1000の真実

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1000の真実

ケア方法を知る

顔、からだ、頭皮
3つのパーツ別・肌に負担をかけないケアのコツを教えます!
第1回 フェイスケア・前編
(クレンジング&洗顔対策)

肌のためによいと思って行っているケアが、実は肌に負担をかける要因になっている……。
そういうケースは少なくないと、アトピー性皮膚炎など肌に疾患をもつ多くの患者さんの肌を診ている野村皮膚科医院の野村有子院長は話します。
そこで、肌への負担を極力抑えながら、すこやかな状態に保つためのケアのコツを野村院長が伝授。顔、からだ、頭皮、それぞれのパーツごとにご紹介します。

知らず知らずのうちに間違ったケアをしていないか、まずはチェック!

下記の項目の中で、普段の自分の顔のお手入れに当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

  • □クレンジングのとき、顔のマッサージも一緒に行っている
  • □洗顔に使う泡は、多ければ多いほうがいいと思っている
  • □メイクなどの汚れが落ちにくいときは、きれいになるまで何分もかけて洗う
  • □すすぎは10回以上行っている
  • □化粧水はコットンでパッティングしながらなじませる
  • □肌の調子がいまいちのときこそ、化粧水+美容液+クリームなど、複数の保湿アイテム重ねづけするようにしている

いくつチェックした項目がありましたか?
実は上記のどの方法も、敏感肌や疾患後の肌にとっては刺激などのリスクを与える要因になります。
 もちろん、とくに肌にトラブルがない状態で行うのであれば問題がない方法も中にはありますが、弱くなっている肌にはできるだけ負担の少ない方法で日々のスキンケアを行うことが大切です。
 スキンケアの3本柱は、「STEP1洗浄」「STEP2保湿」「STEP3紫外線対策」。どのステップにも共通していえることは次の2つです。

〇こする、押し込む、叩き込むなど、肌に刺激を与えるようなケアは避ける

〇低刺激性で肌に負担をかけにくい「敏感肌用」のスキンケア商品を選ぶ

ではまず、「STEP1洗浄」のポイントからご紹介しましょう。

■STEP1 洗浄
クレンジングも洗顔も、肌を傷めないためには「量」を重視

【クレンジング】

メイクをした日は、まずクレンジングでメイクを落としてから洗顔を行いましょう(メイクをしていない日は、もちろんクレンジングは不要です)。
 敏感肌用のクレンジング剤にはジェルやクリーム、ミルクなどさまざまタイプがありますが、肌に刺激を感じないものであれば、使用感の好みなどで選んでOK。ただし、ふき取りタイプは肌をこすることになりやすいので避けて、洗い流せるものを選びましょう。
 何より重要なのは、パッケージや説明書などに表示されている使用量をきちんと守ること。一度に使うクレンジング剤の量が少ないために肌をゴシゴシこすることになり、結果的に肌を傷めているケースは少なくありません。クレンジングとマッサージを兼ねるのも、肌への負担になりやすいので控えた方がいいです。
 適正な量のクレンジング剤をやさしく肌になじませて、メイクの汚れがふっと浮き上がったらすぐに洗い流すことで、肌への負担を最小限に抑えることができます。

★クレンジングのポイント

1.マスカラやアイラインなどのアイメイクは、ポイントメイク専用のクレンジング剤をひたひたに含ませたコットンでやさしくなでるようにそっと落としましょう。

2.クレンジング剤を両手のひらに多めにとり、頬を包み込むようにじんわり当てます。次に額とあごも同様に手のひら全体を当てましょう。これだけでメイクを浮かせることができます。

3.小鼻の横や鼻すじは上下になぞります。目元や口元は指の腹でじんわり押さえて、クレンジング剤をなじませましょう。メイクが浮き上がったらすぐに洗い流します。何分もクレンジング剤を肌にのせたままにしないよう気をつけて。

そもそも敏感肌や疾患後の肌はメイクをしてもいいの?

かゆみや湿疹などの症状が強く、顔が腫れたり、肌の一部から膿みが出ているような場合にはメイクは控えるべきですが、それ以外の場合は基本的にメイクはOK。
ただし、クレンジングの際に肌にかかる負担が大きくなりやすいので、ウォータープルーフタイプのマスカラやアイライナーなどは避けましょう。
ファンデーションも、肌への密着度が高いリキッドタイプやクリームタイプなどは配合されている成分の数が多い傾向にあり、敏感な肌にとっては負担になる場合があります。

肌への負担が少ないパウダータイプのファンデーションを、清潔なパフやスポンジで肌に軽くのせるようにつけましょう。その際もファンデーションを肌にぐいぐい押し込むようにつけないよう気をつけて。
なお、ファンデーションをつけると刺激を感じるなど肌の調子がよくないときはベースメイクは一時的に中止して、眉やリップなどポイントメイクのみ行いましょう。

【洗顔】

「洗顔に使う泡は多ければ多いほどいい」。そんなふうに思っていませんか?
確かに適度な量の泡は手と肌の間のクッションのような役割を担うため、こすり洗いするなどの摩擦刺激から肌を守る効果が期待できます。

しかし、用法用量の範囲を超えた大量の泡を使って洗顔をすると、すすぎのときに泡が髪の生え際やフェイスラインなどに飛び散り、結果的にすすぎ残しにつながりやすいなど、洗い残しの原因になりやすいことがわかっています。

泡の量は、ホイップクリームが両手のひら全体に薄く均一に広がる程度を目安に。

○ 泡の量はこのくらいが目安

× このような手のひらいっぱいのモコモコ泡は敏感肌には多すぎ

泡は乾いた肌にいきなりのせるのではなく、まず水やぬるま湯で顔全体を軽く1~2回すすいでからスタートを。濡れた手のひらで洗顔料を軽く泡立て、きめ細かくクリーミーな泡を作り、肌にのせます。
泡状の洗顔料を使う場合は、表示されている量を守ることが大切です。

なお、夜は1日の肌の汚れを落とすために洗顔料を使った洗顔がおすすめですが、朝は肌が刺激を感じる場合は洗顔料は使わず、水またはぬるま湯で洗い流すだけでOK。ベタつきが気になる場合はその部分だけ洗顔料を使ってやさしく洗いましょう。

★洗顔のポイント

1.顔に泡をのせたら、泡を肌の上で軽くすべらせながら、やさしいタッチで円を描くように洗います。くれぐれも肌をこすらないよう注意し、指と肌の間に泡があるように心がけて。
顔全体を洗う時間はトータルで5~6秒が目安。

○ 泡の量はこのくらいが目安

× 肌が完全に隠れるくらいの泡の量は洗い残しの原因になりやすいので注意を

2.両手のひらに水またはぬるま湯をため、顔にパシャッ、パシャッとやさしくかけて泡を洗い流します。このときもこするようにすすぐのはNG。生え際などの洗い残しにも注意しながら、できれば5~6回、多くても10回までですすぎ終えるのが、肌に負担をかけない秘訣。

3.やわらかい肌触りのタオルで、肌をやさしく押さえて水分を吸収させます。ゴワゴワしたタオルでゴシゴシふき取るのは禁物。

疾患中の洗顔はどうすればいいの?

皮膚科などで治療を受けている場合は、日常のスキンケアについても医師に相談することが基本です。
 ジクジクした膿みが出るなど症状が悪化しているときは、洗顔料は使わず、水やぬるま湯でさっと流す程度にしたほうがよいでしょう。
 さらに症状が重い場合は、肌に水がかかるだけでもしみることもあります。そういうときは洗顔も中止を。どうしても肌の汚れが気になるときは、ぬるま湯に浸して絞ったタオルでやさしく肌を押さえるように拭く程度に留めましょう。

profile

野村 有子

野村皮膚科医院 院長

医学博士。皮膚科専門医。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部皮膚科教室に入局。水疱症や膠原病などの免疫的な病気、皮膚腫瘍の病理組織などの研究に携わる。その後、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科でアトピー性皮膚炎を始めとするさまざまな皮膚の病気の診断・治療を行い、1998年に野村皮膚科医院を開院。一人ひとりの患者を大切にした丁寧な診察や、治療やスキンケアなどのきめ細やかな指導に定評がある。

野村皮膚科医院
〒221-0825
神奈川県横浜市神奈川区反町4-27-14チャリオタワー2F(Google map
WEBサイト:http://www005.upp.so-net.ne.jp/windy/

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