敏感肌サイエンス
バリア機能とキシリトール
「敏感肌」の原因は、
「バリア機能の低下」にあり!

※画像はイメージです。
少しの刺激や環境変化にも反応してしまう「敏感肌」。ひりつき感など様々な敏感症状を感じることがあります。
「敏感肌」とは何か、またバリア機能を内側から速くつくる「キシリトール」について、資生堂 みらい開発研究所の海野研究員が解説します。
資生堂の皮膚科学研究の知見を
やさしく解説します

監修海野佑樹研究員
資生堂 みらい開発研究所
敏感肌とは?
敏感肌は、紫外線や細菌、ホコリといった外部刺激から肌を守るバリア機能が低下している状態です。
肌のもっとも外側にある角層は、わずか0.02ミリの厚さながら、水分の蒸散を防ぎ、微生物やウイルスさえも通さないバリア機能を備えています。
しかし、このバリア機能が何らかの原因で低下すると、水分が失われ乾燥状態に。また、刺激となる物質が肌に侵入し、ここに体調不良やストレスなどの内からの要因も加わって、トラブルが発生するのです。
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すこやかな肌
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敏感肌
さらに、バリア機能が低下すると、肌がもともともっている素因が顕在化し、肌荒れ、かさつき、赤み、ひりつき、ニキビなどの肌トラブルを起こしやすくなります。
つまり、敏感肌は肌本来がもつバリア機能が低下して肌悩みが現れやすい状態であり、バリア機能を整えるケアが重要なのです。
なぜバリア機能は低下するの?
ストレスや睡眠不足など、毎日の生活には肌ダメージにつながるさまざまな変化が…。生活環境は肌のバリア機能を低下させ、さまざまな肌トラブルを起こします。

あなたの肌が「敏感肌」だと感じたら?
肌が敏感になっているときは、低刺激設計で肌にやさしい使い心地のスキンケア商品を選ぶことをおすすめします。
パラベン(防腐剤)やアルコール(エチルアルコール)など肌に刺激を与える可能性がある成分を含まないスキンケアを選ぶのも1つです。
また、「敏感肌パッチテスト済み」「アレルギーテスト済み」などといった記載も確認してみてください。この記載はその商品で試験が行われたことを示すものですので、商品選定の判断基準としてみてもよいかもしれません。

バリア機能の形成に重要な「細胞間脂質」
バリア機能を形成するために、重要な役割を果たしているのが「細胞間脂質」です。
すこやかな肌は、細胞間脂質のもととなる脂質の放出が正常に行われています。一方で、敏感肌のようなバリア機能が低下した肌は脂質の放出が弱まり、細胞間脂質が乱れやすくなっています。
それにより、バリア機能の低下に繋がってしまうのです。

すこやかな肌を保つ「角層」
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表皮は、角層、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層(きていそう)という4つの層に分かれています。このうち、肌をすこやかに保つうえで重要な役割を担っているのが、表皮の最も外側にある「角層」です。
角層はわずか0.02mmの厚さしかありませんが、その中で水分を含んだ角層細胞がレンガのように積み重なっています。その細胞と細胞のすき間をセメントのように埋めているのが、細胞間脂質と呼ばれる脂質です。
細胞間脂質が細胞と細胞を密着させることでバリアをつくり、体内の水分蒸発を防いだり、紫外線や細菌・ホコリといった外部刺激から肌を守っています。
肌のバリア機能に「キシリトール」が役立つ?

※画像はイメージです。
「キシリトール」といえば、ガムや歯磨き粉に含まれている成分として有名ですが、実は敏感肌にも負担なく使用できる保湿成分なのです。
資生堂は、「キシリトール」によって脂質が角層に放出されやすくなり、細胞間脂質へとスムーズに供給されることを発見しました。それにより、肌が本来もっている機能を高め、バリア機能を早く回復させることができます。
脂質の放出量の変化

資生堂のテクノロジー
資生堂は、敏感肌にとって大切な肌のバリア機能に着目し、その形成メカニズムを研究しました。資生堂のテクノロジーを、動画で紹介します。
まとめ
・敏感肌とは、紫外線や細菌・ホコリといった外部刺激から肌を守るバリア機能が低下している状態を指す
・バリア機能を良好な状態に整えることで、さまざまな肌トラブルを防ぐことができる
・肌が敏感になっているときのスキンケアは、低刺激設計で肌にやさしい使い心地の商品がおすすめ
・資生堂は「キシリトール」が肌本来の機能を高め、バリア機能を早く回復させることを発見した

監修海野佑樹研究員資生堂 みらい開発研究所
ミッションは、研究成果を商品としてお客さまに届けて、敏感肌で悩まれる方のQOL向上に貢献すること。『なぜ・どのようにその現象が起きているか』を深く理解するためのメカニズム研究はもちろん、最終的に『人の肌で効果があるのかどうか』にこだわって、日々研究しています。