【これさえ読めば安心♪赤ちゃんのスキンケア完全版】おすすめアイテムや皮膚科医が答えるQ&Aも!
赤ちゃんの肌はとってもデリケート。急に赤みや湿疹が出て、驚いてしまうママも多いはず。そこで今回は、赤ちゃんの肌を守るための正しいスキンケア情報をご紹介します。肌の特徴からおすすめのスキンケアアイテム、よくある悩みや疑問に皮膚科医が答えるQ&A、さらにプレママやママ向けのスキンケアのコツをまとめました!
- 目次
赤ちゃんの肌の特徴って?
赤ちゃんの肌はとてもきれいに見えますが、肌の機能は未熟でデリケート。ここではそんな赤ちゃんの肌の特徴を解説します。
「皮膚」の働きとは?
皮膚は私たちが生きていくために、重要な役割を担っています。身体の内側の臓器を守るための「バリア機能」や、外の環境・刺激を感知する感覚器としての役割などを果たしています。ここでは特にスキンケアと密接な関わりがある「バリア機能」について、もう少し詳しくご紹介したいと思います。
皮膚が持つ「バリア機能」の最も大事な役割は、身体の中から水分の蒸発を防ぐことと、外部からの細菌や化学物質などの異物侵入を防ぐことです。皮膚は身体を包み込む「最も大きな臓器」とも言われ、いろいろな機能を果たしながら、私たちの身体を守ってくれているのです。
「皮膚」の構造とは?
皮膚は、「表皮」という表面の部分と、その下の「真皮」、そして「皮下脂肪」という、大きく分けて3つの部分で成り立っています。表皮の一番外側には「バリア機能」にとって重要な役割を果たす「角層」と呼ばれる部分があります。
赤ちゃんの皮膚も、基本的に大人と同じ構造をしています。でも、皮膚の厚さが薄く、バリア機能も未熟。だからこそ、しっかりケアしてあげることが大切です。
赤ちゃんの肌と大人の肌の違いとは?
赤ちゃんの肌は見た目がきれいで、肌ざわりもふっくら。そんな肌を見ると「スキンケアなんて必要ないんじゃないかな?」と、思ってしまうかもしれません。でも、実はとってもデリケートなんです。
角層では、「水分」と「NMF(天然保湿因子)」と「細胞間脂質」が適正なバランスを維持して、さまざまな機能を正常に保っています。乳幼児の皮膚は成人と比べると、1年を通じて水分量・NMF量・皮脂量がいずれも著しく低く、乾燥しやすい状態にあることが資生堂の皮膚生理研究でわかっています*。
また、赤ちゃんはよだれや涙、汗などが多く、これらをふき取るときの摩擦などでもさらに皮膚を刺激し、バリア機能を一層低下させてしまいます。だからこそ、正しいスキンケアが必要なのです。
* 川尻康晴他,日小皮会誌,1993:12(1):77-81
赤ちゃんのスキンケアは新生児期からスタートを!
デリケートな赤ちゃんの肌を守ってくれるスキンケア。じつは早期から始めた方がいいって知っていましたか?
スキンケアをすることで、乾燥や紫外線から肌を守るのはもちろん、乾燥を防ぐことで肌荒れを抑制し、細菌やウイルスなどが身体に侵入するのを防ぐ役割もあります。さらに、「新生児期から全身の保湿ケアをすることでアトピー性皮膚炎の発症リスクが低下した」という研究成果*も。
このことからも、乾燥が気になる部分だけでなく全身に保湿をすることが大切であることがわかります。ぜひ、早い時期からスキンケアをしてあげましょう。
* Horimukai K et al., J Allergy Clin Immunol, 2014; 134(4): 824-830.
研究成果の概要
アトピー性皮膚炎の家族がいる新生児(118名)を対象とし、2つのグループに分けて生後7日目から8ヶ月後まで観察しました。
・「毎日全身に保湿するグループ」:洗浄料+乾燥している部分に保湿(ワセリン)+毎日全身に保湿(乳液)
・「乾燥した部分に保湿するグループ」:洗浄料+乾燥している部分に保湿(ワセリン)
その結果、「毎日全身に保湿する」ことでアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下しました。
保湿だけじゃダメ! 赤ちゃんのスキンケア方法
ここからは、赤ちゃんの肌に合う具体的なスキンケア方法をご紹介します!
スキンケアの役割とは?
まずは、スキンケアが持つ3つの役割を覚えましょう!
【スキンケアの役割】
①肌を清潔に保つ(洗浄)
②うるおいを与える(保湿)
③紫外線のダメージから身体を守る(紫外線防御)
保湿はもちろん重要ですが、肌を清潔にし、紫外線から守ることも肌のために大切なこと。これらの3つのポイントをしっかりおさえてこそ、赤ちゃんにやさしい、効果的なスキンケアができるんですよ!
また、赤ちゃんの肌を守るには、洗浄や保湿の手順、紫外線対策のポイントをおさえておくことも重要に。下記を参考に、赤ちゃんのスキンケアを行いましょう。
洗浄の手順
1.洗浄料を選ぶ
- 洗浄料は低刺激のもので赤ちゃんの肌に合うものを選びましょう。
- 洗浄料はよく泡立てること。泡で出てくるタイプのものを選んだり、泡立てネットを使ったりするのがおすすめです。
2.やさしく洗う
- 赤ちゃんの場合は、素手で洗ってあげましょう。泡を身体に塗るだけでなく、手のひらと指の腹でやさしく丁寧に洗っていきます。
- くびれや耳の後ろ、指の間なども忘れずに。
3.丁寧にすすぐ
- シャワーを使い、くびれやシワをのばしながらよくすすいでいきます。
- 洗浄料が残ると肌を刺激するもとになるので、きちんとすすぎましょう。
4.水分をふき取る
- 柔らかいタオルでこすらず、そっと押さえるように水分をふき取ります。
- くびれやシワの中の水分は残りやすいので、ふき忘れがないように気をつけましょう。
保湿の手順
1.保湿剤を選ぶ
- ワセリンやクリーム、乳液、ローションなどいろいろな種類がありますが、赤ちゃんの肌に合うものを選びましょう。
- 乾燥しやすい冬だけでなく、1年を通じて保湿をしてあげましょう。
- 冬は乳液・クリーム、夏は乳液・ローションを使うなど、季節に合わせて保湿剤の種類を変えてあげると、赤ちゃんもきっと喜んでくれるはずです。
2.保湿するタイミング
- 1日2~3回程度、お風呂あがり、お着替えの時間などに塗るのがおすすめです。
- 生活スタイルに合わせて工夫してみてください。気になるときにはこまめに塗ってあげましょう。
3.たっぷり塗る
- 顔やお腹、背中、手足など、部位ごとに全身に塗っていきます。
- 塗りたいところに保湿剤を何カ所か置いて、手のひらをすべらせるように塗り広げていきます。
- しっとりするくらいが目安です。
- 首や耳、ワキ、手首、ひざの裏、足首などのくびれた部分にも塗り忘れがないように気をつけましょう。
紫外線対策のポイント
1.基本的な対策を行う
- 紫外線が強い春から秋の午前10時~午後2時ごろは、できるだけ長時間戸外にいないように心がけましょう。
- 直射日光だけでなく、地面や水面からの反射する光にも要注意です。
- 帽子をかぶり、衣類は肌の露出が少ないものを選びましょう。
- お出かけや遊ぶ際は、できるだけ日陰を選んであげましょう。
2.日焼け止めを塗る
- 必要に応じて乳幼児用の日焼け止めを塗ってあげましょう。
- 2~3時間ごとに塗り直すのがポイントです。
- 顔に塗るときは、両頬、おでこ、鼻の頭、あごに適量を置いて、塗り残しがないようにやさしく伸ばします。
- 腕や足など広範囲に塗るときは、塗る部分に線をかくように出し、手のひら全体を使って大きく円を描くように塗りのばします。
- 湿疹があるときに日焼け止めを塗る際は、医師に相談しましょう。
3.日焼け止めを洗い流す
- 洗浄料を使って、日焼け止めが肌に残らないように洗い流しましょう。
- 洗ったあとは、タオルを使って水分をふき取るのも忘れずに。
毎日スキンケアを続けるのは大変かもしれません。でも、スキンケアをすることは赤ちゃんの肌とママの肌が触れ合う貴重な時間です。赤ちゃんにやさしく話しかけてスキンシップをはかりながら、スキンケアをしてあげましょう。
赤ちゃんにおすすめのスキンケアアイテム9選
赤ちゃんのスキンケアには、「洗浄」「保湿」「紫外線対策」が必要不可欠。そこで、それぞれのおすすめアイテムをご紹介します。
赤ちゃんの肌を「洗浄」するおすすめアイテムはこちら!
泡で出てくるから時短にも! 低刺激処方のソープ
「敏感皮膚研究」に基づき、赤ちゃんの肌のうるおいを奪うことなく汚れを取り去ります。うるおいバリアサポート成分*配合で、デリケートな赤ちゃんの肌にも◎。
*キシリトール
モコモコの泡で負担なく洗えるベビー用シャンプー
新生児から使える低刺激処方。頭皮のうるおいを守りながら、汚れをすっきり落とします。ポンプを押すだけでクリーミーな泡が出てくるので、時短&簡単にシャンプーができますよ!
赤ちゃんの「保湿」におすすめのアイテムはこちら!
のびがいいからなじませやすい。手軽なポンプ式のベビー用保湿ローション
デリケートな赤ちゃんの肌のうるおいバリアを保ち、しっかり保湿。水分を逃さず、うるおった肌をキープします。みずみずしく軽くのびるので全身くまなく保湿できます。ササっと素早く塗れるポンプ式なのも魅力です!
あせもや湿疹が気になる時に! サラサラ肌を保つベビーパウダー
暑くなると、あせもや湿疹ができてしまうことも...。そんな時は、お風呂上りに保湿ローションをつけた後、ベビーパウダーをつけるのがおすすめ。ベビーのやわらかな肌を、サラッと健やかに保つことができますよ。固形タイプなので持ち運びにも便利です。
赤ちゃんの「紫外線対策」におすすめのアイテムはこちら!
紫外線対策は、シーンに合ったアイテムを使い分けるのが効果的です。そこで、公園やお散歩などの「日常シーン」と、水遊びやレジャーなどの「アウトドアシーン」に分け、おすすめアイテムをピックアップしました。
■日常の紫外線対策に!
紫外線も乾燥も防ぐ。ベビー用日焼け止め
紫外線も乾燥も防ぐ。ベビー用日焼け止め
紫外線吸収剤無配合(ノンケミカルタイプ)。生後1カ月の赤ちゃんから使える低刺激処方です。やさしいつけ心地で、紫外線から1年中しっかり守ります。
デリケートな肌を守るマイルドな日焼け止め
紫外線吸収剤ゼロのノンケミカル処方。やさしい使い心地で、敏感肌や赤ちゃん*の肌を保湿しながら守る、マイルドUVジェル。肌負担のない使用感で心地よく使えます。
*新生児を除く
■アウトドアの紫外線対策に!
デリケートな肌もしっかりガードする日焼け止め
快適な使い心地がさらに進化。低刺激処方(無添加*・無香料・無着色・アルコール(エタノール)フリー)で敏感肌や赤ちゃん**の肌を守ります。
*防腐剤(パラベン)、鉱物油不使用
**新生児を除く
汗や水を味方にして、紫外線防御膜を強くする日焼け止め
デリケート肌に配慮した低刺激タイプで、乳幼児にも使用できます。汗や水に反応し、紫外線防御膜を強化*するから、水遊びやアウトドアシーンにも最適。お手持ちの洗浄料でスムーズに落とせる点も◎!
*肌上のサンスクリーン膜の均一性を高め、安定に保つ
こんなときどうする? 赤ちゃんの肌トラブルQ&A
スキンケアに気をつけていても、トラブルが出てしまうことも...。そこで、ママたちが抱えている赤ちゃんの肌トラブルについての様々なお悩みと、それに関する皮膚科医の回答を紹介します。質問に答えてくれたのは、神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長 馬場直子先生です。
「洗浄」に関するQ&A
Q.赤ちゃんを洗うときは何を使えばいいの? ちなみに、ガーゼを使うのは正解?
赤ちゃんの身体を洗うときは、何を使うといいのでしょうか? ガーゼを使って洗うと、産毛が取れて肌がきれいになると聞いたことがありますが...本当ですか?
A.赤ちゃんの産毛は、何もしなくても自然に薄くなっていくのでわざわざこすり取る必要はありません。
そしてガーゼってやさしいようで、結構摩擦があります。普通自分のお顔をガーゼで洗わないですよね。やってみると結構痛いです。お子さんの身体はご自分のお顔だと思ってください。
泡をたくさんつけたタオルの方がまだいいですが、ナイロンタオルは絶対だめです。ナイロンタオルでつくった泡を手にたっぷりつけて、手で洗うといいです。
子どもにも正しい洗い方は気持ちがいいんだということを教えてあげながら、ゆったりした気持ちでやさしく泡でなでるように洗いましょう。
Q.ベビーソープの選び方は? 大人用を使うのは何歳から? 固形石けんと泡フォームなら?
ベビーソープの選び方を教えてください。シャンプーやボディソープなど、大人と同じものを使うのは、何歳ころからが望ましいんでしょうか?
また、お肌に優しいのは固形石けんと泡フォーム、どちらでしょうか? 赤ちゃんの沐浴剤もいろいろあるため、どれを選べばいいか迷っています。
A.ベビーソープは、アレルギーテスト済みであること、香料、着色料、防腐剤などが入っていないことを確かめて選んでいただきたいです。シャンプーやボディーソープなど、大人と同じ物を使うのは中学生くらいからが良いと思われます。小学校中学年くらいまでの子どもの皮膚は、皮脂が少なく、保湿機能、バリア機能も弱いため、ベビー用や子ども用のものを使う方が良いでしょう。
固形石鹸を使うなら、泡立てネットでよく泡立てて、ツンと立つようなしっかりした泡を作ってから、それをお母さんやお父さんの手のひらに載せて、やさしくなでるように洗うと良いでしょう。最初から泡で出てくるタイプの泡フォームを使うのも良いですが、すぐに消えてしまうような泡は良くありません。皮膚の上でのばしてもしばらく泡が残っていて、なめらかさが保たれているようなものが良い泡フォームです。ボディーソープの原液を皮膚に塗りつけて洗うことは厳禁です。
沐浴剤を使ってそのままお湯ですすがないと、沐浴剤の成分が皮膚に残ってしまい刺激になります。沐浴剤を使っても汚れはあまり落ちないので、せっけんや泡フォームの方がおすすめですが、もし沐浴剤を使ったとしても、最後はよくシャワーで洗い流しましょう。
「保湿」に関するQ&A
Q.夏生まれの子と冬生まれの子...お肌のケア方法も変えた方がいい?
第一子は夏生まれだったのですが、次に生まれた子は冬生まれです。生まれた季節に合わせて、お肌のケア方法も変えた方がいいんですか?
A.確かに、秋冬生まれのお子さんの方がアトピー性皮膚炎が多いということが分かっています。それは生まれてからの外部環境が乾燥しているからだと考えられています。
ですので、秋冬生まれのお子さんは、そうでないお子さんよりも、乾燥させないというケアがより一層重要です。お部屋自体も加湿して、肌に保湿剤を塗るというケアを徹底していただきたいと思います。
Q.保湿剤は季節に合わせて変えるべき? 1日に何回塗るのがベスト?
お風呂あがりにボディローションを使っていますが、「冬はクリームタイプの方がいい」など、季節に合わせて保湿剤の種類は変えるべきですか?
また、1日に何回、塗ってあげるのがいいのでしょうか?
A.ローション、クリーム、軟膏の順番に、水分が多く脂分が少ないので、塗り心地はいいのですが、後で早く乾きやすいとも言えます。
乾燥しやすい冬や、乾燥が激しいアトピー性皮膚炎のお子さんでは、より脂分の多いクリームや軟膏を、ローションなどを塗った上からさらに塗ると、保湿効果が長持ちするでしょう。
夏季やさほど乾燥しないお子さんの場合は、1日1回お風呂上りにローションを塗れば十分ですが、冬季や乾燥しがちなお子さんでは、入浴後と、起床後、お出かけ前などに、1日2~3回塗る必要があります。
Q.乾燥する時期に効果的なクリームの塗り方は?
冬などの乾燥する時期に効果的なクリームの塗り方はありますか?
A.ローションは水分が多く脂分が少ない、クリームは水分よりも脂分が多いので、しっかり保湿しようと思ったら、先にローションを塗って、その上からクリームを重ね塗りすると良いでしょう。入浴後に、ざっと全身にローションを塗り、下着などをつけてから、顔や四肢などのより乾燥しやすい露出部だけに、もう一度クリームを重ね塗りするのも良いと思います。
Q.ベビーローションやクリームを選ぶ際のポイントは?
赤ちゃん向けのベビーローションやクリームを選ぶ際のポイントはありますか?
A.せっかく肌をきれいに強くしようと思って塗るローションやクリームなのに、それが元でかぶれたり痒くなって皮膚トラブルのもとになってしまっては元も子もありません。
まず、パッチテスト(アレルギーテスト)済、と書かれた試験がされた信頼できる製品であること、香料や色素、防腐剤などができるだけ入っていないものであることを確かめてから購入しましょう。
使うときは、初めから一度に広い範囲に塗らないで、まず腕や脚などの一部に塗り、赤くなったり、ブツブツができたり、痒がったりしないか、2~3日後まで確かめてから、全身に使い始めるのが良いと思います。
Q.保湿剤は顔と身体で使い分けるべき?また、頭皮を保湿するには何を使えばいい?
保湿剤は顔と身体で使い分けた方がいいんですか?
また、うちの子どもは頭皮も乾燥しているため、クリームを塗ってあげているのですが、どうしてもベタベタしてしまいます。何かいい解決方法やおすすめの保湿剤はないでしょうか?
A.顔も身体も何もトラブルもなくツルツルであれば、同じ保湿剤で良いと思います。
しかし、しばしば赤ちゃんのほっぺやあごは、乾燥しているだけではなく、赤くなっていたり、小さなブツブツがあったり、皮がむけかけていたり、軽い炎症を起こしている場合があるので、そこに直接保湿剤を塗るとかえって悪化してしまうことがあります。その場合は、まず湿疹の治療薬で治してから保湿剤に移行する必要があります。本当にカサカサだけなのか、赤くなってしまってすでに皮膚炎があるのかを、よく見極めてから塗らなければなりません。
頭皮には髪の毛が生えているため、クリームですと髪の毛までベタベタになってしまいます。さらっとしたローションタイプをお母さんやお父さんの指先に少しずつ取って、お子さんの髪の毛をかきわけて、地肌にすり込むように塗ると良いでしょう。ただし時間はかかります。頭皮は手間をかけなければならない場所なのです。
Q.湿疹がある場合、どうやって保湿するといいの?
湿疹がある場合、どうやって保湿してあげるといいでしょうか?
A.湿疹がある部位には、保湿剤を直接塗ると、湿疹が悪化する恐れがありますので、必ず湿疹にはステロイド外用薬のような、医師から処方された治療薬を塗ってください。保湿剤によっては、治療薬を塗った上から重ね塗りしても良い場合と悪い場合がありますので、なるべく湿疹のある部位を避けて保湿剤を塗っていただきたいと思います。
Q.ワセリンを使ったからアレルギーになるということはない?
わが家では子どものスキンケアにワセリンを愛用しています。これを使っているおかげで大きな肌トラブルもなく、ワセリンの実用性を実感できています。先日、友人に勧めたところ、「ワセリンは石油由来だけど安全なの? アレルギーの心配はない?」と聞かれて、戸惑ってしまいました。
実のところ、ワセリンって本当に安全なんですか? また、長期間子どもに塗っても、大丈夫なんでしょうか?
A.ワセリンでアレルギーということはないですね。
そもそも塗り薬の軟膏は99%ワセリンのようなものですので、それを長く使って問題があるということはないです。
ただ、ワセリンだけで保湿しようとすると、皮膚の表面に油膜を作ってカバーし、水分が蒸発するのを防ぐことはできますが、水分を補給することはできないんですね。
十分な保湿を考えるのであれば、水分と油分が混ざり合ったクリームや乳液を塗って、その上からカバーするためにワセリンを塗るのであればいいと思いますね。
「紫外線対策」に関するQ&A
Q.赤ちゃんの日焼け対策はいつから、どうするべき?また、日焼け止め選びのポイントは?
赤ちゃんの日焼け対策はいつから、どのようにしてあげたらいいんでしょうか?
また、日焼け止めを選ぶときのポイントがあれば教えてください。
A.生後6カ月くらいまでの赤ちゃんの皮膚は、赤ちゃんニキビや乳児脂漏性皮膚炎などの皮膚トラブルも多く、まだかなりバリア機能が弱いため、直接皮膚に日焼け止めクリームを塗るのは避けた方が無難です。それよりも、ベビーカーの幌や、窓のUVカットフィルム、帽子や衣類、カーテンなどで、直射日光を避ける対策をとりましょう。
6ヵ月を過ぎ、皮膚になんのトラブルもないスベスベの皮膚のところにだけは、30分以上直射日光に当たりそうな外出の前には、赤ちゃん用の日焼け止めを露出部位に塗りましょう。その際も日焼け止めだけに頼らず、日除けをしたり、午前10時~午後2時の紫外線が最も強い時間帯の外出はなるべく避けたり、などの対策も一緒に行ってほしいものです。
日焼け止めを選ぶときは、赤ちゃん用のもので、アレルギーのパッチテスト済であるもの、紫外線吸収剤が入っていないもの、SPF10~30、PA+~++くらいのもので十分だと思います。
「肌トラブル」に関するQ&A
Q.アトピー性皮膚炎は遺伝しますか?また、発症率を下げるためのケア方法は?
夫がアトピー性皮膚炎なので、赤ちゃんにアトピー性皮膚炎が遺伝しないか心配です。アトピー性皮膚炎を未然に防いだり、軽減するためのケア方法や対策があれば教えてください。
A.確かに、遺伝的な体質というのは重要です。心配になりますよね。
遺伝的には、乾燥しやすくバリア機能が弱い体質と、アレルギーを起こしやすい体質が遺伝します。
でも、たとえ遺伝的体質があったとしても、乾燥を予防してバリア機能を強くするスキンケアを徹底していただくことによって、発症する確率を低くすることが確かめられています。
Q.アトピー性皮膚炎の赤ちゃんは布おむつじゃないとダメ?
アトピー性皮膚炎を患っている赤ちゃんは、布おむつじゃないとダメですか?
A.一概に、布オムツの方が紙オムツよりも肌に良いということはありません。 布オムツは、何度も洗っているうちに繊維が劣化して肌触りがゴワゴワになって刺激になることもありますし、水分を吸い取る力が紙オムツほどにはないので、すぐにオムツを替えないと、便や尿が長く皮膚に留まりやすいということもあります。
また、布オムツを洗った後、すすぎが足りないと洗剤成分が残ってしまい、それが肌を刺激してしまいオムツかぶれになる可能性もあります。
最近の紙オムツは、かなり吸湿性にすぐれていて、肌触りも良いように工夫されています。中には保湿成分が表面にコーティングされているすぐれものさえあります。
どれがお子さんの肌に一番合っているか、とにかく色々試してみて、赤くなったり荒れたりしないものを選んであげてください。
Q.乾燥とアトピー性皮膚炎の違いは?また、アトピー性皮膚炎を早期発見する方法は?
赤ちゃんの手首や足首がよく乾燥しています。お肌の乾燥とアトピー性皮膚炎を見分ける方法はありますか?また、アトピー性皮膚炎を早期発見する方法はありますか?
A.乾燥はアトピー性皮膚炎の始まりとなりますが、乾燥しているだけでアトピー性皮膚炎だというわけではありません。
乾燥している状態を長くそのままにしておくと、バリア機能が弱いために、外からの様々な刺激を受けやすく、アレルゲンが皮膚の角層の下まで入り込んでしまうと、そこでアレルゲンとして取り込まれて抗体を作り(いわゆる感作されて)、アレルギー反応が出てしまいます。
ですから乾燥した皮膚を放置しないことが大切です。アトピー性皮膚炎の早期症状としては、主に体幹に粉を吹いたような乾燥肌と、鳥肌のように毛穴が浮き出て目立つような皮膚がみられたり、肘や膝の裏側、首などの関節の内側に、赤みやブツブツができやすかったり、乾燥期に耳切れがみられたりすることがあげられます。
Q.肌の弱い子どもにも、スキンケアは効果があるの?
子どもの肌が弱く、たびたびお肌のトラブルを起こしてしまいます。元々、肌が弱い子でも、スキンケアすれば肌トラブルを予防できますか?
A.よだれかぶれやおむつかぶれなどの外部刺激による皮膚炎や、とびひ、水いぼなどの感染症は、スキンケアでバリア機能を強くさせておけば、外部からの刺激を受けにくく、また細菌やウィルスが皮膚に定着しにくくなります。
ここでもやはり、日ごろのスキンケアが大事になります。
Q.湿疹に有効なスキンケアは保湿以外にあるの? ほっぺが赤くなるのは乾燥が原因?
子どもに湿疹ができてしまい、ローションやワセリンでお肌のケアをしているんですが、赤みがなかなか消えません。そんなときに有効なケア方法はありますか?
また、ほっぺがチークを塗ったみたいに赤くなってしまうのは、肌が乾燥しているからなんでしょうか?
A.保湿していても治らないということは、保湿だけではダメということです。赤みがあるというのは、皮膚炎で炎症を起こしているということなので、保湿剤だけでは治せません。
赤みとかざらざらは乾燥の域を超えていて、皮膚に炎症を起こしているので、塗り薬で治療する必要があります。
塗り薬を適量きちんと塗って完全にツルツルの皮膚に戻して治してから、それから保湿剤で維持するようにしましょう。
Q.乾燥肌の子どもには保湿が必須? 乾燥肌は大人になるまで続いてしまうの?
子どもが乾燥肌のため、毎日、朝とお風呂あがりに保湿剤をたっぷり塗っています。塗りが足りないと肌がざらざらしてしまい、乾燥気味になってしまうことも...このような肌質は、大人になるまで続いてしまうのでしょうか?
A.乳幼児期の皮膚は、皮脂が少なく、保湿機能が弱く、思春期が始まるころまでは生涯で最も乾燥しやすい時期です。
お風呂で皮脂が落ちた後や、乾燥しやすい季節はしっかり保湿剤を塗って、乾燥を防ぎ、バリア機能を補う注意が必要です。
より乾燥しやすいアトピー体質の人ならなおさらです。しかし、思春期が近づき、血液中の性ホルモンの量が増えてくると、皮脂分泌が多くなるとともに、バリア機能も強くなるため、そこまで注意する必要がなくなってくることが多いです。
Q.あせも、かぶれはどうやって防ぐ? 食べこぼしは何を使って拭くべき?
あせもやかぶれを防ぐためには、どのようなことに気をつけた方がいいでしょうか?
また、食べこぼしはその都度、しっかり拭いた方がいいですか? その場合、何で拭いてあげたら、肌あれしにくくなるんでしょうか?
A.あせもは汗をかいたまま放置しているとなりやすいため、汗をかいたらこまめにシャワーで流したり、乾いた木綿の下着に取り替えることが大切です。
大量に汗をかいた後は、汗を早く皮膚の表面から取り去り、しばらく室温の低い涼しい部屋で休むことも必要です。
かぶれは、食べ物、排泄物、化学物質などが付着して、それに対して皮膚がアレルギー反応を起こした状態です。そのような余計な外来物質が皮膚に着いたら、少しでも早く拭き取ったり、洗い流したりして、そこに長くとどめないようにしましょう。
食べこぼしはその都度拭いた方がいいのですが、その際乾いたティッシュなどでこすり取ると、刺激になってかえって皮膚が荒れてしまうため、濡れたティッシュでやさしく拭きとるか、さっと洗う方が擦る刺激が少なくて良いでしょう。
それでも何度も拭いたり洗ったりすると、大事な皮脂まで奪われてしまうので、口の周りが荒れやすいお子さんでは、食事の前後に口の周りにワセリンなどを塗ってバリア機能を補強することをお勧めします。
Q.赤ちゃんの傷口から親の水虫やウイルスが感染する可能性は高いの?
赤ちゃんの傷口から、親が患っている水虫やウイルスなどが感染することはありますか?また、そういうことが起きる可能性は高いのでしょうか?
A.傷口から感染する可能性が高いのは、ウイルスや真菌(水虫などのカビ)ではなく、細菌です。
細菌が皮膚に感染すると、とびひや、せつ(皮膚の深いところに膿を持つ状態)になり、抗生剤の塗り薬や飲み薬が必要になります。
水虫の原因の真菌(カビの一種)は傷口でなくても、皮膚の表面の角層についてそこで増えてできる皮膚病です。カビの一種ですから湿気を好むので、靴下などを長い間はいたままにしないで、外出から帰ったら早く脱いで乾燥させるようにしましょう。
皮膚にできるウイルス性の病気には、水いぼやヘルペスがありますが、この場合は、皮膚を常に清潔に保ち、しっかり保湿してバリア機能を補強することが予防につながります。
揺らぎやすい! プレママ&ママのスキンケアのコツ
ここからは、プレママ&ママ向けのスキンケアについて紹介します。妊娠&出産後はホルモンバランスが変化し肌が揺らぎやすくなるため、スキンケアもそれに合わせて工夫をすることが大切です。
女性ホルモンと肌の関係は?
月経から次の月経までのサイクルで、女性の体調や肌の状態は周期的に変わっていきます。それは女性ホルモンの分泌量の変動が原因であることがわかっています。
では、妊娠・出産前後の女性ホルモン量はどのように変わるのでしょうか。
妊娠中は女性ホルモンの分泌量が、なんと普段の100~1000倍に増加。しかし、出産後にはその量が急激に減少します。つまり、妊娠・出産前後は女性ホルモン量が著しく変動します。
それが、肌に影響を与え、シミや乾燥などのトラブルにつながってくるのです。
ストレスが溜まると肌はどうなるの?
普段の生活でストレスや疲れが溜まったときに「化粧ノリがよくないかも...」と感じたことはありませんか?実は、精神的ストレスが肌へ悪影響を与えることが、資生堂の研究で明らかにされています*。
出産後は、育児や睡眠不足などで疲れがたまったり、イライラしたりすることが多くなりがちです。特に初めての妊娠・出産となると不安も多く、なおさらストレスを感じやすくなります。
このようなことも原因となり、肌を守る力が弱くなってしまうのです。
* 土屋徹,人間生活工学,2002:3(4):7-11
妊娠・出産前後のスキンケアで心がけることは?
1.自分の肌もいたわってあげましょう
出産後は特に赤ちゃんのお世話で、自分のことは後回しになりがちですよね。外からの影響を受けやすい妊娠・出産前後は、肌にダメージを与える乾燥や紫外線は大敵です。肌を健やかに保つため、しっかり保湿し、日中は特に紫外線対策を意識し、肌を守りましょう。
2.肌に意識を向ける
スキンケアは肌だけでなく、心にもよい影響を与えてくれます。普段スキンケアをするときから肌にやさしく触れたり、肌の柔らかさを感じるなど、肌に意識を向けることも立派なケア。そこでゆっくり深呼吸をすれば、肌だけでなく心のコンディションもよくなるはずです。
正しいスキンケアで、デリケートな赤ちゃんの肌をすこやかに育んでくださいね!
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