皮ふ科医に聞く ミニ知識
乾燥やシミ・そばかす、ニキビあと… 肌に関するお悩みはさまざま。気になる紫外線や、アンチエイジング対策など、ふだんの生活でできるスキンケアや肌トラブルへの心がまえについて、第一線でご活躍中の皮ふ科の先生にお聞きしました。

シミ対策

シミの種類、できやすい理由

顔にできやすいシミとしては、老人性色素斑、雀卵斑、肝斑、炎症後色素沈着、後天性真皮メラノサイトーシス(以下、ADM)などが挙げられます。
●老人性色素斑
紫外線曝露による光老化症状の一つで、表皮のメラニン色素産生過剰やターンオーバー遅滞によって起こります。一般的に「シミ」といえば老人性色素斑を指すことが多いです。紫外線がよく当たる頬骨に生じやすく、平坦なシミがイボのように盛り上がった脂漏性角化症を伴う場合もあります。
●雀卵(じゃくらん)斑
いわゆる「そばかす」のことで、遺伝によって起こります。3歳頃から現れ、思春期、また紫外線曝露によって濃くなることが多いようです。鼻を中心として頬骨付近に散らばるように生じます。
●肝斑(かんぱん)
30~40歳代の女性によく見られ、女性ホルモンバランスの乱れによって起こり、紫外線、炎症、妊娠、ピルの服用などによって悪化します。頬骨、こめかみ、額、上唇などに左右対称に生じ、まぶたにはできません。
●炎症後色素沈着
傷や炎症の後、メラニン色素産生細胞が活性化してメラニン色素が増加した状態です。ニキビ痕、毛抜き、カミソリ負けなど日常的な刺激に対する不適切なスキンケアが原因です。額や頬骨など突出したところを中心に左右対称に生じます。
●ADM
色素が表皮ではなく真皮に沈着するので、正確にはあざに分類されるシミです。原因は明らかではなく、額、まぶた、頬骨などに左右対称に生じます。

肝斑の見分け方

肝斑は30~40歳代の女性に多く、境界線が比較的はっきりした褐色地図状の色素斑が「左右対称」に生じ、まぶたには生じないことが特徴です。ADMも左右対称ですが、10代後半から30代までに茶褐色または灰青色の斑がまぶたにも生じるという点で肝斑と異なります。炎症後色素沈着も左右対称ですが、不鮮明な境界線が特徴的です。ただし、鑑別が難しい場合もあります。

シミができたしまったときの対処法

自分のシミがどの種類か正しく見極め、そのシミに合った治療を行う必要があります。さらに、同じ顔面のシミでも1種類とは限らない場合があり、注意が必要です。したがって、皮膚科を受診して適切な診断・治療を受けましょう。
また、シミが広がったり濃くなったり、新たに発生したりしないよう、洗顔時は肌を擦らないほか、紫外線対策は1年を通じて行うことが重要です。

教えてくださったのは
シミ対策|山形県 東根市 つばさ皮膚科 院長 橋本 秀樹 先生

山形県 東根市

つばさ皮膚科 院長 橋本 秀樹 先生

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