さまざまな肌悩みと向き合い、肌のことを知りつくした皮ふ科医が、毎日のスキンケアに役立つポイントや肌トラブルへの心がまえについてアドバイスします。※dプログラムは、敏感肌の方のご協力によるパッチテスト等を行いながら開発されています。

気になる毛穴対策

毛穴開き、黒ずみが起こる理由

毛穴は、真皮から伸びる毛包管が皮膚表面に開口したもので、皮脂腺が必ず付随しています。顔は毛穴が多く、毛包管や皮脂腺も大きいため、毛穴が開くと目立ちます。また、毛穴に皮脂や汗、古い角質や老廃物が詰まると角栓となり、角栓が酸化すると「黒ずみ」として見えます。また同じく「黒ずみ」として見えるのがうぶ毛です。Tゾーンには短くてやや太めの毛が目立ちます。
気温が高い季節や思春期の年代は新陳代謝が活発になるので、皮脂の分泌量が多くなり、毛穴が詰まりやすくなります。

毛穴ケアの方法

毛穴開きは、大きく3つのタイプに分けられます。
① 詰まり毛穴:毛穴に角栓が形成されたもの
② 開き毛穴:皮脂の分泌量が多く毛穴が広がったもの
③ たるみ毛穴:年齢による皮膚のたるみに伴うもの
詰まり毛穴に対する毛穴パックやタンパク質を分解する酵素洗顔、開き毛穴に対する皮脂分泌抑制効果をもつスキンケア化粧品、たるみ毛穴の対するエイジングケアなど、各タイプに応じた対策もありますが、頻繁に行うと、肌を傷めたり、かえって毛穴が開いたりしてしまいます。
詰まり毛穴の角栓は、除去しても1~2週間で再生されます。また、開き毛穴は遺伝、たるみ毛穴は老化が原因であるため、いずれの毛穴開きも根本的な改善は難しいのが現実です。
毛穴ケアのポイントは、いじりすぎない事と適切な洗顔です。洗顔を日に何度も行ったり、強く擦ったり、使用回数を守らず頻回の毛穴パックなどは肌が傷つき、炎症を起こし必要な油分まで失われて乾燥してしまいます。洗顔は、肌質、化粧の程度に応じ、適切なクレンジング、洗顔料の種類を選び、きちんと化粧と過剰な皮脂を落としましょう。そのうえで、保湿を心掛けましょう。また、皮脂のコントロールには、食生活への注意の必要です。皮脂の分泌を促す甘いものや脂っこいものは、控えるようにしましょう。

毛穴の病気と治療

むだ毛剃りや掻きむしりで毛穴が傷つき、そこに細菌や真菌が入り込むと毛包炎(毛嚢炎)を生じます。赤い丘疹(ブツブツ)や膿を持った膿疱が一つから複数できて、一見ニキビに似ていますが、かゆみや痛みはほとんどありません。ステロイド外用薬を長期間使用しているときや、汗などで皮膚が湿った状態のときも、毛包炎になりやすい状態です。
毛包炎の予防策として、カミソリではなくシェーバーを使う、汗をかいたらシャワーを浴びる、寝具を清潔にする、洗浄剤が残らないようにする、免疫力を低下させないようバランスのよい食事と十分な睡眠を取ってストレスを溜めない、などが挙げられます。
毛包炎は数日で自然治癒しますが、長引く場合、多発する場合、悪化する場合は、皮膚科を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

教えてくださったのは

気になる毛穴対策|佐賀県 佐賀市 ナガセ皮ふ科・泌尿器科クリニック 院長 永瀬謙二 先生

佐賀県 佐賀市

ナガセ皮ふ科・泌尿器科クリニック 院長 永瀬謙二 先生

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