1000の真実

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1000の真実

ケア方法を知る

肌や化粧品の理解を深めて
家族のすこやかな肌を守りたい!(前編)

肌が乾燥しがちになる。肌荒れしてかゆみや赤みが生じる、湿疹皮膚炎が起こりやすい……。こうした肌トラブルが起こるメカニズムとは? 予防や改善のためにはどうすればいい? そんな疑問のあれこれを、敏感肌のお子さんをもつフリーアナウンサーの八塩圭子さんが読者を代表してインタビュー。疾患治療後の肌のためのスキンケア製品の研究開発を手がける、資生堂グローバルイノベーションセンターの海野佑樹研究員がお答えします!

すこやかな肌のためのカギを握るのは
肌表面の角層に備わる「バリア機能」です



※イメージ

八塩圭子さん(以下、敬称略):うちには今、小学1年生の息子がいるのですが、幼い頃から肌が弱くて、季節の変わり目などはとくにトラブルが現れやすいんです。
 皮膚科の先生には、「アトピー性皮膚炎と診断するまでには至っていないけれど、ややアトピー気味の敏感肌」だといわれています。
 我が家だけでなく、まわりのご家庭を見てもやはり敏感肌の子供が多いという印象があるのですが、そもそもこうした敏感肌と健康な肌はどこがどう違うのか、肌のメカニズムから教えていただけますか。

海野佑樹研究員(以下、敬称略):では早速、肌の構造から簡単にご説明しますね。
 まず、肌は表皮、真皮、皮下組織の3つの組織から成り立っており、表皮はさらに角層、顆粒層、有棘層、基底層という4つの層に分かれています。
 このうち、肌を健やかに保つうえで重要な役割を担っているのが、表皮の最も外側にある角層です。この部分に、肌の水分を保ち、外部刺激から肌を守る「バリア機能」が備わっています。

八塩:バリア機能という言葉はよく耳にしますけれど、どういう構造をしたものなのかということについては漠然としたイメージしかない人も多そうです。ぜひ詳しく教えてください。

海野:角層はわずかラップ1枚程度の厚さしかないのですが、その中で水分を含んだ角層細胞がレンガのように積み重なっています。その細胞と細胞のすき間をセメントのように埋めているのが、細胞間脂質と呼ばれる脂質です。細胞間脂質が細胞と細胞を密着させることでバリアの状態になり、体内の水分が蒸発するのを防いだり、細菌やアレルギー物質、花粉、大気汚染物質など肌に刺激を与える要因となる物質が体内に侵入するのを防いでくれているのです。

八塩:つまり、角層のバリア機能がうまく働かないと、体内の水分が蒸発して肌が乾燥しやすくなったり、外部からの刺激を受けやすくなったりするということなのですね。


※イメージ

海野:そうです。また、健康な肌の場合は表皮と真皮の境目にかゆみを感じる神経(神経線維)があるのですが、バリア機能が低下して肌が乾燥すると、その神経線維が皮膚表面近くまで伸びてきます。すると外部刺激に反応しやすくなり、その刺激が直接脳にかゆみとして伝わります。これがいわゆる敏感肌の典型的なメカニズムのひとつです。
さらにバリア機能が低下してアトピー性皮膚炎を発症すると、強いかゆみを生じます。そのかゆみを我慢できずにかきむしってしまうと、ますますバリア機能が低下することに。結果、症状が悪化してかゆみがさらにひどくなるという悪循環に陥り、治りにくくなる原因のひとつになっています。

子供でも、化粧水と乳液やクリームの併用を。
正しいスキンケアでバリア機能をサポート

八塩:息子の肌が幼い頃から弱いこともあって気になるのですが、生まれつきバリア機能がよく働いている人、反対に働きにくい人といったもともとの肌質による違いはあるのでしょうか。

海野:そうですね、もって生まれた肌質などには個人差はあると思います。ただ、もともとバリア機能が弱い肌だったとしても、きちんとスキンケアを行えば不足している機能を補い、肌をすこやかに保つことは可能です。

八塩:よく、スキンケアは保湿が重要だといわれますよね。保湿ケアとバリア機能にはどのような関係性があるのでしょうか。

海野:リンクしていると考えられます。保湿で肌がすこやかに保たれていれば、バリア機能は正常に働きます。逆に、バリア機能が正常に働いていれば、角層にしっかり水分を蓄えることができるんですね。
 この相互関係をうまく保つためには、スキンケアで肌の外側からしっかり保湿をすることがとても大切です。

八塩:大人の場合は化粧水をなじませて、その後に乳液やクリームを塗ってと、ある程度手順が決まっていますけど、疾患肌の子供の場合はどこまでケアするべきなのでしょう。
 症状が悪化しているときにはもちろん皮膚科を受診し、先生に処方していただいた外用剤を使用しているのですが、症状が落ち着いた後の普段のケアにも同じものを使うのは控えたいんですよね。かといって、子供が大人が使うようなスキンケア製品を使うのも、それはそれでどうなのだろうという迷いがあって……。

海野:確かに、皮膚科などで処方される医薬品は治療を目的としたものなので、症状が落ち着いたら使用は控えたほうがいいですね。
 バリア機能をすこやかに保つためには、肌の中にしっかり水分を留めて、油分で蒸発を防ぐことが大切です。子供のスキンケアにもぜひ、化粧水と乳液やクリームを併用していただければと思います。
 とはいえ、子供の肌になるべく余計なものは塗りたくない、という親御さんは多いですよね。しかし、近年では「新生児期に毎日保湿剤を塗布すると、アトピー性皮膚炎発症のリスクが低下する」という研究成果が発表されています。食物アレルギーなども、アレルゲンが口からだけでなく、肌を通じて体内に侵入することも要因のひとつということが明らかになり**、新生児期にきちんと保湿をしてバリア機能をすこやかに保つことで予防につながるといいます。

  • *Horimukai K et al., J Allergy Clin Immunol, 2014; 134(4): 824-830.
  • **日本ラテックスアレルギー研究会会誌 Vo.17 No.1 2013

マイナスの肌の状態をすこやかに整えるのも
スキンケアの大切な役割


八塩:そうなんですか! うちの子もそうなのですが、子供の食物アレルギーに悩んでいるお母さんは今とても多いので、これは貴重な情報です。
 子供のうちからきちんと保湿ケアを行って、肌のバリア機能をすこやかに整えておくことが実はとても大切だったんですね。

海野:はい。スキンケアというと一般的には「肌をもっと美しくするためのもの」と認識されていると思いますが、実は肌をすこやかに保つためのものでもあるのです。疾患治療後の肌も、スキンケア次第ですこやかに保つことは可能です。
 ただし、そこでとても重要になるのが「どういうスキンケア商品を使ってケアするか」ということです。肌に合わないスキンケア商品を使えば、かえって肌の状態が悪くなるということもあり得ますから。

八塩:それはまさに私を含め、多くの人が知りたいことだと思います。子供はもちろん、大人の敏感肌にも気にせず使えて、なおかつバリア機能をすこやかに保つことができるスキンケア商品の見極め方のポイントをぜひ教えてください。

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profile

八塩 圭子

フリーアナウンサー/東洋学園大学商学部准教授

1993年、テレビ東京入社。報道局経済部で記者を務めた後、同局アナウンス室に異動。2002年より法政ビジネススクールでマーケティングを専攻し、2004年に修了(MBA取得)。2003年、同局を退職しフリーアナウンサーとして活動を開始。テレビ、ラジオ出演の一方で、2006年から関西学院商学部准教授。その後、2009年から学習院大学経済学部経営学科特別客員教授としてアカデミックな分野でも活躍。

海野 佑樹

資生堂グローバルイノベーションセンター
アドバンストリサーチセンター 皮膚形態研究グループ

2014年、慶應義塾大学理工学部卒。2016年、同大学大学院・理工学研究科 前期博士課程修了。大学院時代は分子生物学を専攻。入社後は、主に表皮・角層の構造、メカニズムについての研究 を行なっている。キシリトールがもつバリア機能を高める機能について、またそのメカニズムについての研究にも携わっている。

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