あなたの靴ができるまで

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Part 2職人の技が“上質な一足”を生み出す

ショップでオーダーされたシューズは、職人たちの手によって、一足一足丁寧に仕上げられていく。今回、靴づくりの工程を見せてくれたのは、「トレーディングポスト」が絶対の信頼をおく、都内の製作所。知るほどに「システムオーダーシューズ」への思いが深まる、靴づくりの工程、ご覧あれ。

細かな技の積み重ねが、全体の佇まいを決める

取材に応じてくれたのは、靴職人の浜野律朗さん。彼は、「縫い目のひとつを取っても、職人の個性や腕が見えてくる。細かな部分へのこだわりが、全体の佇まいを決めるんです」と語る。それゆえ、この製作所では、流れ作業ではなく、「つり込み」から「すくい縫い」までの最も重要な工程を、一人の職人が担当。より職人の技を感じることができる靴づくりを行っているという。

「職人は生涯勉強」という田中さんをはじめ、製作所で働いているのは、約15人の職人たち。彼らが1日に生み出す靴は、40足に満たないという。せわしない時代のなかで、手間をかけ、質で勝負をする職人たち。長く愛することができる上質なシューズが生み出されるのは、彼らの高い技術と靴づくりへの愛があってこそだ。

システムオーダーシューズの職人1

システムオーダーシューズの職人2

システムオーダーシューズの職人3

システムオーダーシューズの職人4

システムオーダーシューズの職人5

システムオーダーシューズの職人6

「グッドイヤー製法」の靴ができるまで

Step1 革を裁断する

「ぬき型」と呼ばれる刃物で、革をパーツごとに裁断。デザインにもよるが、一足の靴で、9つものパーツを必要とする。ここでは、革の伸びやすい方向を考慮しながら行うことが不可欠だ。

Step2 アッパーを縫製する

「製甲」と呼ばれる過程。革の各パーツをミシンで縫い合わせていく。平面的なパーツが組み合わさり、だんだんと立体的な形に……。

Step3 木型を入れ、中底をつける

木型を入れ、アッパーと中底を一体化させていく。「つり込み」と呼ばれるこの作業で欠かせないのは、革の種類ごとの性質を理解し、それぞれに合わせた力加減で作業を行うこと。職人の経験と腕が、履き心地を左右する。

アッパーを縫製する
木型を入れ、中底をつける

Step4 「ウェルト」をつけ、中底を完成させる

画像の染色されていない革の部分が、「ウェルト」と呼ばれる細い帯状のパーツ。これを、アッパーと中底の周囲に、「すくい縫い」でつけていく。次いで、中底にコルクを入れ込む。靴づくりのなかで、この工程があるのは「グッドイヤー製法」のみ。最も手がかかる製法だが、その分、堅牢で履き心地のいいシューズができ上がる。

「ウェルト」をつけ、中底を完成させる1
「ウェルト」をつけ、中底を完成させる2

Step5 靴底をつける

革の靴底をつける際は、革の表面を薄くはぎ、その下を「出し縫い」でつけていく。縫い終えたら、はいだ革を元に戻してのりづけ。縫い目を隠すことで、より高級感のある靴底に仕上がる。その後、ヒールをつけ、靴底に色を塗れば、靴底の完成だ。オーダーによっては、靴底の縫い目を見せるデザインに仕上げたり、ゴムの底を使用することも。

Step6 アイロンをかけて、完成!

靴底まで完成したら、木型を入れたままある一定期間置き、革に形状を記憶させる。その後、木型を抜き、仕上げの作業に。アイロンがけやクリームを塗り込むこの工程は、一足に約1時間もの時間をかけ、丁寧に行われる。デザインによって、革に色味を加えることも。革の質感や全体の雰囲気が決まる、重要な工程だ。

靴底をつける
アイロンをかけて、完成
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