さまざまな肌悩みと向き合い、肌のことを知りつくした皮ふ科医が、毎日のスキンケアに役立つポイントや肌トラブルへの心がまえについてアドバイスします。※d プログラムは、敏感肌の方のご協力によるパッチテスト等を行いながら開発されています。

顔のテカリ・皮脂の対処法

化粧崩れ、顔のテカリを引き起こす原因

化粧崩れや顔のテカリをもたらす主な原因として汗と皮脂があげられます。
皮脂の分泌量は性ホルモン(アンドロゲン)が大きく影響するので、思春期から成人(女性では20歳代、男性では20~40歳代)にかけて多く、その後は加齢とともに減少します。女性の場合は月経後の黄体期にも増加します。また、顔の中でも額から鼻にかけた部分(Tゾーン)は皮脂の分泌量が多く、化粧崩れの原因になります。特に夏は、汗と皮脂のダブルパンチで化粧崩れやテカリが起こりやすい季節です。

皮脂が原因で起こる肌トラブル

皮脂は外界から異物が侵入するのを防ぎ、肌からの水分蒸散を抑制する役割があります。一方で紫外線や空気にさらされ,酸化して肌に障害を与える可能性があります。皮脂の分泌が適量であれば、肌への悪影響はほとんどありません。しかし過剰に分泌されると、皮膚表面における皮脂と水分のバランスが崩れ、皮脂を好む常在菌が増殖して脂漏性皮膚炎や尋常性ざ瘡(ニキビ)などの肌トラブルが起こってしまう場合があります。逆に分泌が少な過ぎると乾燥してドライスキンとなり、アトピー性皮膚炎や乾皮症などを引き起こす場合があります。

皮脂との上手なつきあい方

皮脂トラブルを防ぐためには、1)清潔に保つこと、2)必要十分な水分と油分を保つこと、3)物理的刺激を与えないことが大切です。
スキンケア製品は、オイリー肌用や必要に応じてニキビ肌用の製品を使用しましょう。皮脂分泌が多いと強い洗浄剤でゴシゴシ洗ったり、保湿や紫外線対策を省いたりしがちですが、適切なスキンケアで皮脂と水分のバランスを保ち、刺激として肌にダメージを与える紫外線を防ぎ、皮膚のバリア機能を保持することが重要です。日中は過剰な皮脂のみをティッシュなどでおさえて除去しましょう。あぶらとり紙などを使って頻繁に取り除くと刺激になる上、逆に乾燥してしまいます。

皮脂バランスを整えるスキンケア・日常生活

●スキンケア

メイクアップ化粧品は毛穴を塞ぐので薄付きにし、帰宅後はすぐに落としましょう。メイク落としはオイル、ジェル、クリームタイプのものを優しく肌になじませて化粧を浮かします。洗顔料は、皮脂が多いからといって洗浄力の強いものを使うと、保湿成分や細胞間脂質など肌に必要なものも除去してしまいます。よく泡立て、ゴシゴシ擦らず包むように洗い、肌に残らないよう十分にすすぎましょう。洗顔後は保湿剤で水分と油分を補給します。皮脂が気になるからといって保湿を怠ると、過剰な皮脂分泌につながり、化粧崩れしやすくなってしまいます。

●日常生活

性ホルモン以外に皮脂の分泌に影響するものとして、食事・生活習慣・ストレスなどが挙げられます。健康な肌を維持するためにバランスのよい食事、禁煙、適度な運動、十分な睡眠・休養、ストレス発散を心がけましょう。
以前、チョコレートやピーナッツなどを食べ過ぎるとニキビができるとよく言われていましたが、これらの食べ物とニキビとの間に明確な因果関係はないことが分かってきました。でも、脂肪の主成分である中性脂肪TG(トリグリセリド)の増加を避けるために、動物性脂肪や糖質を摂りすぎないよう注意しましょう。

教えてくださったのは

顔のテカリ・皮脂の対処法|富山県 高岡市 皮膚科ちえこクリニック 院長 梶澤知恵子 先生

富山県 高岡市

皮膚科ちえこクリニック
院長 梶澤知恵子 先生

皮膚になにかできたときにみなさんどうされますでしょうか? “こんなことで病院にかからなくてもいいわ”と思われる方も多いのではないでしょうか。自己判断で薬をつけたり、放置している間にこじらせてしまわれた経験はないでしょうか。たかがと軽く考えられがちな皮膚病ですが、重要な病気のサインであったり、治らない湿疹が実は皮膚がんであることがあります。皮膚に何か起こった際にはどんな些細なことでも気軽に相談していただきたいと思います。皮膚科専門医として地域のみなさまのお役にたてるよう努めていきたいと思っております。