夏に起こりやすい肌トラブルの1つに汗疹(あせも)があります。子どもによくみられますが、汗をかく夏の時期は、大人も注意が必要です。
私たちの皮膚には、エクリン汗腺というものがあり、暑いときには、ここから汗を出して体温を調節しています。
ところが汗をかいたまま放っておくと、汚れが汗腺の出口に詰まってしまうことがあります。すると汗が体外に出ることができず、皮膚の内部にしみ出して炎症を起こします。これがあせもの原因となります。
あせもは、髪の毛の生え際やひじの内側、首筋、脇の下、ももの内側など、皮膚と皮膚が接触する部分によくできます。
汗をかいたあとのスキンケアが重要です。日常のちょっとした注意で予防ができます。
汗をかいたら、シャワーで汗を洗い流し、石けんを十分に泡立てて、体を洗いましょう。体を洗うときや拭くときは、ゴシゴシこすらないように気をつけて、体が十分に乾いてから衣服を着ましょう。
汗をかくと肌がしっとりしているように見えますが、常に水分が蒸発している状態です。乾燥した肌はバリア機能が弱くなり、あせもなどの肌トラブルを起こしやすくなります。シャワーや入浴後はしっかり保湿をして健やかな肌を保つようにしましょう。
あせも予防は「清潔」と「保湿」がポイントです。そして、汗をかかないように、涼しい環境に身を置いたり、吸湿性・通気性のよい衣類や寝具を使用したりするようにしましょう。
あせものできたところは菌が感染しやすいので、掻きこわしたりしないよう注意が必要です。放っておくと難治化したり、感染症など他の皮膚疾患を合併したりする場合もあります。症状がひどかったり、長く続いたりする場合は、皮膚科を受診して適切な診断・治療を受けるようにしましょう。
愛媛県 松山市
町野皮フ科 町野博 先生
皮膚科専門医として、生まれつきのアザからおとしよりの床ずれまで、皮膚に何か変化があれば90%以上の確率で診断をつけることが可能であるような訓練、研修を受けています。幾つかの診断が考えられる場合には、血液検査、皮膚テストをしたり、皮膚の一部を組織検査することにより、確定診断にいたります。その上で、内科、小児科、外科といった体の中の病気が皮膚に表われてきている場合はそれぞれの専門医や総合病院などを紹介します。お気軽にご相談ください。