1000の真実

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1000の真実

ケア方法を知る

顔、からだ、頭皮
3つのパーツ別・肌に負担をかけないケアのコツを教えます!
第2回 フェイスケア・後編
(保湿&紫外線対策)

肌のためによいと思って行っているケアが、実は肌に負担をかける要因になっている……。
そういうケースは少なくないと、アトピー性皮膚炎など肌に疾患をもつ多くの患者さんの肌を診ている野村皮膚科医院の野村有子院長は話します。
そこで、肌への負担を極力抑えながら、すこやかな状態に保つためのケアのコツを野村院長が伝授。顔、からだ、頭皮、それぞれのパーツごとにご紹介します。

洗顔後はすぐに保湿、メイクの前には日やけ止めを塗るのが基本

スキンケアの3本柱、「STEP1洗浄」「STEP2保湿」「STEP3紫外線対策」。
前編のクレンジング&洗顔に続いて行う保湿、そして朝の保湿後の紫外線対策のポイントについてご紹介します。

■STEP2 保湿
肌を叩いたり、こすったりするのはNG。「手パック」でやさしく浸透を

敏感肌や疾患後の肌は角層のバリア機能が乱れ、乾燥しやすい状態にあります。
 とくに洗顔後は時間を置くほど肌のうるおいが失われて乾燥してしまいますので、できるだけ早く保湿ケアを行うことが大切です。
さらに次の2つも重要です。

〇化粧水や乳液、クリームなどの保湿アイテムは「適正な量」を使う

〇保湿アイテムを肌になじませるときは、叩き込んだり、こすったりしない

肌のトラブルを抱えている患者さんに、普段行っているスキンケアの方法を診察の際に見せてもらうと、肌に塗布する保湿アイテムの量が非常に少ないケースが目立ちます。
 また、化粧水を肌につけるときに何分にもわたってパッティングしたり、乳液やクリームなどをなじませるときに肌を強くこすったりしている人も少なくありません。
 自ら肌を乾燥させ、傷めてしまう原因になりかねないので、心当たりのある人はすぐに改めましょう。
 肌につける量は、まずは、保湿アイテムのパッケージなどに表示されている使用量を守るのが基本です。それでもまだ乾燥が気になる部分がある場合は、その部分にだけ、さらにプラスして重ねづけしましょう。
 また、指だけでなじませようとすると、つい局所に力が入って肌をこすることになりがちです。手のひら全体を使って肌を包み込むように「手パック」すると、肌に負担をかけることなくすみずみまでうるおいを与えることができます。

保湿ケアは、化粧水で肌に水分を与えた後に、クリームなどの油分を補い、うるおいのバランスを整えるのが基本です。
 ただし、化粧水をつけるとしみたりするような場合は、敏感肌用のクリームなどで油分を補うだけでOK。バリア機能が改善し、肌が回復してきたら敏感肌用の化粧水をプラスしましょう。
 また、保湿アイテムのひとつに美白やアンチエイジングなど目的に応じた美容液などもありますが、こうしたものは肌の状態が落ち着いてトラブルが起きなくなってから使うのがおすすめです。
 使用する化粧品の数が多くなるほど、弱っている肌にとってはリスクを高める要因になります。毎日使う保湿アイテムは1~2品程度に抑えるのがベストです。

★化粧水のなじませ方ポイント

1.化粧水のパッケージなどに記載されている規定の量を、清潔な手のひらにとります。その後、もう一方の手のひらを重ね、両手に化粧水を広げます。

2.手のひら全体で顔をパックするようにやさしく肌を押さえながら化粧水をなじませていきます。まずカサつきやすい頬になじませた後、額やあごのまわりなどにも同様になじませましょう。
 コットンではなく手でなじませることで肌への負担を軽減できるほか、その日の肌の状態も自分自身で把握しやすくなります。どんなときに肌が敏感になりやすいのか自分で認識できるようになることで、より適切に予防や対策も行えるようになることが期待できます。

★クリームのなじませ方ポイント

1.クリームのパッケージなどに記載されている規定の量を手にとり、額、両頬、鼻、あごに少量ずつのせます。

2.手のひら全体を使い、顔の中心から外側に向かってさっと伸ばします。肌を強く押したり、こすったりしないよう気をつけましょう。
  顔全体を塗り終えた後、目元や口元などカサつきが気になる部分のみ、さらに少量ずつ重ねて塗ります。
  なお、つけた後に肌がベタベタになるのは塗る量が多すぎるサイン。乾燥しやすい敏感肌や、疾患後の肌でも、ベタつくとニキビの原因になる場合があるので気をつけましょう。

一方、乾燥がひどい肌は「気持ち多め」くらいの量を意識したほうがちょうどよい場合も。とくに夜は十分に保湿をすることで翌朝の肌がしっとり整いやすくなります。

疾患中の保湿ケアはどうすればいいの?

湿疹やかゆみ、膿みなどがある部分は薬で治療し、それ以外の部分は保湿ケアを行うというのが基本的な考え方です。疾患中の肌はバリア機能が壊れているため、それを改善するためにも保湿ケアは重要なのです。
 ただし、どんな保湿剤を使って、どのようにケアをするのかということは医師に必ず相談を。皮膚科やクリニックなどで扱っている保湿剤にもさまざまな種類がありますが、患者さんの肌の状態を見極めたうえで医師が処方しています。適切な治療とケアが、疾患中の肌をよい状態に導くために不可欠です。

■STEP3 紫外線対策
規定の量の日やけ止めをムラなく塗ることが大切

朝は、保湿ケアの後に必ず日やけ止めを塗りましょう。紫外線が強くなる春先から夏にかけての時期だけ塗るのではなく、一年を通して習慣にすることが大切です。
 「今日は日差しがそれほど強くないから、日やけ止めを塗らなくても大丈夫」と思うこともあるかもしれませんが、紫外線は常に降り注いでいます。バリア機能が低下している敏感肌や疾患後の肌にとっては、知らず知らずのうちにさらなる乾燥を引き起こしたり、刺激などを感じやすくなる要因になる場合があります。
 また、紫外線の影響が長期間にわたって肌の中に蓄積すると、シミやシワなどの原因にもなります。肌をいつまでも若々しく保つためにも紫外線対策は重要です。
 なお、日やけ止めには紫外線吸収剤が配合された「ケミカル」タイプと、紫外線散乱剤が配合された「ノンケミカル」タイプがあります。ケミカルタイプは敏感肌や疾患後の肌にとっては刺激になる場合があるので、ノンケミカルタイプがおすすめです。「敏感肌用」と表記されているものを選びましょう。
 日やけ止めの効果をしっかり得るためには、パッケージなどに記載されている使用量をきちんと塗ることも大切です。また、効果を保つため、説明書に従って、一定時間たったら塗り直してください。

★日やけ止めの塗り方ポイント

規定の量の日やけ止めを、額、両頬、鼻の上、あごに分けて置き、顔の中心から外側に向かってやさしく塗り広げます。ムラにならないよう、まんべんなく塗りましょう。ただし、あくまでも肌をこすらないよう注意を。
 メイクをする場合はこの後に行います。

疾患中の紫外線対策はどうすればいい?

疾患中も紫外線対策は必要ですが、どんな日やけ止めをどのように塗るかといった具体的な方法は医師に相談しましょう。
 肌に湿疹や膿みなどがあり、日やけ止めを塗ることができない場合は、外出の際はできるだけ日陰を歩くようにしたり、帽子や日傘などを利用し、物理的に紫外線をカットする対策をとりましょう。

疾患後の肌に合う化粧品を見つけるためにはどうすればいい?

適切な治療やホームケアで肌の状態が改善してきたら、化粧品のサンプルをもらって少しずつ試してみることから始めましょう。
 化粧品のサンプルは顔全体につけると、肌に合わない場合のリスクが高くなるので、部分的に試すのがコツ。まず、顔の半分のみに3~4日続けてつけてみて、肌の様子を見ます。サンプルを使用してるほうが使用していないほうに比べて肌の調子が良ければ、そのサンプルは肌に合っているといえます。
 サンプルをつけていないほうの肌と比較することで、自分の肌に合うかどうかが判断しやすくなります。

profile

野村 有子

野村皮膚科医院 院長

医学博士。皮膚科専門医。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部皮膚科教室に入局。水疱症や膠原病などの免疫的な病気、皮膚腫瘍の病理組織などの研究に携わる。その後、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科でアトピー性皮膚炎を始めとするさまざまな皮膚の病気の診断・治療を行い、1998年に野村皮膚科医院を開院。一人ひとりの患者を大切にした丁寧な診察や、治療やスキンケアなどのきめ細やかな指導に定評がある。

野村皮膚科医院
〒221-0825
神奈川県横浜市神奈川区反町4-27-14チャリオタワー2F(Google map
WEBサイト:http://www005.upp.so-net.ne.jp/windy/

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