皮ふ科医に聞く ミニ知識
乾燥やシミ・そばかす、ニキビあと… 肌に関するお悩みはさまざま。気になる紫外線や、アンチエイジング対策など、ふだんの生活でできるスキンケアや肌トラブルへの心がまえについて、第一線でご活躍中の皮ふ科の先生にお聞きしました。

肌トラブルが起こりやすい人のニキビ・吹き出物のケア

あなたの肌は敏感肌?

自分が「敏感肌」と思っている方の肌トラブルの多くが、実は敏感肌によるものではなく、誤ったスキンケアや偏食・睡眠不足などによるものです。
スキンケアや生活習慣の乱れからくる肌にはニキビや吹き出物ができやすく、しかも治りにくいため悪循環に陥ります。ニキビ等に対する治療とともに、正しいスキンケアを行い、食生活や睡眠などを見直しましょう。
スキンケアや生活に問題がないにもかかわらず、肌トラブルが起こりやすい「真の敏感肌」の場合、自己流の治療は禁物です。すぐに皮膚科を受診しましょう。

ニキビのでき方

状態1:面皰(めんぽう)(白ニキビ・黒ニキビ)

毛穴周囲の皮膚が厚くなり、ふさがった毛穴に皮脂や角質が詰まった状態をいいます。毛穴が完全にふさがって白く見える「白ニキビ(閉鎖面皰)」、毛穴の先が開いているため酸化した皮脂やメラニンで黒く見える「黒ニキビ(開放面皰)」があります。

状態2:炎症性皮疹(赤ニキビ・黄ニキビ・紫ニキビ)

面皰で過剰に増殖した常在菌「アクネ菌」を攻撃するため、白血球が集まって炎症を起こすと赤く腫れて「赤ニキビ(紅色丘疹)」になります。さらに炎症が進むと、膿が溜まった「黄ニキビ(膿疱(のうほう))」になります。また、炎症が長引くと、皮膚の下に膿がたくさん溜まって盛り上がり、出血も伴うことで「紫ニキビ」になることもあります。ここまで炎症が強くなると、盛り上がったニキビ痕(肥厚性(ひこうせい)瘢痕(はんこん))や凹んだニキビ痕(萎縮性(いしゅくせい)瘢痕(はんこん))が残ってしまうこともまれではありません。

思春期ニキビと大人ニキビの違い

大人ニキビは、思春期ニキビと同様、皮脂の過剰な分泌によって起こり、不適切なスキンケアや生活、ストレスで悪化します。一方、肌は乾燥しており保湿ケアも重要なこと、ホルモン周期やホルモンバランスの乱れが背景にあるケースも多いことが、大人ニキビの特徴です。

ニキビ肌のスキンケア

スキンケアの基本である、洗浄、保湿、紫外線防御は不可欠です。洗顔は1日2回で十分です。過剰な洗顔はかえってバリア機能を破壊し、乾燥の原因となります。スキンケア製品は低刺激で油分が少ないものを選びましょう。
さまざまなニキビ用化粧品(医薬部外品)がありますが、「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記された製品は、試験を行い、ニキビを悪化させないことが確かめられているのでおすすめです。メイクアップでは、油分の多いクリーム状のファンデーションを避け、パウダー状のファンデーションを薄付けします。

ニキビ(尋常性ざ瘡)の皮膚科治療とは

日本皮膚科学会「尋常性ざ瘡治療ガイドライン」では、ニキビに対する最適な治療法が示されています。毛穴の詰まりを改善して面皰ができるのを防ぐ薬や、アクネ菌に対する抗菌作用をもつ薬など、新しい塗り薬が使えるようになり、遅れていた日本のニキビの治療はここ数年で世界標準に近づきました。悪化して痕が残らないよう、早めに皮膚科を受診して、適切な治療を受けましょう。

教えてくださったのは
肌トラブルが起こりやすい人のニキビ・吹き出物のケア|群馬県 前橋市 前橋皮膚科医院  大川司 先生

群馬県 前橋市

前橋皮膚科医院 大川司 先生

外用薬、内服などの内科的治療の薬物療法に加え、手術などの外科的治療も行います。 お子さまからお年寄りまで幅広い皮膚の病気のご相談に応じます。皆さまがより健やかな生活を送れますよう努めて参ります。皮膚の症状にお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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