天然由来のキシリトールで、肌にやさしい保湿を。
敏感肌に重要な「バリア機能」にアプローチ

ガムや歯磨き粉に入っている印象の強い「キシリトール」。スッキリとした清涼感でおなじみの成分ですが、実は今、美容成分として注目されているのをご存じでしょうか。

「え、あのキシリトールが?」と驚かれる方も多いかもしれません。しかし、資生堂の研究により、キシリトールが肌の内側からバリア機能を回復させる驚きのメカニズムが明らかになったのです。敏感肌でお悩みの方にこそ知っていただきたい、キシリトールの新たな可能性をご紹介します。

敏感肌の人、もう知ってる?キシリトールの"やさしい保湿"

「今まで使っていた化粧水が、肌に合わなくなった……」「保湿したいのに、肌に合う成分が見つからない」。敏感肌の方なら、きっと一度はこのような経験があるのではないでしょうか。

そんな敏感肌の悩みを解決してくれる可能性があるのが「キシリトール」という成分です。

キシリトールは天然由来の糖アルコールで、白樺やトウモロコシなどからつくられる糖類の一種。皆さんは「虫歯予防のガム」や「歯磨き粉」に入っている成分として、よくご存じですよね。

では、なぜキシリトールが虫歯予防に使われているのでしょうか?実は、キシリトールには虫歯菌のエサにならないという特性があります。普通の砂糖は虫歯菌が食べて酸を作り出し、その酸が歯を溶かして虫歯を作ってしまいます。しかし、キシリトールは虫歯菌が食べることができないため、口の中で酸が作られません。さらに、唾液の分泌を促進して口の中を中性に保つ働きもあるのです。

ところが、この虫歯予防でおなじみのキシリトールが、実は化粧品の成分としても注目されているのです。

キシリトールは天然由来の成分だからこそ、乾燥などによる刺激に弱い敏感な肌にも、やさしい使い心地でお使いいただけます。乾燥が気になる季節や、肌の調子が不安定な時期にも、やさしく寄り添ってくれる頼もしい成分なのです。

では、なぜキシリトールが敏感肌にやさしくうるおいを届けてくれるのでしょうか?その理由を詳しく見ていきましょう。

どうして化粧品にキシリトールなの?

キシリトールが化粧品に使われる理由を理解するために、まず「保湿」について少し考えてみましょう。

肌の保湿といえば、化粧水や乳液を思い浮かべる方が多いと思います。でも、なぜ保湿が大切なのでしょうか?それは、肌が乾燥すると外部からの刺激を受けやすくなり、肌荒れやかゆみなどのトラブルが起きやすくなるからです。特に敏感肌の方は、肌のバリア機能が低下しがちで、少しの刺激でも肌トラブルを起こしてしまいます。

一般的な保湿成分は、肌の表面に水分や油分を補って乾燥を防ぐ働きをします。ヒアルロン酸やグリセリンなどが代表的ですね。これらの成分は肌の表面をうるおいで包み込んでくれます。

ところが、キシリトールには他の保湿成分とは異なる働きがあることが分かってきました。

キシリトールは優れた吸湿性と保水性を持っており、肌にうるおいを与える保湿成分として知られています。また、肌なじみも良く、乾燥しがちな肌をやさしくサポートしてくれるのです。

そして何より注目すべきは、資生堂が50年以上の敏感肌研究により明らかにした、キシリトールの新たな可能性です。単なる保湿成分を超えて、肌本来のバリア機能を生み出す力があることが解明されました。これは敏感肌ケアにとって画期的な発見といえるのではないでしょうか。

キシリトールってなに?実は肌のバリア機能を高めてくれる成分にもなっている!

キシリトールについて、もう少し詳しく見てみましょう。

キシリトールは、もともと食品添加物としてガムや歯磨き粉などに長年使われてきた成分です。例えばガムを買うとき、パッケージに「キシリトール配合」と書かれているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

このように、キシリトールは私たちの身近にある、安全性の高い成分として長い実績があります。だからこそ、化粧品にも安心して使うことができるのです。

ところで、皆さんは「肌のバリア機能」という言葉を聞いたことがありますか?

健やかでうるおいのある肌では、角層という肌の一番外側の層に十分な水分が含まれ、バリア機能が整っています。このバリア機能は、外部からの刺激(紫外線、乾燥、細菌など)が肌の内側に入り込むのを防ぐ、いわば肌の「防護壁」のような役割を果たしているのです。

このバリア機能の形成に重要な役割を担っているのが「細胞間脂質」です。肌の細胞と細胞のすき間を満たし、外部刺激の侵入を防ぐとともに、水分の蒸発も防いでいます。レンガとモルタルで例えると、細胞がレンガで、細胞間脂質がモルタルのような関係です。

しかし、外部からの刺激やストレスなどにさらされると、この脂質の動きが鈍くなり、細胞間脂質への放出が滞ってしまいます。その結果、バリア機能が低下し、外部刺激を受けやすくなるとともに水分が蒸発しやすくなってしまうのです。

つまり、肌の保湿状態とバリア機能は密接に関係しており、保湿がしっかりできていることで肌荒れ予防にもつながるということです。

そこで注目されたのが、うるおいバリアサポート成分としてのキシリトールです。資生堂の研究により、キシリトールがラメラ顆粒内の脂質の供給を早めることが新たに判明しました。キシリトールの働きにより、脂質は角層に押し出されやすくなり、細胞間脂質を角層にスムーズに供給できるようになります。

他の保湿成分との違い

これまでの保湿成分の多くは、肌の表面に水分や油分を補給することでバリア機能を「外から補う」アプローチでした。しかしキシリトールは、肌が本来持っている脂質産生機能を高めることで、バリア機能を内側から「つくる」という根本的に異なるアプローチを提供します。

この効果は比較実験でも実証されており、キシリトールを加えた場合には明らかに細胞間脂質が増加していることが確認されています。

肌に使ってもキシリトールってスースーしないの?

キシリトールは、ガムや歯磨き粉の清涼感がある印象が強いですが、これまでお話ししてきたように、肌に対しては保湿成分としての働きがあります。ガムや歯磨き粉で感じるスースーとした清涼感は、溶ける時に熱を吸収する「熱反応」という性質から口の中の唾液と反応することで生まれる感覚なので、肌に使用する場合は異なります。

化粧品に配合されたキシリトールは、肌に塗った瞬間にスースーすることもなければ、冷たい刺激を感じることもありません。むしろ、肌になじみ、しっとりとした使用感をもたらしてくれます。

今回は、虫歯予防でおなじみのキシリトールが、実は敏感肌のケアにも役立つ成分であることをご紹介しました。

改めて、キシリトールの特徴をまとめてみましょう。

  • 天然由来の糖アルコールで、虫歯予防に長年使われている安全な成分
  • 化粧品においては優れた保湿成分として肌にうるおいを与える
  • 資生堂の世界初の研究により、肌のバリア機能をサポートする新たな働きが判明
  • 従来の「外から補う」保湿とは異なり、肌本来の機能を高める新しいアプローチ

このように、キシリトールは敏感肌でお悩みの方にとって、新たな可能性を提供してくれる成分なのです。

敏感肌の悩みに、新たな可能性を提供してくれるキシリトール。やさしい保湿力と、資生堂による50年以上の敏感肌研究で明らかになったバリア機能回復力を持つ、頼もしい成分です。敏感肌でお悩みの方は、ぜひキシリトールの力を試してみませんか?

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