女性ホルモン「エストロゲン」には、肌の弾力を保つコラーゲンや水分量を増やす働きがあり、肌の若さを保つといわれます。
エストロゲンは卵巣から分泌されますが、卵巣機能は30歳代後半から衰え始めるため、エストロゲンの分泌量も徐々に減少します。そして、閉経前後の更年期に入ると急激に減少し、肌トラブルが生じやすくなります。
更年期の主な肌トラブルは、シミ、シワ、たるみです。
更年期にできるシミには、長年の紫外線曝露が原因となる老人性色素斑と、女性ホルモンの乱れが原因とされる肝斑があります。
シワは、エストロゲンの減少に伴って、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンの弾力性と量が失われることで生じます。また、紫外線によるダメージや活性酸素による老化もシワの原因になります。
たるみが生じる原因も、シワと同じですが、シワは加齢によるダメージが表皮や真皮に留まるのに対し、たるみはそれよりも深い皮下組織や筋肉までダメージを受けることで生じます。
肌トラブルを防ぐには、肌が本来持っている保湿機能とバリア機能を維持する必要があります。そのポイントになるのが洗顔、保湿、紫外線対策の3つです。
洗顔で、肌トラブルの原因になる汚れや化粧品を取り除き、肌を清潔に保ちます。
乾燥は肌トラブルの原因になるので、洗顔後は保湿して、バリア機能を維持します。
紫外線は肌の老化・トラブルを招く最大の要因です。外出時は紫外線対策を施します。
できるだけ肌トラブルが起こらないような生活習慣として、先ほどの3つのポイントに加えて、十分な睡眠、食事、適度な運動、ストレス発散を心掛けましょう。
睡眠中に分泌される成長ホルモンによって、肌の回復力が高まります。成長ホルモンは眠りが深いときに多く分泌されます。就寝前に液晶画面を見たり、激しい運動をしたりすると、入眠が妨げられ、眠りが浅くなります。
深い眠りを誘うため、ぬるめのお風呂に入ったり、アロマを使ったりするなどして、リラックスするようにしましょう。
栄養バランスがよい食事を摂ることはもちろんですが、エストロゲンと似た作用を有する大豆イソフラボンや、抗酸化作用のあるビタミンA・C・E、ポリフェノールなどを食品からできるだけ摂取するようにしましょう。
適度な運動は全身の血行を促し、代謝を高めます。また、成長ホルモンの分泌を高める、ストレスを解消する、深い睡眠をもたらすなど、よい効果が期待できます。
ストレスは肌に悪いだけではなく、免疫力を低下させるなど、負の作用しかもたらしません。ストレスを溜めずに、うまく発散させるようにしましょう。
それでも肌トラブルが起こったときは、皮膚科を受診して症状に合った治療を受けるようにしましょう。
京都府 福知山市
当院は、1945年に松木医院として開院し、京都北部地域の皮膚科専門医として地域に根ざした医療を提供しております。
皆様の皮膚の健康を守り、さまざまなお肌の悩みにできる限り対応いたしますので、ご遠慮なくご相談下さい。