1000の真実

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1000の真実

ケア方法を知る

肌や化粧品への理解を深めて
家族のすこやかな肌を守りたい!(後編)

肌が乾燥しがちになる。肌荒れしてかゆみや赤みが生じる、湿疹皮膚炎が起こりやすい……。こうした肌トラブルが起こるメカニズムとは? 予防や改善のためにはどうすればいい? そんな疑問のあれこれを、敏感肌のお子さんをもつフリーアナウンサーの八塩圭子さんが読者を代表してインタビュー。疾患治療後の肌のためのスキンケア製品の研究開発を手がける、資生堂グローバルイノベーションセンターの海野佑樹研究員がお答えします!

肌にやさしい使い心地のスキンケア商品の
選び方のポイントを押さえましょう

八塩圭子さん(以下、敬称略):これまで海野さんのお話を伺って、子供の頃からスキンケアを行ってバリア機能をすこやかに保つことの大切さがよくわかりました。
 ただ、市販のスキンケア商品を使うことで万が一、何らかの肌トラブルを招くリスクがあるなら、いっそ何もつけないほうがよいのでは、とつい考えてしまうのも事実なんです。気にせず使えるスキンケア商品かどうかを見極めるにはどうしたらよいのでしょうか。

海野佑樹研究員(以下、敬称略):年齢に関わらず、子供でも大人でも疾患治療後の肌の場合は、低刺激処方で肌にやさしい使いごこちのスキンケア商品を選ぶことをおすすめします。
 パラベン(防腐剤)やアルコール、鉱物油、香料、着色料などは肌に刺激を与える可能性があるので、そうした成分を含まないスキンケア商品を選ぶのもポイントのひとつです。

八塩:敏感肌向けをうたったスキンケア商品のパッケージには「パラベン(防腐剤)無添加」「アルコール無添加」「鉱物油無添加」「無香料」「無着色」など記載されていることも多いですね。

海野:そうですね。そうした説明書きや成分表示などをチェックすると、スキンケア商品を選ぶ際に大きな参考になると思います。
 また、その際にぜひ確認してほしいのが「敏感肌の方のご協力によるパッチテスト済み」「アレルギーテスト済み」といった表記があるかどうかですね。こうした記載があるということは、その商品について試験が行われたということ。しっかりとしたデータがある商品だと判断できます。

八塩:エビデンスがはっきりしている製品なら、確かに安心して使えますね。ただ、肌トラブルを回避するのと同時に、毎日のスキンケアで敏感肌や疾患治療後の肌の予防につなげたいという思いもあります。こうした「肌への効果」という観点での選び方のポイントは何かありますでしょうか。

バリア機能をサポートする
キシリトールの働きが注目されています

海野:私たちの最新の研究で、キシリトールにバリア機能をサポートするメカニズムがあることがわかってきました。

八塩:キシリトールといえばガムや歯磨き粉に使われる成分という印象が強いですが、肌にもそんな効果があったのですね。

海野:はい。キシリトールはガムや歯磨き粉では主に虫歯予防を目的に使われていますが、肌に対しては保湿成分として知られています。
 「バリア機能をサポートする」とはどういうことか、ちょっとご説明しますね。前回お話ししたように、角層の中には細胞がレンガのように積み重なっていて、その細胞と細胞のすき間を細胞間脂質がセメントのように埋めています。細胞間脂質があることで、細胞同士が密着してきちんと整列し、バリアが形成されるわけです。
 細胞間脂質は、角層の下にある顆粒層の顆粒細胞の中のラメラ顆粒に貯蔵されています。ラメラ顆粒内の脂質は、肌のターンオーバー(新陳代謝)によって顆粒層から角層へと細胞が移行するときに細胞の外に放出され、角層内の細胞間脂質に供給されます。
 ただし、脂質の働きが鈍いと細胞間脂質への供給も滞り、バリア機能がうまく作られません。そこで着目したのが、キシリトールのもつ「脂質の働きを高める作用」です。研究を重ねた結果、キシリトールによってラメラ顆粒内の脂質が角層に押し出されやすくなり、角層の細胞間脂質へとスムーズに供給されることが確認できました(下図参照)。


※イメージ


※イメージ

八塩:顆粒層から角層へと脂質を押し上げるキシリトールの働きが、バリア機能の向上に直結しているのですね。
 バリア機能を作るためには水分だけではなく脂質が不可欠なのだということがよくわかりました。細胞と細胞のすき間を脂質で埋めてこそのバリアなのですよね。

海野:私たちの研究では、どのくらいの量のキシリトールを細胞に添加すれば脂質の働きが高まるのかということを、繰り返しデータを取って確認しています。肌に対しては、一定以上の量が必要ということになります。

肌の仕組みや成分の働きを理解して
自分と家族のすこやかな肌に役立てていきましょう

八塩:キシリトール以外にも、こうした脂質に関わる成分はあるのですか?

海野:細胞間脂質を構成する成分を直接、塗って補うという考え方もあります。
 乾燥などによって細胞間脂質が不足するとバリア機能の低下につながるため、細胞間脂質を補ってバリア機能を整えようというのが、これまでの考え方です。

八塩:キシリトールがバリア機能をサポートするアプローチなのに対して、他は肌の外側から「補う」アプローチなのですね。
 こうして肌のメカニズムやバリア機能をサポートする成分の働きなどを教えていただくと、肌に対する認識がぐんと深くなりますね。
 自分も家族もすこやかな肌を保つためには、私たち消費者が肌についての知識を身に着け、トラブルがあった時に適切に対処する力、つまり、スキンケアリテラシーを向上させていくことも大切なのかもしれませんね。

海野:最近はスキンケア商品の成分表示をじっくり読み込むなど、勉強熱心な消費者の方が増えているという印象があります。その背景には、アトピー性皮膚炎やアレルギーなどの肌トラブルが改善した後に、肌に合ったスキンケアがうまくできないという多くの悩みがあるのだと思います。
 私たちは今後も、どんな環境下でも良好なバリア機能を保つことができる商品開発を行いながら安全性を確かめ、安心してお使いいただける商品を世の中にお届けしたいと思っています。

八塩:肌の状態に合わせて正しいスキンケアを行うことで、すこやかな肌を目指すことができる。スキンケア商品にはそういう可能性があることがとてもよくわかりました。
 本日はどうもありがとうございました。

profile

八塩 圭子

フリーアナウンサー/東洋学園大学商学部准教授

1993年、テレビ東京入社。報道局経済部で記者を務めた後、同局アナウンス室に異動。2002年より法政ビジネススクールでマーケティングを専攻し、2004年に修了(MBA取得)。2003年、同局を退職しフリーアナウンサーとして活動を開始。テレビ、ラジオ出演の一方で、2006年から関西学院商学部准教授。その後、2009年から学習院大学経済学部経営学科特別客員教授としてアカデミックな分野でも活躍。

海野 佑樹

資生堂グローバルイノベーションセンター
アドバンストリサーチセンター 皮膚形態研究グループ

2014年、慶應義塾大学理工学部卒。2016年、同大学大学院・理工学研究科 前期博士課程修了。大学院時代は分子生物学を専攻。入社後は、主に表皮・角層の構造、メカニズムについての研究 を行なっている。キシリトールがもつバリア機能を高める機能について、またそのメカニズムについての研究にも携わっている。

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