皮ふ科医に聞く ミニ知識
乾燥やシミ・そばかす、ニキビあと… 肌に関するお悩みはさまざま。気になる紫外線や、アンチエイジング対策など、ふだんの生活でできるスキンケアや肌トラブルへの心がまえについて、第一線でご活躍中の皮ふ科の先生にお聞きしました。

シワ・たるみケア

肌のハリは表皮の下にある真皮の膠原線維(コラーゲン線維)、弾力性は弾性線維(エラスチン線維)によって保たれています。真皮の多くを占める膠原線維は下層ほど太く密になります(膠原線維束)。一方、表皮は薄くて伸縮性がないため、真皮の組織が変形すると表皮にも凹凸が生じます。これが「シワ」です。

皮ふの断面図

シワの種類

深さによって3種類に分類できます。
小じわ:表皮から真皮の上層部の組織が変形して生じた浅いシワです。
深いシワ:真皮の膠原線維束の配列が乱れておろそかになったところが、表皮を含めて陥没して生じた大きなシワです。
たるみ:真皮の弾力機能が低下して皮膚全体が下垂したものです。

シワの原因

その1:乾燥

皮膚の乾燥が続くと小じわが作られます。通常は表皮のターンオーバーで改善されますが、慢性的に乾燥が続くと、細かいちりめん状の乾燥じわとなります。

その2:老化

・内因性老化
細胞の自然老化と活性酸素による細胞の傷害(酸化ストレス)により、皮膚のバリア機能が低下し、表皮の乾燥、真皮のハリ・弾力の喪失により浅いシワやたるみが生じます。
・外因性老化(光老化)
紫外線による皮膚の傷害です。紫外線を浴び続けると表皮は厚く硬くなり、真皮では弾性線維の変形と膠原線維の変形・減少によってハリや弾力を失い、その結果、深いシワやたるみが生じます。

シワの予防

その1:保湿

十分な保湿を心掛けましょう。肌にうるおいを与えることでバリア機能が高まり、外部刺激から肌を守ることができます。使用する化粧品は正しい使用方法でやさしく肌に触れ、正しいスキンケアで毎日続けましょう。

その2:酸化ストレスの防止

カロリー制限や禁煙で酸化ストレスが予防されます。また、酸化ストレスを抑制する抗酸化物質(ビタミンEやC、B2、βカロチンなど)を摂取することも有効ですが、まずはバランスの取れた食事、規則正しい生活が必要です。

その3:紫外線の防御

肌に影響を与える紫外線にはUVAとUVBの2種類がありますが、しみやたるみの原因となるUVAは1年を通して比較的量が多く、雲や窓ガラスも透過します。冬や室内など、とくに日差しを感じない環境でも肌に影響を与えている場合が多く、1年を通じた紫外線対策が必要です。

シワの対策

皮ふ

洗顔後すぐに保湿ケアを行います。化粧水、乳液で肌に必要な水分、油分を十分に補い、モイスチャーバランスを整えるお手入れを忘れずに。外出先での乾燥対策として、スプレータイプの保湿化粧水でまめにうるおいを補給するのも効果的です。セルフケアで改善されない場合はケミカルピーリング、レーザー、光療法などの美容医学的治療も選択肢のひとつになります。治療には美容皮膚科に精通する皮膚科専門医が診療・施術を行っている施設を選びましょう。

教えてくださったのは
シワ・たるみケア|愛知県 大府市 ゆき皮フ科クリニック 院長 久野 有紀 先生

愛知県 大府市

ゆき皮フ科クリニック 院長 久野 有紀 先生

健康できれいな肌になりたい、若くありたいという気持ちにお応えします。皮膚科専門医としてニキビ・シワ・しみ・肌荒れなど様々なお肌の悩みを解決します。保険診療と保険外診療、症状に応じてよりよい治療方法やスキンケアの方法をご提案いたします。皮膚のトラブルでお困りの方はお気軽にご相談ください。

ページの上部に戻る
皮ふ科医に聞く ミニ知識TOPへ