さまざまな肌悩みと向き合い、肌のことを知りつくした皮ふ科医が、毎日のスキンケアに役立つポイントや肌トラブルへの心がまえについてアドバイスします。※d プログラムは、敏感肌の方のご協力によるパッチテスト等を行いながら開発されています。

日光による皮膚トラブル

日光照射で生じる皮膚疾患:光線過敏症

普通の人なら問題ない程度の日光に当たることで、皮膚症状が引き起こされる疾患を総称して「光線過敏症」と呼びます。その皮膚症状は、紅斑、水疱、丘疹、色素沈着、じんましんなど多彩で、かゆみのあるケースが多いですが、疾患によっては痛みを伴う場合もあります。また、原因は日光とは別であるものの、日光照射によって症状が誘発されたり悪化されたりする疾患も広い意味では光線過敏症といえます。
光線過敏症には、遺伝性のものと遺伝性ではないものがあり、遺伝性でない光線過敏症はさらに光化学反応のみ生じるもの(光毒性)と、光化学反応の結果アレルゲンが作られ、アレルギー反応により症状が起こるもの(光アレルギー性)に分かれます。

光アレルギーの原因

日光が関与する「光アレルギー」による皮膚疾患は、内因性と外因性に分けられます。
内因性のものとしては、日光を浴びてから5~10分程度で皮膚症状が生じる「日光蕁麻疹」、少し時間が経ってから皮膚症状が生じる「多形日光疹」や「慢性光線性皮膚炎」が挙げられます。
外因性の場合は、薬剤、サンスクリーン剤、ヘアカラーなどに含まれる成分が日光により化学変化を起こしてアレルギー反応を生じ、皮膚症状を引き起こします。薬剤を内服しているときに日光を浴びて発症する「光線過敏型薬疹」、原因物質が接触した部分や湿布を貼った部分に日光が当たり発症する「光接触皮膚炎」が挙げられます。原因物質としては、薬剤では非ステロイド系抗炎症薬、サンスクリーン剤ではオキシベンゾン類、ヘアカラーではパラフェニレンジアミンなどが報告されています。

光線過敏症の予防法・対策法

光線過敏症にはさまざまな疾患が含まれ、疾患ごとに原因やメカニズムが異なるため、自己判断で市販薬を使用したり、日焼けと同様に軽く考えて放置したりすると、重症化する場合があるので注意が必要です。
まずは皮膚科を受診して原因を調べ、診断を受けましょう。疾患に応じた治療薬が処方されるので、医師の指示に従ってきちんと使用します。薬剤が原因の場合は、その薬剤の中止や変更について、処方されている診療科にも相談する必要があります。
その上で、自分でできる予防・対策としては、何よりも日光を極力浴びないようにすることです。外出の際は帽子や日傘、手袋、長袖の洋服、サングラスで防御し、室内でもカーテンやフィルムを使って窓からの光線を遮ります。
サンスクリーン剤を使う場合、敏感肌の方は、肌に刺激の強い紫外線吸収剤ではなく紫外線散乱剤のみを使用した製品(吸収剤無配合、ノンケミカル)を選びましょう。ただし、サンスクリーン剤の成分が原因物質になる場合もあるので、自分に適したサンスクリーン剤は何か、皮膚科で相談するようにしましょう。

教えてくださったのは

日光による皮膚トラブル|奈良県 奈良市 小林皮ふ科クリニック 院長 小林 信彦 先生

奈良県 奈良市

小林皮ふ科クリニック 院長 小林 信彦 先生

部分照射型紫外線照射装置のある皮膚科クリニックでは、UV-Aランプを使用して光線過敏型薬疹の診断ができます。当院では、わかりやすく優しい説明、患者さんの視点に立った診療を心がけ、ご家族の方にも安心していただける医療を目指しています。どうぞ遠慮なく一度ご相談下さい。