皮ふ科医に聞く ミニ知識
乾燥やシミ・そばかす、ニキビあと… 肌に関するお悩みはさまざま。気になる紫外線や、アンチエイジング対策など、ふだんの生活でできるスキンケアや肌トラブルへの心がまえについて、第一線でご活躍中の皮ふ科の先生にお聞きしました。

色素沈着のケア

色素沈着でよく見られるタイプとその原因

色素沈着は、肌の刺激により、表皮に存在する色素細胞(メラノサイト)から過剰に分泌されたメラニン色素が表皮や真皮に沈着しておこります。肌は刺激を感じるとメラニン色素を生成して肌を守ろうとする防御機能があるからです。
最も一般的なのは「炎症後色素沈着」で、日焼けやニキビや傷、虫刺されや火傷の痕などが、茶色く色素沈着を起こした状態です。肌の炎症が刺激となり、肌を守ろうとメラニン色素が生成されます。通常は肌のターンオーバー(=肌の生まれ変わり)により、メラニン色素は皮膚の外側に押し出されて、次第に消えることがほとんどですが、紫外線を浴び続けたり、ターンオーバーが正常に行われないと、そのまま色素沈着となって残り、消えにくくなることがあります。このほか、色素沈着の原因として、衣服の擦れやナイロンタオルの使用といった物理的刺激が挙げられます。また、ストレスやホルモンバランスの乱れが関係している場合もあります。

色素沈着の予防

●色素沈着を予防するには、紫外線対策が不可欠です。紫外線を浴びると、生じてしまった色素沈着を増悪させることにもなります。
●日焼けや虫刺されなど炎症が起こった場合は、炎症を早く抑える事が色素沈着を軽減します。冷やす、抗炎症作用のある薬あるいはスキンケアなどを使用しましょう。
●肌のターンオーバーが正常に行われるよう、洗浄・保湿などのスキンケアをしっかり心掛けましょう。
●ナイロンタオルやボディブラシなどで肌を擦ることは禁物です。特に骨の上など出っ張っている部分に色素沈着が起こりやすくなります。
●肌のターンオーバーはストレス・偏食・睡眠不足によっても乱れます。ビタミン類を積極的に摂り、バランスのとれた食事を心掛け、不規則な生活習慣を改善することも重要です。

肌本来の色に戻すには

肌のターンオーバーが正常であれば、次第に色素沈着は薄くなっていきますが、ケアを間違えたり、肌の機能が低下したりすることで、長期間残ってしまうこともあります。それを放置しておくと、シミとして定着してしまう恐れがあります。症状が改善しない場合は、薬を処方してもらうことも、レーザーなどでの治療を受けることもできます。ただし、その効果には個人差もあり、色素沈着の原因や程度はそれぞれ異なるため、信頼できる専門の医療機関を受診し、根気よく治療に取り組むことが大切です。

教えてくださったのは
色素沈着のケア|北海道 札幌市 みゆき皮フ科クリニック  昆みゆき 先生

北海道 札幌市

みゆき皮フ科クリニック 昆みゆき 先生

他人からみれば軽微な皮膚トラブルでも、ご本人にとってはQOLを大きく損なう肌荒れや、皮膚の老化であるシミ、小じわなど、多岐にわたる皮膚のトラブルに対し、正確な診断のもと、適切な処置をおこない、健康的な美しい肌を取り戻すお手伝いをすること、皮膚全般のかかりつけ医になることを当院の目標にしています。
一般保険診療から美容診療まで、土曜日・日曜日も診療しています。お気軽にご相談ください。

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