1000の真実

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1000の真実

ケア方法を知る

顔、からだ、頭皮。
3つのパーツ別・肌に負担をかけないケアのコツを教えます!
第4回 スカルプ & ヘアケア編

肌のためによいと思って行っているケアが、実は肌に負担をかける要因になっている……。
そういうケースは少なくないと、アトピー性皮膚炎など肌に疾患をもつ多くの患者さんの肌を診ている野村皮膚科医院の野村有子院長は話します。
そこで、肌への負担を極力抑えながら、すこやかな状態に保つためのケアのコツを野村院長が伝授。顔、からだ、頭皮、それぞれのパーツごとにご紹介します。

間違ったシャンプーが頭皮を乾燥させ
フケやかゆみなどの原因になることも!

下記の項目の中で、普段の自分の頭皮のケアに当てはまるものをチェックしてみましょう。

  • □シャンプー剤は手で泡立てず、直接頭皮や髪につけてから泡立てている
  • □朝も夜もシャンプーすることがある
  • □一度洗いでは汚れが落ちないような気がするので、二度洗いしている
  • □コンディショナーやトリートメントは髪の根元から毛先までたっぷりなじませる
  • □髪を傷めたくないのでドライヤーは使わず、自然乾燥させている

顔やからだが乾燥しやすい敏感肌や疾患後の肌は、頭皮も乾燥しがちです。上記の項目はいずれも頭皮の乾燥を悪化させる要因になる、誤ったケア法です。該当する項目があった人はぜひ、いつものシャンプーの仕方やヘアケアを見直してみましょう。
 過度の頭皮の乾燥は、顔やからだと同様にかゆみや湿疹などのトラブルを引き起こすことがあります。かゆいからと頭皮を掻くことで角層がはがれ、フケとなってポロポロ落ちてくるというケースも少なくありません。

敏感肌や疾患後の肌は、乾燥によるかゆみが生じやすい傾向にあります。とくに手や脚のすね、腰、背中などはかゆみが出やすい部位。自分ではなかなか肌の乾燥に気づきにくい場合も多いので、入浴後の保湿ケアを習慣にしましょう。
 乾燥を防ぐためには、お風呂から出たらできるだけ早くボディローションやクリームなどを塗ることが大切。入浴後は秒刻みで水分が蒸発し、15分以上放置するとより乾燥した状態になりやすくなります。また、フケやかゆみがながく続くと、抜け毛のきっかけにもなりますので、注意が必要です。

■シャンプー
シャンプー前のブラッシングと予洗いで
頭皮と髪の汚れの大半は落とせます

シャンプーを始める前に、ブラッシングと予洗いを必ず行いましょう。このひと手間をプラスすることで使用するシャンプー剤も少量で済み、頭皮に負担をかけることなく効率よく汚れを落とすことができます。

★シャンプーのポイント

1.まずブラッシングして髪のもつれなどをほどきながら、髪についたほこりや汚れを落としていきます。
 毛先から髪の中間、髪の中間から根元へと少しずつブラシを移動させながらとかすと、髪のダメージ予防につながります。

2.次に予洗いを行います。39~40℃くらいのぬるめのシャワーで頭皮から毛先まで丁寧に洗い流しましょう。シャンプー剤を使わなくても、これだけで頭皮や髪の汚れの大半を落とすことができます。
 ただし、水圧の強いシャワーを頭皮の一部分に当て続けたり、頭皮を指でゴシゴシこすったりしないよう気をつけましょう。
 頭皮が乾燥し、かゆみなどがある場合はとくにやさしく洗い流すことが大切です。

3.予洗いを終えたらシャンプー剤を適量手のひらにとり、両手で泡立てます。その泡を頭皮全体にのせてから洗い始めましょう。シャンプー剤を頭の上で直接泡立てようとすると、原液が頭皮に刺激を与える原因になりかねないので注意を。また、爪を立ててゴシゴシ洗うのも頭皮を傷めるもと。指の腹を使ってやさしく洗うことを心がけましょう。

4.シャンプーの泡をしっかりすすぎ落とします。シャワーの温度は予洗いのときと同じ39~40℃くらいのぬるめがベスト。
 なお、シャンプーのすすぎ残しは、頭皮はもちろん、顔の乾燥やかゆみなどのトラブルの要因になる場合があります。  髪の生え際やあごの下、首すじなどは泡が残りやすいので、とくに念入りにすすぐようにしましょう。

■コンディショナーまたはトリートメント
傷みやすい毛先を中心になじませましょう。
頭皮にはつけないよう気をつけて

コンディショナーやトリートメントは髪をコーティングしてまとまりやすくする、髪内部のダメージを補修するなど、髪そのもののケアを目的にしているものが主体です。配合されている成分が頭皮にとっては負担となったり、毛穴を詰まらせる原因になる場合もあるので、頭皮にはつけず、髪のみに使用しましょう。

★コンディショナー、トリートメントの使い方ポイント

コンディショナーやトリートメント適量を手のひらにとり、髪の中間から毛先にかけてなじませます。
 パッケージに放置時間が記載されている場合は、その時間を置いてからすすぎます。髪の生え際や耳の後ろなどは、コンディショナーやトリートメントが残りやすい部分です。洗い残しがないように、きちんとすすぐようにしましょう。

■頭皮と髪を乾かす
タオルドライを十分に行ってドライヤーを当てる時間を短縮!

コンディショナーやトリートメントをすすぎ終えたら、頭皮と髪をしっかり乾かして終了です。

「ドライヤーを使うとますます頭皮が乾燥するのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、頭皮が湿っている状態が長時間続くほうが問題です。頭皮が蒸れてかゆくなったり、頭皮の角層がふやけてさらにフケが出やすくなったりする場合があります。
 ただし、ドライヤーをかける時間が長くなるほど、頭皮や髪への負担が大きくなりやすいのも事実。まずタオルドライで十分に水分をふき取っておくことが、ドライヤーの時間短縮につながります。

★シャンプーのポイント

髪を軽く絞って、ある程度水気を切ってから、乾いたタオルで頭皮や髪の水分をそっと吸収させます。タオルの素材は肌当たりのよいやわらかなものがおすすめ。タオルの上から頭皮をガシガシこすったり、髪同士を摩擦させるような動作は避けましょう。
 髪から水分がほとんど出なくなったら、ドライヤーで仕上げを。まず頭頂部から温風を当て、頭皮をしっかり乾かします。その後は髪の根元から毛先に向かって乾かしていきましょう。髪が全体的に乾いたら、最後に冷風を当てます。これで髪表面のキューティクルが引き締まり、つややまとまりやすさがアップします。

疾患中のシャンプーはどうすればいい?

顔やからだと同じように、シャンプーの方法についても医師に相談することが大切です。
 なお、これは疾患中の肌に限りませんが、朝も夜もシャンプーしたり、シャンプーのたびに2度洗いしたりするのは明らかに洗いすぎ。

頭皮が乾燥しやすく、かゆみやフケなどの症状がある場合は、シャンプー剤を使わず、ぬるま湯による素洗いで済ませる日が2日に1回程度あっても構いません。自分の頭皮の状態も常に意識するようにしましょう。

profile

野村 有子

野村皮膚科医院 院長

医学博士。皮膚科専門医。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部皮膚科教室に入局。水疱症や膠原病などの免疫的な病気、皮膚腫瘍の病理組織などの研究に携わる。その後、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科でアトピー性皮膚炎を始めとするさまざまな皮膚の病気の診断・治療を行い、1998年に野村皮膚科医院を開院。一人ひとりの患者を大切にした丁寧な診察や、治療やスキンケアなどのきめ細やかな指導に定評がある。

野村皮膚科医院
〒221-0825
神奈川県横浜市神奈川区反町4-27-14チャリオタワー2F(Google map
WEBサイト:http://www005.upp.so-net.ne.jp/windy/

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