
人が香りを意図的に使うようになったのは、紀元前より宗教的な儀式で香料が使われたことがルーツだと言われています。現代でも寺院などでお香が焚かれることは一般的です。また、ヨーロッパでは王族や貴族がお抱えの調香師に自分だけの香りを調合させた歴史もあり、香料は厳粛な場面や身分の高い人に使われてきた、貴重で価値の高いものでした。
香りは本能に働きかける作用があります。私たちの中に眠る遠い記憶を呼び覚ます効果もあると言われ、だからこそ、祈りの場に使われてきたのかもしれません。
香りをまとうことは、目に見えないオーラをまとうようなもの。香りは本能に直接働きかけるため、言葉で長く説明するよりも、人の脳内を一瞬でジャックする効果があります。つまり、理屈抜きに場の流れを瞬時に変えるパワーがあるのです。
自分の感性でセレクトした好みの香りは、自分自身に安らぎを与え、お守りのような力を授けてくれるでしょう。また、相手を思ってつけた香りは、うまく作用すれば意図した印象を与えることができます。
香水は一昔前まで、手首や耳の後ろにつけるものとされてきましたが、果たして今はどうでしょうか? 実は、基本的に特別なルールはありません。洋服に、小物に、肌に直接、あるいは空間にと、自由に楽しむことが大切です。
ただし、種類や目的によってつける場所を考えることは必要。たとえば、香りが変わりやすいものは洋服やショールのシミにならない部分*につけるとgood。自分だけで香りを楽しみたい時や、そばにいるごく親しい人に香りをわからせたい時はウエストに、さりげなく香らせたい時はヒザの裏につけるなど、ちょっとしたテクニックを使い分けます。また、太い血管が通っている脈打つ箇所は体温が高く、香水本来の香りを楽しむことができる部位です。
香水をつける基本的な体の部位
いざ香水を使う前に、香りを楽しむためのルールやポイントは知っていますか? 同じ香水をつけても、肌のタイプや体温、天候などによって、香り方は変わってきます。フレグランスを日常に取り入れるために、この7か条をチェックしておきましょう。
今ドキの香らせ方はあくまで「さりげなく」「ふと動いた瞬間に」香らせるのがgood!耳の後ろや手首につけると強く感じる香水でも、足首や下半身に少量使うことでさりげなく香らせることができます。