化粧品の中身の正しい捨て方とは?資生堂美容部員が丁寧に解説!
「残っている化粧品の中身、どう捨てるのが正解?」
ずいぶん前に買ったファンデーション、もう使わなくなってしまったリップ…。
いざ処分しようとしても正しい捨て方がわからず、「なんとなく捨てている」「中身が入った容器ごと捨ててしまった」「本当は捨てたいけど化粧品をため込んでいる」なんて経験をしたことはありませんか?
ギクッとした方、必見!困ったときに即解決できる「化粧品の中身の正しい捨て方ガイド」をお伝えします!
使わなくなった化粧品を無くすことで、部屋も気持ちもすっきり片付く。コスメの断捨離から年末の大掃除、毎日の化粧品整理などでぜひ参考にしてみてください♪
今回、解説するのはこちら!
資生堂パーソナルビューティーパートナー
KANA
美容部員歴11年目|現在はSNSを中心に活動中!
美容雑誌級の細かすぎる解説マニア・語りすぎ美容部員です♪
Instagramもぜひのぞいてみてください!
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化粧品 基本の捨て方|3か条
化粧品はアイテムによって形状が様々…。だからこそ捨て方の定義が定まらず、つい迷ってしまいがちですよね。
そんなときはこの3つを意識すると、「正しく化粧品を捨てるための指標」となります。覚えておくのがおすすめです!
▶ その1 化粧品は「中身」と「容器」に分ける
古くなってしまった化粧品を捨てる場合、「使いかけで残ったままだった…」と困ることが多々ありますよね。
化粧品の中身は回収できないため、できるだけ空にした状態でごみに出すことがポイントです。ファンデーションやアイシャドウ、リップなどの固形物は基本的に「可燃ごみ」になるため、はじめに「中身」と「容器」を分ける作業からスタートしましょう!
▶ その2 容器や箱にリサイクルマークがあるか確認する
中身を捨てたら次は容器の分別です。化粧品の容器や外箱には、どのような素材でできているのかを表す「容器包装識別表示」があります。
このマークを基準に容器を分別し、容器は「きれいにすすぐ・拭き取る」などの工程までしておくのがおすすめです!お住まいの自治体によっては「資源」として出せる場合もあります。
▶ その3 自治体のごみ処分ルールに従う
化粧品の最終的な捨て方は、お住まいの地域によって出し方が異なるもの。
ここで正しく分別されていないと回収してもらえないので、ごみ分別のルールをお住まいの自治体ホームページなどで確認することが大切です!
ひと目でわかる!|中身の捨て方 一覧表
「化粧品の捨て方を調べるのがめんどうで、先延ばしにしがち…」「中身が残っているファンデをそろそろ捨てたい…」
そんなときは、捨て方の全体像をざっくりと把握しておくことでスッキリします!捨てたい化粧品の種類がたくさんある方にも、パッと比較できるこちらの一覧表がおすすめです!
あとで見返せるように、ブックマークに保存もお忘れずに!
使いきれていない…。中身の捨て方|一覧表

ご覧いただくとわかる通り、実はほとんどの形状が可燃ごみとして処分できます! 空になった容器は、正しく分別されていないと回収してもらえないこともあるので、自治体のホームページを必ずチェックしましょう!
中身の形状別|正しい捨て方ガイド
一覧表を見ることで、分別方法がふわっとイメージしていただけたかと思います。
でも実際、「容器の底に詰まって出てこない、リップの捨て方は?」「化粧水の残りが少なかったら、水に流してもいいの?」など、具体的な捨て方に関する疑問もありますよね…。
次のパートでは“中身の形状別”に、捨て方を徹底解説していきます!
「リアルに迷いやすいパターン」や「ちょっとした引っかかり」も、Q&Aを交えながらお答えしているので、スッキリ解決に繋がるヒントになれば嬉しいです。
液体状
アイテム例
化粧水・乳液・美容液・クリームなどのスキンケアから、化粧下地・リキッドファンデーションやリップグロスなどのメイクアイテム
▶準備しておくとよいもの
・液体を含ませる紙や布など
・量が多い場合は、牛乳パックや紙コップがあると便利です!
▶ Step1
残っている量が少ない場合は、そのまま紙や布などに含ませましょう。
多い場合は液漏れを防ぐために、牛乳パックや紙コップを準備。紙や布を敷いてから含ませるのがおすすめです!
紙や布に含ませた液体状の中身は、「可燃ごみ」として捨てます。
▶ Step2
容器が洗える場合は、軽く洗って乾かしておきます。
Q.空になった容器は…?

A.お住まいの地域によってごみの出し方は異なるため、自治体のホームページを必ずチェックしましょう!
また、乳液やクリームなどの粘度が高くて容器から出にくいものもありますよね…。そんなときは、牛乳パックや紙コップに紙や布を敷いて、立てかけておくと中身をきれいに出せます♪
Q. 中身が残ったスキンケア、水に流してもいい…?

A. 中身が残ったスキンケアを洗面所やトイレなどから下水道に流すことは、水質汚染につながる可能性があります…。
環境のためにも紙や布に含ませてから、「可燃ごみ」として処分しましょう!
パウダー状・練り状
アイテム例
おしろい・パウダーファンデ・アイシャドウ・チーク・ハイライトなど
▶準備しておくとよいもの
・中身を包む紙や布など
・ケースの角を削る綿棒や爪楊枝があるときれいに取り出せます!
▶ パウダー状
ルースパウダーのように、もともとが「粉のようなパウダー状」の場合は、容器からそのまま紙や布に中身取り出します。
▶ プレスト状
一方で、パウダーファンデーション・プレストパウダー・アイシャドウ・チーク・ハイライトなどの「プレスト状」のものは、割れて飛び散る場合があります。
そのためこちらのステップで取り出しましょう◎
✓ 残りが少ない場合…綿棒や爪楊枝などで中身を削り出す。
✓ 形がしっかり残っている場合…ビニール袋などに入れた状態で表面を叩いて割る
▶ 練り状
「練りタイプ」のファンデーション・アイシャドウ・チークなども同じように、綿棒や爪楊枝などで削り出します!
出し終えた中身は、どの形状も「可燃ごみ」として処分します。
Q. 中皿やコンパクトケースは…?

A. パウダーファンデーションなどによく使用されている中皿やコンパクトケースなどが外せる場合は、分けて容器にある材質表示に従って処分します。
鏡がついている場合は無理に分解せず、不燃ごみとして処分しましょう!
スティック状
アイテム例
リップスティック・リップクリーム・スティックタイプのコンシーラーなど
▶準備しておくとよいもの
・中身を包むティッシュや紙、布など
・中身をかき出す綿棒などがあるときれいに取り出せます!
▶ Step1
容器を目いっぱい繰り出し、出てきた中身をティッシュで包みながら折る。
▶ Step2
容器の底に残った中身は綿棒などでかき出す。
中身をすべてかき出し終えたら紙や布などに包み、「可燃ごみ」として捨てます!
Q. 使い切れなかった“日焼け止めスティック”は?
A.こちらも「中身」と「容器」に分別しましょう!
スティックタイプの日焼け止めでも、油分や紫外線吸収剤が含まれているものが多いため、可能な限り取り除きます。
底面などに残っている場合は、割り箸や綿棒などを使うと奥まで届きやすいですよ!取り出した中身は、紙や布に包んで「可燃ごみ」に出します。
空になった容器は、「容器包装識別表示」を見て分別しましょう!どんな材質でできているかがわかるので、ごみ捨ての指標となります。
材質がわかったら、最後はお住まいの自治体ホームページをチェック。その材質がどのごみに分類されるのか確認してみてくださいね。
高濃度アルコール
アイテム例
ポリッシュネイル・除光液・香水などの高濃度アルコールなどは、引火性が高いため必ず容器を空にします!
▶準備しておくとよいもの
・中身を包むティッシュや紙、布など
・中身をかき出す綿棒などがあるときれいに取り出せます!
▶ Step1
においが強く、液漏れもしやすいため、ジッパー付きの袋に紙や布を入れて中身を吸収させます。
▶ Step2
口をしっかりと閉めて「可燃ごみ」に出しましょう。
このとき、必ず火気には注意。
高濃度アルコールは引火性が高いため、中身を取り出す際は風通しの良い屋外やベランダなどでの作業がおすすめです。
実はちがう!手指消毒用エタノール液は…?

A. 一見、高濃度アルコールと似たようなカテゴリに分類されやすい「手指消毒用エタノール液」
実はお住まいの自治体の廃棄方法に従う必要があり、「高濃度アルコール」と違う捨て方の場合があります!必ずお住まいの自治体ホームページで確認しましょう!
エアゾール
アイテム例
ヘアスプレー・制汗剤・日焼け止めスプレーなど
▶ Step
噴射音が出なくなるまでボタンを押して、残ったガスをしっかり抜いたらOK!

「高濃度アルコール」のときと同様、火気には要注意。ガスを排出する場所にも気をつけましょう。台所のシンクの中や浴室などの室内は引火・爆発の危険があるのに加えて、換気不足でガスを吸い込むリスクがあるため絶対にNG!
中身を抜く際は風通しの良い屋外やベランダなどでの作業がおすすめです!
Q. 噴射口が詰まって、中身が出にくいときは?
A.「お湯」に数分間、濡らすのがおすすめ!
1:噴射口のボタン(先端)を取り外し、お湯に数分間浸す
2:ボタンの水気をふき取って、スプレー缶に再び差し込む
3:詰まりがひどいときは、40度くらいのお湯にボタンを「数分間」浸すと◎
※浴室での残ガス排出行為はおやめください
Q. エアゾールの中身を出し切れない場合は?
A. お住まいの自治体に問い合わせするのがベター。
中身が残ったまま捨ててしまったり、ほかのごみと一緒に収集車に入れてしまうと回転板に挟まれ、ガス漏れを起こしてしまうので非常に危険です。エアゾール製品は可燃性の液化石油ガス(LPG)やジメチルエーテル(DME)を含んでいるため、ごみ集積車や廃棄物処理施設で火災・爆発事故の原因となる可能性が。必ず残った中身を出し切ってから廃棄する必要があります。
廃棄に困った場合は、まずはお住まいの自治体へお問い合わせください。
また、資生堂商品の場合、郵送料はお客さまの負担となりますが、資生堂でも廃棄を承っております。
迷いやすい!容器の捨て方
化粧品の中身は、基本的に「可燃ごみ」で処分できることがわかりました。できる限り、紙や布に中身を含ませて、容器は空の状態に分別しておきましょう!
一方で、迷いやすいのは容器の捨て方。「化粧品の容器」とひとことで言っても、樹脂や紙など実際にはかなり多くの材質が使われています。中には1つのアイテムに複数の素材が組み合わさっていることもあり、見た目では判断がしにくいことも…。
そのため、容器や外箱にある「マーク」を確認すると、分別の指標となります!
容器に書かれた「容器包装識別表示」とは?
化粧品の容器に、小さなマークが印字されているのを見たことはありませんか?
それは「容器包装識別表示」といって、化粧品の容器や包装に記載される情報全体を指しています。
きっとペットボトルやアルミ缶などで見たことがあるはず。
実はよく見てみると、化粧品の容器にもついていることが多いんです…!
この「容器包装識別表示」には、具体的に2つの内容が含まれています!
▶ 1.「識別表示」
どんな素材でできているかを表す「リサイクルマーク」
容器包装リサイクル法に基づき、消費者がごみを分別しやすくするために付けられた、リサイクルマークのことです。
代表的なマークに「プラ・PET・スチール・アルミ・紙・ガラスびん」などがあります。
例えば「プラ」マークがあれば、「プラスチック製容器包装」として分別できて、「捨てるときの判断材料」となるわけです。
▶ 2.「材質表示」
その製品や実際に使われている素材の種類を、メーカーが任意で記載したもの
代表的なマークに、PET・PP・PS・ガラスなどがあります。「PE」「PS」などは、プラスチック材質の略称記号。
化粧品では容器の裏や底面に「容器:PE,PS/キャップ:PP」などと書かれていたりします。
複数のプラスチック材質を使用している場合は、主たる材料(最大重量)の記号を先頭に表示し、その下に線を付けてPE,PSのように記載されています。
材質表示は、製品を構成するそれぞれの部品の材質を詳しく知るための情報なのです!
この2つの意味を知っておくと、分別時に迷うことがぐっと減り、より正しく処分できます。手もとにある化粧品も、このマークから探してみてくださいね。

なぜこのマークが大切かというと、ここで正しく分別されていないと回収してもらえないことがあるからです。そしてお住まいの地域によってごみの出し方は異なるので、最終的な判断は自治体のホームページを必ずチェックしましょう!
正しく捨てて、環境にも優しい断捨離を
お気に入りを見直して本当に必要なものを残すことで、気持ちまで軽く、すっきり整ってきませんか?
中身や容器を丁寧に分けて、正しく捨てること。環境にも、自分の暮らしにも優しいサイクルが生まれます。
実は資生堂では、プラスチックの削減を目指すプロジェクトにも参加しています。明日から誰でも参加できる「美の循環」をつくるサービスです。

このサービスは、化粧品の容器の捨て方に迷う方にもおすすめ。中を洗う必要はなく、容器の分解をする必要もありません。
使い終わったらそのまま「BeauRing BOX」に入れるだけ。収集場所は関東の各所にあるので、ぜひリンクから近い場所を探してみてくださいね。
終わりに
お気に入りのアイテム・思い出がつまったアイテムを捨てるのは、かなりエネルギーがいるものですよね。
そんなアイテムを手放すときも、正しく化粧品を捨てる意識を持つことで、暮らしにも、自分にも、気持ちにもスッキリ心地のよい循環が生まれます。
その小さなひと手間が環境を守り、きれいが育つ。捨てる瞬間まで美意識を持つこと、今日から一緒に始めてみませんか?
資生堂パーソナルビューティーパートナー
KANA
美容部員歴11年目|現在はSNSを中心に活動中
美容雑誌級の細かすぎる解説マニア・語りすぎ美容部員
Instagramもぜひのぞいてみてください♪
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