1000の真実

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1000の真実

ケア方法を知る

顔、からだ、頭皮。
3つのパーツ別・肌に負担をかけないケアのコツを教えます!
第3回 ボディケア編

肌のためによいと思って行っているケアが、実は肌に負担をかける要因になっている……。
そういうケースは少なくないと、アトピー性皮膚炎など肌に疾患をもつ多くの患者さんの肌を診ている野村皮膚科医院の野村有子院長は話します。
そこで、肌への負担を極力抑えながら、すこやかな状態に保つためのケアのコツを野村院長が伝授。顔、からだ、頭皮、それぞれのパーツごとにご紹介します。

からだの乾燥はかゆみを引き起こすもと
乾燥を防ぐからだの洗い方や保湿法を覚えましょう

下記の項目の中で、普段の自分のからだのケアに当てはまるものをチェックしてみましょう。

  • □からだを洗うときは、ゴシゴシ洗えるナイロンタオルを愛用している
  • □バスタイムはほとんどシャワーのみで、湯船に浸かることはあまりない
  • □入浴のときは熱めのお湯にゆっくり浸かることが多い
  • □入浴後はすぐに衣類を着用。からだの保湿は肌がしっかり乾いてから行う
  • □寒がりなので冬場の肌着は肌ざわりより、保温性など機能性を重視している

もし1つでも当てはまる項目があるなら要注意。いずれも敏感肌や疾患後の肌にとっては刺激などのリスクとなる可能性が高いためです。
 からだのケアも顔と同じように、「洗浄」と「保湿」「紫外線対策」が基本です。さらに入浴方法や肌に直接触れる肌着類の素材選びも大切。それぞれのポイントについてご紹介します。

■からだの洗浄
ゴシゴシこすり洗いは厳禁。泡でやさしく洗いましょう

からだは顔以上に「ゴシゴシ洗ったほうが汚れがよく落ちる」と思って力が入りやすくなりがち。しかし、こすり洗いが肌に負担をかける原因になるのは、顔もからだも同じです。
肌にやさしく泡をなじませたら、お湯でさっと流しましょう。

★からだの洗い方ポイント

1. 敏感肌用の石けんやボディソープを泡立てて肌にのせ、手またはやわらかい綿や絹などの素材のタオルで、こすらないようやさしく洗います。

2. 泡を洗い流すときは、シャワーよりも湯船のお湯を洗面器などにくんでかけるのがおすすめ。シャワーの水圧や、水道水に含まれる塩素による刺激などを避けることができるためです。かけ湯をする場合も、いきなりバシャッとかけるのではなく、やさしくかけるようにしましょう。

■入浴
39~40℃のぬるめのお湯に10~15分程度浸かるのが目安

入浴ではお湯の温度が重要なポイントになります。湯温が42℃を超えると肌のかゆみセンサーが働き、かゆみが生じやすくなるので気をつけましょう。湯船のお湯も、またシャワーを使う場合の温度も、39~40℃程度のぬるめが理想的です。また、あまり長い時間お湯に浸かると、肌の水分やうるおい成分が流出し、乾燥しやすくなるので要注意。肌がほてって赤くならない程度のタイミングで湯船から出るようにしましょう。時間は10~15分程度が目安になります。

■からだの保湿ケア
入浴後、できるだけ早く全身にうるおい補給を

敏感肌や疾患後の肌は、乾燥によるかゆみが生じやすい傾向にあります。とくに手やすね、腰、背中などはかゆみが出やすい部位。自分ではなかなか肌の乾燥に気づきにくい場合も多いので、入浴後の保湿ケアを習慣にしましょう。
 乾燥を防ぐためには、お風呂から出たらできるだけ早くボディローションやクリームなどを塗ることが大切。入浴後は秒刻みで水分が蒸発し、15分以上放置するとより乾燥した状態になりやすくなります。

 時間がないときなどは、お風呂上がりにローションだけさっとからだ全体になじませておいて、手やすねなどカサつきやすい部分は就寝前などに改めてゆっくりクリームを塗るのもおすすめです。

★からだの保湿ケアポイント

1.お風呂から上がったら、やわらかい素材のタオルで肌をやさしく押さえるように水分をふき取ります。ゴシゴシふき取るのは避けましょう。

2.入浴後、遅くとも15分以内にボディローションやクリームなどを全身になじませましょう。すねや腰まわり、背中などカサつきやかゆみが出やすい部分はとくに念入りに。手のひら全体で肌をなでるようにやさしくなじませて。

■肌着の選び方
肌当たりのよさが第一。素材や縫製の仕方などもチェックを

肌に直接触れる肌着などの衣類は、やわらかくて肌当たりがよく、刺激を感じないものがベストです。綿や絹などの自然素材は肌に負担をかけにくいのでおすすめ。保湿性や吸湿性にも優れているので、肌の乾燥を防ぐ効果も期待できます。

 反対に、肌に刺激を与える可能性のある化学繊維などは避けましょう。とくに発熱効果などの機能性をうたった肌着は、逆に汗がこもる原因になることも。汗を長時間放置しておくと、からだのニキビやアレルギー、かゆみなどを引き起こす場合もあります。乾燥しやすい敏感肌や疾患後の肌にもかかわらず、冬でも背中などにニキビができてしまうというような場合には、肌着の素材を見直すことも大切です。

 また、きついゴムやワイヤーなどによる締め付けや、タグや縫い目などが肌に当たることなども肌に刺激を与える要因のひとつです。最近はゴムやワイヤーを使用していない肌着や、タグや縫い目のない肌着なども増えています。こうした肌にやさしい肌着を選び、身につけるようにしましょう。
 なお、洗濯用の洗剤も肌に刺激を与える可能性のある合成洗剤や香料入りのものは避けるのがベターです。

疾患中のボディケアはどうすればいいの?

湿疹やかゆみ、膿みなどの症状がある場合のボディケアについては医師に相談し、医師の指導に沿ったからだの洗い方や保湿ケア、入浴法などを実践しましょう。
 からだの洗浄については、患部が膿んでジクジクしているような場合には、石けんやボディソープは使わず、濡れタオルでやさしく拭く程度にするのが基本です。
 まったく洗わない日が何日も続いてしまうと垢がたまる原因になるので、できる範囲で清潔を心がけましょう。
 保湿ケアは疾患中でも重要です。適切な保湿によって低下したバリア機能を回復させることが、肌の症状の改善にもつながるためです。医師が処方する保湿剤を正しく使うことが大切です。

 症状が落ち着いて湿疹やかゆみなどがなくなってきたら、医師に相談しながら市販の敏感肌用の保湿アイテムなどに徐々に切り替えていくとよいでしょう。適切な保湿ケアを行うことで、疾患後の肌の状態をすこやかに保つことが可能です。その段階を目指して疾患中はまず治療に専念しましょう。

profile

野村 有子

野村皮膚科医院 院長

医学博士。皮膚科専門医。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部皮膚科教室に入局。水疱症や膠原病などの免疫的な病気、皮膚腫瘍の病理組織などの研究に携わる。その後、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科でアトピー性皮膚炎を始めとするさまざまな皮膚の病気の診断・治療を行い、1998年に野村皮膚科医院を開院。一人ひとりの患者を大切にした丁寧な診察や、治療やスキンケアなどのきめ細やかな指導に定評がある。

野村皮膚科医院
〒221-0825
神奈川県横浜市神奈川区反町4-27-14チャリオタワー2F(Google map
WEBサイト:http://www005.upp.so-net.ne.jp/windy/

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