
肌が乾燥してかゆみが強いときの対策と改善方法
肌から水分や皮脂が失われて乾燥した「ドライスキン」の状態になると、肌荒れのほか、皮膚がかゆくてたまらなくなることがあります。
かゆいとつい爪でかきむしりたくなりますが、さらにかゆみが悪化することも…。かゆみの対処法を知り、すこやかな肌で快適な毎日を目指しましょう。

GINZA Zen -禅- クリニック 院長
コッツフォード良枝先生
まずはかゆみを抑える
肌のかゆみを感じるとき、多くの場合、ヒスタミンという「かゆみ物質」が関係しています。皮膚になんらかの刺激が加わると、肥満細胞という細胞からヒスタミンが分泌され、知覚神経を刺激。知覚神経から脳に「かゆみ」として伝達されます。
かゆいからと爪で肌をボリボリかくと、知覚神経から神経ペプチドが放出され、さらなるヒスタミンの分泌を促します。かけばかくほどかゆみがひどくなってしまいます。
肌がかゆくてたまらないときは、「冷やす」ことが一番です。冷やすことで知覚神経の興奮を鎮めると、かゆみを抑えることができます。
保冷剤をタオルやハンカチに包んでかゆい部分に当てたり、冷たいシャワーを肌に当てて冷やしましょう。かゆみや炎症を鎮める治療薬を使うのもおすすめです。
角層のバリア機能を保つスキンケアを行う
スキンケアでは、乾燥を防ぐことが何よりも大切です。かゆみを脳に伝える知覚神経の末端部分は本来、肌の奥に存在しています。しかし、肌から水分が失われた状態が長く続くと、知覚神経の末端は角層のすぐ下、体の表面の近くまで伸びてくるのです。そのような状態では、わずかな物理的刺激にもかゆみを敏感に感じ取るようになってしまいます。
かゆみを防ぐためにも、肌にうるおいを与えて角層のバリア機能を守りましょう。
角層のバリア機能とは
肌のいちばん外側にある角層では、天然保湿因子(NMF)が産生され、水分をしっかり抱え込んだ状態で存在しています。また、天然保湿因子を含んだ角層細胞同士をつなぐ細胞間脂質がきれいに整列し、うるおいに満ちた角層状態を保っています。
この構造によって、紫外線やホコリ、花粉、細菌など外部の刺激から肌を守るはたらきが「角層のバリア機能」です。
しかし湿度の低下や睡眠不足、ストレス、間違ったスキンケアなど、さまざまな原因によって天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質が減少すると、「肌のバリア機能」が低下。乾燥が進み「ドライスキン」の状態になってしまいます。
やさしく丁寧に保湿する
毎日の洗顔や入浴の後は、肌から水分が奪われやすくなっています。化粧水で水分を補うのはもちろんですが、水分を保持する保湿成分、肌を保護する油分も必要です。化粧水の後は乳液などをプラスして、うるおいをとじこめましょう。
このとき、すりこむように塗ると摩擦を起こし、バリア機能を低下させる原因になります。やさしく押し込むようになじませることポイントです。
洗顔は時間をかけすぎない・こすらない
肌の表面に汗やホコリ、汚れなどが付着していると、その刺激からかゆみが誘発されることがあります。肌は常に清潔に保ちましょう。
毎日の洗顔や入浴では、低刺激性の石けんや洗顔料をよく泡立て、やさしく洗います。ゴシゴシとこすったり、時間をかけすぎたりすると、バリア機能を低下させる原因になります。乾燥がひどいときは、石けんを使わずぬるめのお湯ですすぐだけでもよいでしょう。
入浴による乾燥にも注意!
入浴中に硬いナイロンタオルで肌をゴシゴシこすり洗いしたり、熱いお湯に長時間浸かると、肌表面の皮脂膜が取り除かれてしまいます。肌のバリア機能が低下するので気をつけましょう。
ひどい乾燥は、医薬品の高保湿乳液で
肌の乾燥をくいとめ、かゆみを防ぎたい・・・。そんなときは、医薬品の乳液で治す方法もあります。
IHADA(イハダ)のドライキュア乳液は、保湿やかゆみ抑制の働きをもつ4つの有効成分(ヘパリン類似物質、ジフェンヒドラミン、アラントイン、トコフェロール酢酸エステル)を配合。肌の乾燥をすばやく治します。

乳液タイプ治療薬イハダ ドライキュア乳液
容量/希望小売価格(税込)
50g/1,100円
[ 適応症 ]
かゆみを伴う乾燥性皮膚(成人・老人の乾皮症、小児の乾燥性皮膚)
乾燥肌に使いやすい、乳液タイプの乾燥治療薬です。有効成分のヘパリン類似物質が肌の保水力を回復し、ジフェンヒドラミンがかゆみを鎮めます。敏感な肌にも使える無香料・無着色。素肌と同じ弱酸性です。
乾燥が進んで強いかゆみを覚えたからといって、爪でかきむしるのはNGです。まずは患部を冷やしてかゆみを鎮めるとともに、肌の乾燥を防いですこやかに保ちましょう。かゆみが気になったときにすぐ使える、乳液タイプの治療薬もぜひ取り入れてみてください。
KEYWORDS
- 乾燥
- かゆみ