男のたしなみ、プロのコツ

  • 自転車ツーキニスト 疋田 智さん
  • フォトグラファー 澁谷 征司さん
  • ラテアーティスト 澤田 洋史さん
自転車ツーキニスト 疋田智×自転車の楽しみ 自転車は「人生のスタイル」さえ変える可能性を秘めている

通勤に自転車を使う“自転車ツーキニスト”として、多くの自転車関連の著書をもつ、疋田智さん。昨今の自転車ブームの火付け役ともいえる彼は、スポーツバイクをこよなく愛し、通勤はもちろん、自転車旅も大好きという。そんな疋田さんに、スポーツバイクの面白さを語って頂いた。

自転車には、“中高年男性だからこそ”ハマる面白さがある。

現在の自転車ムーブメントに深く関わっているのって、実は若い人よりも、中高年の男性が多いんです。そういう人たちって、誰しも自転車少年だった時代を送っている。だから「憧れの自転車像」をもっているんですよね。それに自転車で使う、太ももの筋肉群と、腸腰筋などのいわゆるインナーマッスルは、年齢に関係なく鍛えていくことができるんです。しかも太くならない。すらりとした流行りの“細マッチョ”になれる(笑)。ランニングのような衝撃はないし、運動神経も関係ありません。何歳からでも始められて、長く続けられる。大人にとって、これほどいいスポーツはないんじゃないかと思いますね。日本に先駆けて、欧米諸国で自転車がムーブメントになった理由も、実はそういう点にあるんです。

自転車のメカニックも、男性には魅力的ですよね。今の自動車って、ボンネットを開けてみてもコンピュータだらけで仕組みがわからないでしょ。自転車の構造は、ものすごくわかりやすいけど、奥が深くて、全部を自分の思い通りに組むことができる。自転車には、そういう“理解できる面白さ”があるんです。

自転車ツーキニスト 疋田 智さん

旅には折り畳み自転車を。さらに遠くまで、自由に出掛けられる。

自転車ツーキニスト 疋田 智さん

自転車を移動手段に使う利点は、活動範囲が激的に広がることにあります。そんなに性能の高くないスポーツバイクでも、時速20キロは簡単です。まったくの初心者が「1時間こいで30分休む」というペースで進んでも、6時間で約80キロは行けます。大宮あたりを中心として考えると、その半径80キロの円の中に関東地方がほぼすべて入ってしまいます。わたしも、仕事が忙しくないときは、関東一円に自転車で出掛けていました。都心に住んでいると、意外に、東京以外の関東の都市を知らないんですよね。好奇心のおもむくままに移動できるから、知らなかったお祭りがあったり、ガイドブックに載っていないような史跡を発見できて面白いんです。

旅をするなら、折り畳み自転車がオススメですね。例えば、日帰りで行くとすると、普通の自転車の場合、昼頃には折り返して帰り始めなくちゃならない。でも、自転車を折り畳んで、帰りは電車を使うと思えば、2倍の距離を行けますよね。帰り道の体力や時間を心配しなくていいから、すごく自由に旅ができるんです。

わたしはまだ40代ですが、定年退職したら、自転車で日本一周をしたいですね。自転車に乗り続けて、そういう60代になりたいなと思っているんです。


自転車ツーキニスト 疋田 智さん
プロフィール

疋田 智 Satoshi Hikita/自転車ツーキニスト
通勤に自転車を使う“自転車ツーキニスト”。テレビプロデューサーという本業の傍ら、NPO自転車活用推進研究会理事などを務め、都市交通における自転車の活用を提言。『自転車ツーキニスト』(光文社)、『ものぐさ自転車の悦楽』(マガジンハウス)など著書多数。

http://melma.com/backnumber_16703/

自転車ツーキニスト 疋田 智さん

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