肌の老化は、遺伝子にプログラムされた内的な原因に、外的な原因が加わって起こります。
内的な原因には、女性ホルモンや、皮膚のうるおいを保つ天然保湿成分・角質細胞間脂質・皮脂、肌の弾力を保つコラーゲン・エラスチンなどの減少が挙げられます。また、表皮細胞が再生されるまでの期間(ターンオーバー)が、成人では28日前後であるのに対し、高齢者では40~60日と長くなるのも原因の一つです。ストレスや喫煙、偏った食事、睡眠不足などによって悪化します。
外的な原因の代表は、紫外線による光老化です。肌は紫外線を浴びると活性酸素を発生し、急性(日焼け)・慢性(光老化)のダメージをもたらします。長年にわたり紫外線を浴び続けることで表皮のメラニン色素が増加し、エラスチンなどの弾性線維やコラーゲンなどの膠原線維が減少します。それにより色素斑が増え、太く深いシワ、乾燥などが引き起こされるのが光老化です。
「25歳はお肌の曲がり角」といわれるように、個人差はありますが20歳代半ばから肌の老化は加速度的に進行します。それは、シワ・たるみ、皮膚の乾燥や非薄化(薄くなること)などのエイジングサインによって顕在化します。
肌は、外界から異物の侵入や、体内からの水分蒸発を防ぐ「バリア機能」を備えています。最も重要なバリアは肌の表面を覆う角層です。肌老化の原因の8割は紫外線による光老化であるといわれるので、角層のバリア機能が低下するとその影響は大きく、エイジングサインが現れやすくなると考えられます。
間違ったスキンケアと皮膚の汚れも、肌老化の外的な原因になります。角層バリア機能を保持するためにも、毎日のスキンケア、つまり適切な洗浄と保湿が重要です。まず、ホコリや汗を洗い流し、メイクアップはクレンジング剤できちんと落とします。洗顔料はよく泡立て、ゴシゴシ擦らずに泡の力でやさしく洗い、十分に洗い流します。熱いお湯は必要な皮脂まで落としてしまうので、洗浄には水かぬるま湯を使います。そして、時間を置くことなく、化粧水、乳液やクリームなどで保湿します。
そして、光老化の何よりの予防は、紫外線を防御することです。年齢や季節を問わずサンスクリーン(日焼け止め)を塗ることを習慣とし、紫外線から肌を守りましょう。
また、加齢に伴うシワ・シミ・たるみなどを医療行為で治療する美容医療も日々進化しています。美容医療を受診する場合は、信頼できる専門医に相談してみましょう。
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日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。同じ女性の立場から、患者様の気持ちに添った治療を心掛け、一人でも多くの患者様のお悩みを解消できるよう、日々診療と研究を重ねております。お肌の悩みやアンチエイジングのこと、どうぞお気軽にご相談ください。