乾燥・シミ...気になる肌悩み別!レスキュー食材辞典

「そろそろ季節も変わり目、新しい服でも買おうかな♪」と思い始める時期ですが、おしゃれの前に肌の乾燥を感じている人も多いのでは? ダメージを受けた肌は、外側からのお手入れはもちろん、内側からもケアしてあげると回復力がメキメキとアップするのだとか。そこで今回は、肌と身体の内側の美しさについて資生堂ビューティー&ヘルスケアアドバイザーの中野三津子さんに、肌ヂカラを高めるインナーケア方法を伺いました。
Q)現在絶賛、肌メンテナンス中です。外側のケアはもちろん、食べ物にも気を使いたいのですが、かさつきや美白に効果的な食材はありますか?
A)タンパク質で土台をつくり、肌悩みに合わせて食材を取り入れるのが基本です。
タンパク質×美肌ビタミンで、肌の基礎力を高めましょう!
まず、みなさんに意識していただきたいのは、肌の基となる細胞をつくっているのは「食事」だということ。肌の質を高めたいなら、よい食事を摂ってよい細胞をつくることが必要です。肌は手間をかけた分、それに応えてくれるもの。内側からも外側からも手間を惜しまないことがキレイへの近道です。
集中ケアを始める前に...食事の基礎をチェック!
肌をつくる「タンパク質」がちゃんと摂れていますか?
「肌はタンパク質でできている」と知っている人もいると思いますが、みなさん1日どのぐらいのタンパク質を食べていますか? というのも、「タンパク質」こそ、肌をつくる基礎となる重要な栄養素。肌のケアは、基礎が成り立ってこそ成分が生きてくるものなので「○○が肌によい」とお伝えしても、基礎が乱れていたら意味がありません。
タンパク質は、「乳・乳製品、卵、肉、魚、大豆・大豆製品」の5つのグループが主な食材。
成人女性が1日に必要なタンパク質は約50gとされていて、それを摂取するには、以下の量を毎日の食事で取り入れることが大切です。
<一日に必要なタンパク質量の目安>
- 牛乳...200cc
- 卵...1個
- 肉...約70g
- 魚...1切れ
- 納豆...1パック
意外と量が多いと感じた方もいるのではないでしょうか? できれば肉などに偏らず、1食につき5つのグループの中から2つ摂ると不足せずにすみます。旬のものは栄養価が高いと言われているので、身体も肌も喜ぶし、心も豊かになりますよ。
1. 乾燥には「ヒアルロン酸」と「D-アミノ酸」・「セラミド」!
- 真皮の保湿ケアには、「ヒアルロン酸」を
- 表皮の保湿には、肌のバリア機能を高める「D-アミノ酸」と「セラミド」を
肌の乾燥は「表皮の乾燥」と「真皮の乾燥」に分けられます。真皮の保湿は、皆さんご存じの「ヒアルロン酸」がおすすめですが、表皮の保湿ケアにはD-アミノ酸とセラミドが◎。D-アミノ酸は肌のバリア機能を高める役割がある注目の成分で、黒酢・ヨーグルトなどの発酵食品やかぼちゃ・バナナ・アボカドなどに含まれています。セラミドは生芋こんにゃくやブロッコリーなどに含まれています。
2. 美白には、王道の「ビタミンC」と「抗酸化成分」!
- 一度にビタミンCを摂るなら1,000mgまで
- 効果的にビタミンCを摂りたい場合は切りたて&洗いたてがベター
- ほうれん草やブロッコリー、レバーに含まれている、α-リポ酸は、抗酸化成分の最上位
通常の生活をしていてもビタミンCは消費してしまうので、毎食摂るのがベストです。ちなみに、野菜に含まれるビタミンCは、洗ったり切ったり、また時間の経過とともに減少してしまいます。「サラダは自分でつくり、つくりたてを食べる」のがおすすめ。
抗酸化成分で摂りたい「アスタキサンチン」「リコピン」「α-リポ酸」。鮭などの赤い魚介類に多く含まれるアスタキサンチンやトマトに多いリコピンは、メラニンのベースになる一重項酸素を消去する働きがあります。
3. 肌のターンオーバーを正常に整えるには「ビタミンA」!
- ビタミンAは油と一緒に摂ると吸収率UP!
- カロテンやβ-クリプトキサンチンは、体内でビタミンAに変わってくれる役割も
できてしまったメラニンは、ターンオーバーを整えて排出させるのが大切! ビタミンAはレバーやうなぎ、卵に豊富に含まれています。カロテンはにんじんやかぼちゃなど緑黄色野菜、β-クリプトキサンチンは温州みかんや干し柿に含まれます。
4. 肌荒れには、「ビタミンB2」と「ビタミンB6」!
- 口周りの肌のかさつきや口角の荒れ、涙目、舌の荒れ・痛みを感じたら、それはビタミンB2が不足しているサイン!
- ビタミンB6には皮脂分泌抑制作用があり、肌表面の美しさに直結
ビタミンB2は納豆に、、ビタミンB6はマグロやカツオ、ブリ、赤身の牛肉、バナナに多く含まれています。
5. 肌の基礎力に「コエンザイムQ10」!
- 心臓や肝臓など、生命活動に必要な細胞に多く含まれる大切な成分
- 20歳を境に年齢とともに減少するので、食事からきちんと摂取して
肌の基礎力をきちんとつければ、肌の回復力もアップするし、外からの影響を受けにくくなります。そこで摂取したいのがコエンザイムQ10。イワシ・サバ・牛肉・豚肉・ピーナッツ・ほうれん草などに含まれています。
身近な食材でつくる、美肌レシピをご紹介!
肌の悩みに効果的な栄養素がわかったら、実際に料理に取り入れてみましょう。おすすめのレシピを3つご紹介します。
1.<乾燥に>アボカドスムージー
<材料>(2人分)
- アボカド ...... 1個
- キャベツ ...... 100g
- りんご ...... 1.5個
- はちみつ ...... 大さじ1
<つくり方>
1. アボカドは皮と種を取り、適当な大きさに切る。キャベツも適当な大きさに切る。 2. 全ての材料をミキサーに入れてかくはんする。
POINT!
アボカドには、肌のバリア機能や保湿機能を高める働きがあるD-アミノ酸が含まれています。
2.<シミに>さつま芋とりんごのホットスープ
<材料>(2人分)
- さつま芋 ...... 1本(約200g)
- 玉ねぎ ...... 1/2個
- りんご ...... 1個
- バター ...... 小さじ2強
- 水 ...... 450ml
- 塩・こしょう ...... 各少々
- ローリエ ...... 1枚
<つくり方>
1. さつま芋は皮をむき、5mmの厚さに切り、水に放してアクを抜く。玉ねぎは薄切りにする。りんごは皮をむき、くし形切りにして、さつま芋と同じように5mm厚さに切り、塩水に入れて変色を防ぐ。 3. 鍋にバターを熱し、玉ねぎを炒める。さつま芋・水・ローリエを加えて、さつま芋が柔らかくなるまで煮る。 4. りんごを加えてひと煮立ちしたらローリエを取り出し、ミキサーにかける。鍋に戻して温め、塩・こしょうで味を調える。
POINT!
- さつま芋にはビタミンCが多く含まれています。ビタミンCは、メラニンがつくられるのを抑え、濃くなったメラニンを薄くする働きがあります。
- 抗酸化作用の高いポリフェノールの「プロシアニジン」はりんごの果肉に、「アントシアニン」は赤い皮に多く含まれています。よく洗って皮ごと食べるのがベストです。
3.<かさつきに>たっぷりにんじんサラダ
<材料>(2人分)
- にんじん ...... 2/3本
- ささ身 ...... 1本
- 塩 ...... 少々
- 酒 ...... 少々
- しめじ ...... 1パック
- くるみ ...... 少々
<ドレッシング>
- 白ごま ...... 大さじ1 + 1/2
- マヨネーズ ...... 大さじ1 + 1/2
- 醤油 ...... 大さじ1
- 水 ...... 大さじ1
- 酢 ...... 小さじ2
- サラダ油 ...... 小さじ2
<つくり方>
1. にんじんはせん切りにして水にさらす。 2. ささ身は塩と酒を振り、ラップをかけて電子レンジ600Wで90秒加熱し、冷めてから手でほぐす。しめじもラップをかけて電子レンジで600Wで60秒加熱し、ほぐす。くるみは粗みじんに切る。 3. レッシングの材料全てをミキサーに入れ、攪拌する。 4. にんじん・ささ身・しめじを混ぜて器に盛り、食べる直前にドレッシングをかけて、くるみをトッピングする。
POINT!
にんじんに含まれるα-カロテン・β-カロテンは、必要に応じて体内で肌の生まれ変わりをスムーズにするビタミンAに変わります。
いかがでしたか? 内側&外側のタブルケアで、ますます女に磨きをかけて、メイクやファッションを思いっきり楽しみましょう!
お話を伺ったのは...
資生堂ビューティー&ヘルスアドバイザー・中野 三津子さん
栄養・美容・食物に関するビューティー&ヘルスアドバイザーとして講演や雑誌などの取材の対応や、内面美容の情報開発や美肌レシピの開発を担当している。
photo:shutterstock(1枚目)
●当記事は、編集部取材に基づいた情報です。また、個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用ください。