多様な分野で活躍される方に「美しさ」の原点を伺う連載企画、「Beauty Roots」。
第2回は、ファッションの世界で独自のスタイルを築いてきた、よこちるどれんさんにお話を伺いました。トレンドや「こうあるべき」をただ否定するのではなく、ときには判断材料として認めながら、最後は自分の目で確かめ、自分で選ぶ。その考え方は、どのように形づくられてきたのでしょうか。
9つの質問を通して、よこちるどれんさんの「美のルーツ」をたどります。
動画クリエイター
よこちるどれんさん
1993年、高知県四万十市生まれ。アパレル販売員を経て独立し、現在はSNSや動画配信を中心にファッションを発信。百貨店に入社した1年目はスーツのフロアを担当し、素材や仕立てにこだわるブランドと出会う。その後、コム・デ・ギャルソンに勤務。まだ広く知られていないブランドや作り手にスポットライトを当てる発信をおこない、ファッションを楽しむ若者層から幅広い支持を集めている。
Q1. よこちるどれんさんが「美しい」と感じるのは、どんな人・どんな瞬間?
細部までこだわる人ですね。洋服屋で働いていた頃、お直し上がりのジャケットをお渡しする先輩が、一度手を止めて、シワをきれいに伸ばしてからお渡ししたことがあって。
シャツにシワがひとつもない人や、フィッティングルームのゴミを毎回きれいにする人。そういう人を美しいなと感じます。僕も仕事では、細部までこだわって自分にしかできないパフォーマンスをしようと心がけています。
――最初にそう感じたのは、いつごろでしたか?
社会人1年目です。百貨店で、高級なスーツを販売するフロアの担当になって、ブランドネームではなく素材にこだわるブランドを扱ったのですが、そこで初めて、服の持つ美しさを知りました。
あとは、上司の革靴を見た時ですね。コードバンという素材の靴を、きれいに履いて、ケアして、艶を出していた。ちゃんと履けばこんなに美しくなるのか、と衝撃でした。
Q2. 「美しい」の感覚は、昔と変わった?
10代の頃は、みんなが群がっているトレンドをかっこいいと感じる思考でしたが、いろいろな経験を経て、作り手の背景や細部へのこだわり、その考え方のほうに美しさを感じるようになりました。見た目ではなく、裏側にあるものですね。
――いまも、その感覚が更新される瞬間はありますか?
最近は、展示会や服飾専門学校の文化祭に呼んでいただいて、直接、作り手の想いを聞ける機会が増えました。彼らの思いを知って着るのと知らないまま着るのとでは、着るときのテンションが全然変わってくるので、やはりその背景を知ることが大事ですね。
Q3. 見た目や美の「こうあるべき」に違和感を覚えた経験は? どう向き合った?
実は、ついこの間までは「こうあるべき」といった固定観念的な考え方に違和感を覚える側だったのですが、最近は、それも必要なんじゃないかと思うようになって。
服の楽しみ方って人それぞれですよね。自分の中に「これが着たい」という明確な軸がある人もいれば、何を選べばいいか分からずトレンドや基準を参考にしたい人もいる。
前者の僕にとっては「こうあるべき」が窮屈に感じることもありますが、後者の人にとっては世の中が唱えている基準があることで、選択の助けや判断材料になっている面もあると思うんです。これは、ストリートスナップを撮っているフォトグラファーの方がおっしゃっていて「確かに」とハッとしました。
――いま同じことで悩んでいる人がいたら、なんと声をかけますか?
そのままでいいと思います。悩んで悩んで、そこで自分が出した判断にこそ意味があると思っているので。
みんなが唱えている「こうあるべき」に流れるのも、自分で試してたどり着くのも、どっちも正解です。自分がいいなと思うスイッチを押せばいい。自分で選んだ答えに、迷わないでほしいですね。
Q4. 「美しいデザイン」や「惹かれる服」の定義は、昔と変わった?
よく派手な服が好きだよねと言われますが、派手な服には2パターンあって。ただ奇をてらっただけのものと、作り手に思いや理由があって作られたものです。
僕は直感的に、後者に惹かれがち。これは作り手がいかに基礎を把握しているかが大事なんです。基礎を知っているからこそ、刺さるような壊し方ができる。美しい破壊の仕方になるんじゃないかなと。
――その背景は、どのように知るのでしょうか?
前にいた会社は作り手との距離が近くて、気軽に聞ける環境でした。展示会でもデザイナーさんに、どこから着想を得たんですかと聞くと、ちゃんとした答えが返ってきます。
専門学校の学生も、服の歴史をたどって、軍隊の制服やユニフォームでいいなと思ったものを自分の中に吸収して、どう再構築するかを考えて作る、と言っていました。
Q5. 完璧すぎないからこそ生まれる美しさとは?
完璧すぎないほうが、『その人の色』が出るから好きですね。みんなが完璧を求めると、みんな同じ色になってしまう。
SNSなどでも、完璧につくり込まれたかっこいい写真より、ちょっと笑った顔や、おいしそうにご飯を食べているような写真に惹かれます。
その人らしい色や人間味が見えた瞬間のほうが、僕にとっては魅力的に感じるんです。
――そう思うようになったきっかけは?
SNSを始めるときに、YouTuberと配信者の両方を見てたんですが、配信者は生放送だから着飾らない。感情をありのまま出していました。YouTuberは編集するので、外面を作れてしまう。
完璧を求めすぎて取り繕いすぎている人は、本当は何を考えているか分からない。欠点もオープンにできる、ユーモアがある人のほうが、僕の中では美しいなと思っています。
Q6. 手元の服をすべて一軍として愛されているその美学とは?
僕が買う服って、2年後も3年後も、5年後10年後も、自分にとっては現役でキラキラしていられるものしかないんですよ。だから全部一軍なんですよね。
大半の人は1年後2年後で飽きちゃうと思うんですけど、僕の服は何年着ても飽きない。仮に飽きても、半年くらい寝かせれば、また新鮮な気持ちで着られる服ばかりなんです。
――服を選ぶときは、どのような基準で選ばれているのでしょうか?
もう直感です。皆さんが目の前の服を見て、いいなと思って買うじゃないですか。それとほぼ同じ感覚ですよ。それがたまたま、5年後10年後も着られる服だったというだけなんですけどね。
Q7. いま、自分を整えるために続けている習慣は?
暴飲暴食をしないことですね(笑)。あとは適度な運動。いまやっているのは、この2つです。
家にいる時間が長くてあまり動かないので、食べすぎると顔に出ますし、太りやすい年代に入ってきたので。夜は12時に寝て、7時には起きています。7時間睡眠で、めちゃめちゃ健康ですよ。調子を崩した時も、睡眠と食事はしっかりととる。そういう基礎的なことをしっかりと整えてリカバリーするタイプです。
Q8. 独立したいま、目指す「人間としてのかっこよさ」とは?
何かに熱中している人ですかね。服のブランドをやっている人にも、大きく2種類いると思っていて。
表舞台でのPRが得意な人もいれば、愚直にアトリエで服作りに打ち込んでいる人もいる。僕はどうしても、後者のような熱量を持つ人たちに惹かれるんです。
ただ、そうした真摯な作り手ほど、SNSの数字や目立つ場には現れにくく、光が当たりにくい現状もあります。だからこそ、僕自身がスポットライトになって、彼らの魅力を発信していきたいんです。
そのために、自分のSNSで、誰も知らないブランドをどんどん打ち出していきたいんです。
Q9. 年齢を重ねても「軽やかで美しい生き方」を続けるために、意識していることは?
意識しなきゃ、とはあまり思っていないかもしれないです。
例えば、みんなが知っていることを知らないといけない、みんなが買っているものを買わないと話題についていけない、となりがちですよね。自分が知らないという欠点を、流行っているからという理由で強制的になくそうとする。僕はそれをしなくて。興味ないならないでいいじゃん、知らないなら知らないでいいじゃん、と思ってます。
例えば、「音楽や映画をモチーフにしたファッションをやるなら、その音楽も映画もちゃんと知っておくべきだ」という考え方もあります。僕も一時期はそうだったんですけど、やめようと思って、そこで自分を許してあげました。それですごく楽になりましたし、だからこそ自分の色が出たかなと。
趣味の範疇で知っておかなきゃいけないものなんてないですし、本当に自分の心が動いたものに熱中すればいいと思っています。
好きな使用感を求めて。よこちるどれんさんが語る、化粧品と出会う楽しさ。
服の背景や細部に美しさを見出し、自分自身の目で確かめた答えを大切にする。その姿勢は、毎日の身だしなみや肌を整えるひとときにも通じるものがあります。
ここでは、自分の直感やこだわりを大切にしているよこちるどれんさんに、実際に触れて心地よさを実感した4つのアイテムについて語っていただきました。
d プログラム エッセンスイン クレンジングフォーム(洗顔フォーム)
毛穴が目立つ年代に入ってきたので、鼻まわりの毛穴汚れはずっと気になっていました。使ってみると、皮脂や汚れが落ちた感じがあって。細かいところが気になる性格なので、しっかり観察しながら使っていたんですが、違いはちゃんとわかりましたね。
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d プログラム
エッセンスイン クレンジングフォーム
(医薬部外品) しっとりとしたなめらか美肌へ導く薬用洗顔フォーム
アベンヌ ウオーター 150g(化粧水)
化粧水は手でなじませるものだと思っていたので、スプレーで顔に直接吹きつけるタイプは初めてでした。シャワーみたいに勢いよく出てきたらどうしようと思っていたんですが、水分の勢いがちょうどいいんですよ。肌にスーッとなじむ感じがあって、すごく使いやすい。世の中にはこんなものがあるのか、と正直びっくりしました。
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アベンヌ
アベンヌ ウオーター 150g 南仏アベンヌの自然が生んだ、肌にいい水
アベンヌ ミルキージェル オイルコントロール(オールインワンジェル)
自分はオイリー肌なので乳液をつけると肌がテカっているように感じていたのですが、乳液を使わず化粧水だけで済ませるのもどうかなとモヤモヤしていました。そんな時、このミルキージェルは"テカリ過ぎないちょうどよい使用感"で、自然に皮脂を整えてくれるところがお気に入りです。送りバントをこなした2番バッターのように頼もしく仕事をこなしてくれる感じでした。あと、香りもナチュラルで好みですね。
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アベンヌ
ミルキージェル オイルコントロール 毛穴の目立たない肌に 皮脂ケア保湿ジェルクリーム
SHISEIDO メン モイスチャライジング リップ クリエイター(リップクリーム)
今まで、リップクリームにあまりこだわりはなく、ドラッグストアで手にしたものしか使ったことがなかったのですが、このリップはつけた瞬間、潤ってツヤやかな唇に仕上がって、「なんだこれは!?」と衝撃を受けました。出かける時はつけていこうと思います!
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SHISEIDO メン
モイスチャライジング リップ クリエイター 唇のうるおいが持続する リップクリーム
9つの問いの先に見えた、よこちるどれんさんの「美のルーツ」
「こうあるべき」という美の輪郭が、窮屈に感じられるようになったいま。私たちは何を「美しい」と感じるのでしょうか。9つの問いを重ねるなかで、よこちるどれんさんの言葉から浮かび上がってきたのは、美しさの正解を追い続けるわけでも否定するわけでもなく、自分の目で確かめたものを信じる姿勢でした。
お直し上がりのジャケットから、そっとシワを伸ばした先輩の手つき。基礎を知っている人だけができる、美しい壊し方。10年後も着ていられると信じて選ぶ、一着への直感。そのどれもが、どこかから借りてきた正解ではなく、自分の目で見て、確かめてきた時間から生まれたものです。
「自分で選んだ答えに、迷わないでほしい」
そう言い切れる清々しさに、勇気をもらえる気がしました。「Beauty Roots」ではこれからも、さまざまな方との対話を通して、一人ひとりの美しさを形づくる原点を見つめていきます。
解放美区 編集部
自分らしく在るための価値観がある。トレンドからサステナビリティまで、7つの視点からあなたの日常に小さな変化と新しい可能性をアップデートする情報を発信しています。
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