男のたしなみ、プロのコツ

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  • ラテアーティスト 澤田 洋史さん
ラテアーティスト 澤田 洋史さん×ラテの楽しみ ラテアートは「ひとつの文化」。マシンを愛し、スポーツのように楽しんで

エスプレッソに泡だったミルクを注ぎ、茶と白のコントラストで模様を作り出す、フリーポア ラテアート。澤田洋史さんは、ミルクピッチャーだけで繊細な絵柄を描く、この技術の世界大会でチャンピオンに輝いた、一流のバリスタだ。そんな彼に、ラテ作りの面白さとコツを教えて頂いた。

まるでスポーツ。そのエキサイティングな感覚が、ラテアートの魅力。

ラテアートが発展したのは、アメリカ西海岸のシアトルです。シアトルは、スケートボードやロッククライミングなど、スリルあるスポーツが盛んな土地。ミルクピッチャーひとつで、カップのふちギリギリまでミルクを注いで描くラテアートも、そういうスポーツの感覚に似た面白さがありますね。スケートボードやスノーボードの技をやるときに、一瞬でも恐怖心に捕われると、技は成功しない。ラテアートも、余計なことを考えるときれいに仕上がりません。だから、神経を研ぎすまし、カップの奥のミルクの流れにまで集中して、無心で注ぐんです。体の感覚で技術を覚えていく点も、スポーツに似てますね。

ラテアートが文化になっているシアトルでは、バリスタの人たちが、ハーレーダビッドソンのバイクを改造するかのように、自分のエスプレッソマシンをカスタマイズして、オリジナリティを出しています。僕も店のマシンを、迷彩柄に塗装していますね。家でエスプレッソマシンを使うときも、使った後はきれいに洗って、インテリアとして眺めたり、愛車のように親しんでみるといいんじゃないかと思います。

ラテアーティスト 澤田 洋史さん

美しいラテは美味しさの証明。奥が深いから、毎日作りたくなる。

ラテアーティスト 澤田 洋史さん

ラテアートは、見た目の美しさと味が比例します。肉眼で泡の形がわからないくらいきめ細かく泡だったミルクは、見た目にもきれいで、舌触りもシルキー。エスプレッソも完璧な状態で抽出されていないと、きれいなアートは描けません。その日の天気や湿度、コーヒー豆の焙煎状態などによって、抽出したエスプレッソの状態が違ってきて、奥が深い。だから、毎日やっていても飽きないんです。

ラテにするコーヒー豆を選ぶなら、焙煎がやや深めでビター感のあるものがオススメですね。酸味は少ない豆のほうが、ミルクとマッチします。ミルクは、成分無調整のものを。温めすぎると甘みが飛んでしまうので、店では62~63度になるようにしています。家庭用のマシンを使ってアートを描くなら、カップは小さめのもののほうが、描きやすいですよ。基本のハート柄をひとつ描くことから、挑戦するといいと思います。朝食と一緒に飲むのはもちろん、ラテは和菓子ともよく合うので、お客さまが来たときなど、様々なシーンで楽しんでみてください。


ラテアーティスト 澤田 洋史さん
プロフィール

澤田洋史 Hiroshi Sawada/ラテアーティスト
ラテアーティスト。2008年シアトルで、フリーポア ラテアート ワールドチャンピオンに大会歴代最高スコアで受賞。現在はカフェ「ストリーマーコーヒーカンパニー」をプロデュースするほか、メディアへのラテアート提供など幅広く活躍中。

http://streamercoffee.com/

ラテアーティスト 澤田 洋史さん

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