嬉しいポイントですね。

  • 商品画像
    マキアージュ
    エッセンスリキッド EX ブライトグロウ
    ワントーン明るい「極上つるん肌」へ ファンデ美容液

アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク NA(日焼け止め)

外の岩での挑戦はもちろん、子どもと一緒に外で思い切り遊ぶ時間が増えたいまの私にとって、アネッサの日焼け止めは毎日欠かせないアイテムの一つです。汗や水、擦れに強い頼もしい耐久性はもちろん、塗った後がサラッとしてベタつかない心地よさもお気に入りです。また、上からファンデーションを重ねてもきれいにフィットしてくれるので、他の化粧品との相性も良いです。日差しの下でも日焼けを気にせずハードな挑戦や子どもとの家族時間を楽しむことに集中できます。

  • 商品画像
    アネッサ
    パーフェクトUV スキンケアミルク NA
    紫外線から隙なく守りぬく さらさらUVミルク

9つの問いの先に見えた、野口啓代さんの「美のルーツ」

「こうあるべき」という美の輪郭が、窮屈に感じられるようになったいま。私たちは何を「美しい」と感じるのか、対話の中で考えていく「Beauty Roots」。野口さんの言葉から浮かび上がってきた、自分に素直であり続ける姿勢は、私たちにたくさんのヒントを与えてくれるように感じました。

努力の末にこぼれる、飾らない表情。目標へ向かう日々のなかでつくられた身体。自分の弱さを知り、それでも壁を越えようとする強さ。そのどれもが、誰かの基準に自分を合わせた結果ではなく、自分自身と向き合った時間から生まれたものでした。

「それって、本当に誰が決めたんだろう」

37歳のいまも、野口さんは周囲の常識やこれまでの役割に答えを委ねません。いまの自分に耳を澄まし、なりたい姿を、その都度選び直していく。

年齢や役割とともに、「美しさ」のあり方は変わっていきます。それでも、野口さんにとっての「美のルーツ」は、自分に素直であること。その言葉から、自分らしい選択を重ねる姿そのものに、美しさが宿るのだと感じました。「Beauty Roots」ではこれからも、さまざまな方との対話を通して、一人ひとりの美しさを形づくる原点を見つめていきます。

解放美区 編集部

自分らしく在るための価値観がある。トレンドからサステナビリティまで、7つの視点からあなたの日常に小さな変化と新しい可能性をアップデートする情報を発信しています。

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