HAIR TOUCH YOU のばせば届く。

INTERVIEW

のばした髪をヘアドネーションした方

「ロングヘアをバッサリ切ったのは“生まれ変わる”くらいの大きな決断」ビューティー系動画クリエイター・佐々木あさひ、ヘアドネーションで新たな自分に出会う

フィーノが医療用ウィッグをとりまくすべての方をつなぐプログラム【HAIR TOUCH YOU のばせば届く。】。インタビューを通し、医療用ウィッグを必要とする方、髪を寄付する方、支援する方など、360°の方々の想いをお届けいたします。今回は、ビューティー系動画クリエイターの第一人者であり、そのメイクアップ技術で国内外から支持を集める佐々木あさひさんにお話しを聞きました。佐々木さんは、これまでに二度のヘアドネーションを経験し、その様子をご自身のYouTubeチャンネルにアップされています。動画を通じて、佐々木さんが世界中に発信したかった想いとは?

伸びた髪を切るだけのヘアドネーションから、伸ばすことを楽しむヘアドネーションに

2017年頃、海外の女性動画クリエイターの動画をきっかけに、ヘアドネーションを知ったという佐々木さん。実際に、ご自身もヘアドネーションをしてみようと思った理由について教えてください。

初めてヘアドネーションを知った頃、私はすでに腰くらいまで髪の長さがあったんです。前にお付き合いしていた方が「髪の長い女性が好き」っていう、よくある理由で伸ばしていて(笑)。私の意思というより、ただ好かれたいがために髪を伸ばしていたんですけど、その人と別れ、切るタイミングを完全に失ってしまっていました。でもヘアドネーションを知り、今度は自分の意思で髪を切って、自分の中に変化を生みたかったので、チャレンジしました。

1回目は伸びていた髪をカットするだけでしたが、2回目は伸ばす過程も楽しみたいという想いも生まれたんです。そのため、ヘアスタイルはいろいろ試していて、レイヤーを入れてモサッとしないように工夫したり、途中でパーマもかけたりもしましたね。もちろん、なるべく長い髪を提供したいと思っていましたが、そうやって自分なりに楽しみながら髪を伸ばしていたら、いつの間にか寄付できる長さになっていました。

ヘアドネーションをするにあたり、わからないことや不安なことはありましたか?

まず、海外の方の動画でヘアドネーションを知ったので、最初は寄付先も海外の団体に送ろうと思っていたんです。いろいろ調べていたら日本でも受け入れてくれる団体はありましたが、当時は2箇所くらいしか見当たりませんでした。それでも国内のほうがすぐにお渡しできるし、髪質も合うんじゃないかと思って、国内の団体にお願いすることにしました。

カットは団体と提携している美容師さんにお願いすることもできましたが、そうすると選択肢は限られちゃうんですよね。やっぱりバッサリ髪を切るって大きな決断ではあるので、私は好みの美容師さんを探して、「こんなふうに結んで切るんです」って、ドネーションカットの説明も自分でしました。「わからない、不安」という後ろ向きの気持ちはあまりなく、自ら調べて、積極的に働きかけていった感じです。

「ありのままの気持ちを発信」 頭の片隅に残った動画が誰かの後押しになるように

佐々木さんは2回とも40cm以上の寄付をご報告されていましたが、長さの目標は立てられていましたか?

ミディアムやロングのウィッグが多く求められていることを知り、「少しでも長いものを」と思って伸ばしていました。髪って、私にとってはあることが当たり前なものだけど、自身の髪について小さい頃から気にしていたり、長い髪に憧れがあったりする方々は、きっと傷つくこともたくさんあるんだろうなと思っていて。私の髪で、少しでも医療用ウィッグを必要とする方々が笑顔になってくれたら本当に嬉しいなと思いながら、髪を伸ばしていました。

受け取る方々にも想いを馳せながら、髪を伸ばされていたのですね。ヘアドネーションに関するYouTubeやInstagramは、どのような想いを込めてアップされたのでしょうか?

最初の投稿をした頃はヘアドネーションを知らない方のほうが多かったと思うので、私にできる形で、なるべくたくさんの人に伝えたかったんです。お金の寄付を募るのは伝え方が難しいところもあると思うんですけれど、ヘアドネーションは髪を伸ばすことで多くの人ができることなので、自分のありのままの気持ちを発信することができました。

動画を観てくださった方も、最初は「そんなものがあるの!?」っていうような反応がほとんどだったのですが、徐々に「私もやりました!」って人が増えてきました。ファンの方から写真が送られてくることもあり、切るときの結び目をギリギリのところにしているのを見て「なるべく長い髪を寄付したいと思われているんだな」と感じたりもします。また、「娘がヘアドネーションをしました」と、小学生の女の子のお母さんから報告をいただいたこともありましたね。一度観た動画が頭の片隅に残っていると、切った髪を不要物にしてしまうのではなく、ヘアドネーションをやってみようと思いつく。そういった行動を後押しできていたらいいなと思います。

カラーもパーマも楽しむ。ヘアドネーションのハードルは、実は高くない

髪を美しく伸ばすために実践していたケアがあれば教えてください。

私がヘアドネーションを知った頃は、ちょうど、色んな所で“頭皮ケア”に関する発信が盛んになっていた時期でした。髪が生えてくるところを直接ケアするって、理にかなっているというか、「たしかに大切だよね」と思ったので、頭皮に優しいアイテムを選んだり、スカルプブラシを使ったり、あまりお金をかけずに自宅でのケアを頑張っていましたね。

逆に、カラーリングもパーマもしていたので、ヘアドネーションのために「これをしない」というのはなかったです。ヘアドネーションって、受け付ける団体にもよると思いますが、実はそこまでハードルが高いことではなく、31cm以上の長さがあれば、ふとした思いつきでもできることだと私は捉えています。

フィーノでは「まるで美しさが生まれ変わるような体験を」という想いのもと、今回のプログラムを実施しています。佐々木さんご自身の「生まれ変わり体験」について教えてください。

やっぱり、1回目のヘアドネーションで髪をバッサリ切ったことですかね。高校生の頃、ボブヘアに挑戦してみたことがあったのですが、全然思ったような髪型にならなかった経験があります。それ以来、私はショートヘアが似合わないんだと思っていました。だからロングヘアをバッサリ切るのは、私にとって「生まれ変わる」くらいの大きな決断でした。

同じようにショートが似合わないと思い込んでいる人は多いような気がしていて、そういう抵抗があってヘアドネーションに踏み切れない人もいると思うんですよね。でも、美容師さんの技術はやっぱりすごくて、今ではショートヘア専門の美容師さんもいます。ご自身が信頼できるところで髪を切ってもらい、寄付するのはすごく良い体験になると思います。

美容師さんからの「やってみない?」が、広がるきっかけに

ヘアドネーションの際、どのように美容院を選ばれましたか? オーダーの際にこだわったポイントなども併せて教えてください。

Instagramでショートヘアのカットが上手な美容師さんを調べて、ドネーションカットをお願いしました。先ほども話した通り、髪をバッサリ切るって勇気がいることなので、信頼できる美容師さんにカットしてもらうのが一番良いんじゃないかなと思います。頼みたい美容師さんが普段ドネーションカットに対応されていない場合は、内容を説明する必要がありますし、自分でドネーション毛をまとめるゴムなども用意する必要があるかもしれないのですが、それ自体は難しい作業じゃなかったです。

オーダーに関しては、1回目はボブくらいまで切り、2回目はもうちょっとショート寄りのシルエットにしてみたいと思ったので、1回目よりもさらに長く寄付できるようにカットしてもらいました。

佐々木さんもお気付きの通り、ヘアドネーション対応サロンはまだまだ少ないという現状があります。これについてはどのように思われますか?

31cm以上の長さを切りに来るお客さんって、普通にいると思うんですよ。自分がもし美容院で働いていたとして、そういうお客さんが来たら、そこがヘアドネーション対応サロンじゃなくても「この長さだったら絶対ヘアドネーションしたほうがいいよ!」「送るのは簡単だから、やってみない?」って言っちゃうと思います(笑)。美容師さん側から働きかけるアクションが広まったら、もっとヘアドネーションを気軽にやる人も増えそうですよね。

「私の髪なんて寄付できない」と思わないで

美容師さんの働きかけ以外にも、どのようなサポートや工夫があれば、ヘアドネーションをしたい人が増えると思いますか?

YouTubeやInstagramのコメントを見ていると、「私の髪なんて寄付できない」と思っている方がすごく多いと感じます。まずは、パーマでもブリーチ毛でも、あまりに傷み過ぎている髪じゃなければ寄付を受け付けている団体があるということを、たくさんの人に知ってもらいたいですよね。この国の文化的なものなのか、自分の髪や肌に対して謙虚な方が多いんだと思うんです。そこのマインドチェンジを促すようなアプローチやサポートが大切なのかもしれません。

本プログラムでも、さまざまな髪質のヘアドネーションを受け付けています。寄付いただいた髪を余すことなく、かつ、なるべくその時の髪質を活かした医療用ウィッグとして使えるように考えているのですが、ご自身が寄付した髪のその後について気になったことはありますか?

自分が寄付した髪の扱われ方については、あまり気にしたことはなかったです。でも髪質を活かして、集まった髪を無駄にしないという姿勢は、ヘアドネーションを迷っている人の後押しになるかもしれません。私も、そういうところに寄付できたらいいなと思います。

貴重なご意見をありがとうございます。他にも、ヘアドネーションがより良い体験になればという想いから、フィーノでは「オリジナルドネーションキット」というものを無料でお配りしています。ぜひ、お手に取ってご覧ください。

ドネーションカットに使えるヘアゴムが入っているんですね(※フィーノをイメージした赤色のヘアゴム)。カットする直前の、結んだときの写真ってみんな撮りたいと思うので、素敵なアイデアだと思います。あと、ヘアドネーションについてすごく詳しい説明が載っていますね。賛同サロンじゃなくても、これを渡せば美容師さんにお願いしやすいかもしれません。このキットが、いろんな美容院に置いてあったら良いなと思います。

ヘアドネーションを検討する方々へ「自分が変われる良いアクションになる」

また、ヘアドネーションを考えてらっしゃいますか?

もちろんです。ヘアドネーションは、いくつになってもできるのがすごく良いですよね。今後も、ロングヘアを楽しみたいときに髪を伸ばして、自分のタイミングでヘアドネーションする、みたいな感じで、ライトにやっていけたらいいなと思っています。やっぱり、髪をバッサリ切れたときの達成感や、この髪が誰かを笑顔にできるかもしれないという、あの喜びをまた味わいたいですね。

ありがとうございます。さいごに、医療用ウィッグをサポートするために、ヘアドネーションを検討している方に向けてメッセージをお願いします。

今の殻から抜け出したいとか、もう一歩新しい自分になりたいとき、髪を切るというのはすごく良いアクションになると思います。実際、私も2回のヘアドネーションを経て、すごく自分自身が変われたなと感じています。ヘアドネーションに対して、あまり高いハードルを設けず、自分のタイミングでトライしていただきたいなと思います。

佐々木 あさひASAHI SASAKI

ビューティー系動画クリエイターの第一人者。幅広く支持を集め、コスメやスキンケアアイテムなどの丁寧なレビューが好評。また美容に限らず日常のライフスタイルを等身大のまま発信し、ジャンルを問わず活躍している。

「fino ウィッグBank」について

フィーノの医療用ウィッグプログラム【HAIR TOUCH YOU のばせば届く。】の中のひとつの取り組みである「fino ウィッグBank」では、現在ヘアドネーションを募っており、31cm以上であればどのような髪の状態の方でも、また年齢や性別も問うことなくご参加いただけます。寄付いただいた髪については、NPO法人「全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)」にサポートしていただき、医療用ウィッグの販売のみならず、レンタルウィッグや医療用ウィッグ製作技術のための講義用として寄贈するなど、髪の状態と、その時々のニーズに応じて最適な活用法にて無駄なく生かしていきます。

ヘアドネーションをご希望の⽅は
必ずfinoオリジナルドネーションキットを
お申込みください。

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