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第7回 銀座 Ginza Zenith 須田善一氏 第4章 10周年という“人生の真夏日”。

撮影:立木義浩

立木:シマジ、今日はこれから北海道へ行かなければならないんで、おれはこれで失礼するよ。撮影は十分だから安心していいぞ。

シマジ:タッチャン、ありがとうございます。では、また来月よろしくお願いしますね。

立木:来月ではなくて、次の予定は来週だろう。

シマジ:そうか、タリスカーゴールデンアワーの取材が来週でしたね。では気をつけて。

立木:シマジ、おれより早く耄碌するんじゃないよ。じゃあな。

石川:そろそろ須田さんのお肌のチェックをさせていただけますか。

シマジ:石川さんは須田バーマンのサーモンピンクの肌判定がどう出るか、早く知りたいんですね。わたしも先程から彼のキメの細かい肌を見るにつけ、判定が愉しみだったんです。

石川:じつは先輩のみなさんからこの取材の心得というか、お酒を飲んで愉しい会話をしているとついついお肌判定を忘れがちになるから気をつけてね、とアドバイスをいただいていましたので・・・。

シマジ:さすが、石川さん、ありがとうございます。

石川:では須田さん、こちらの椅子に座ってください。

須田:わかりました。へえ、肌をチェックするマシーンって意外とハンディーなんですね。もっと仰々しい器械かなと思っていました。

シマジ:須田さん、鋭い指摘です。以前はもっと仰々しい器械でしたよ。こんなにハンディーになったのは、ここ3、4年だと思います。

石川:須田さんは西暦何年のお生まれですか。

須田:1972年生まれです。

シマジ:45歳ですか。45歳にしてオーセンティックバーを経営し、店は今年新築ビルに移転して目出度く10周年を祝い、客層も素晴らしく、人気のバーとして大繁盛している。須田さんはいまがまさに“人生の真夏日”ではないですか。

須田:いえいえ、まだまだこれからです。

石川:判定が出ました。限りなくBに近いCでした。

シマジ:そうでしたか。わたしは須田さんにはBを期待していたんですが、残念でした。でも、あとでいただくSHISEIDO MENの化粧品を、明日から洗顔を含めてぜひ毎日使ってください。須田さんは間違いなくBになると思いますよ。どうみても見た目はBの肌色ですよ。

須田:ありがとうございます。やってみましょう。ところでシマジさん、ル・パランの本多さんも本読みですが、今日はぜひ、本読みの大御所シマジさんに伺いたいことがあるんです。

シマジ:いやいや、わたしのは独断と偏見の読書ですからね。

須田:いままでシマジさんが読んだ沢山の本のなかで、傑作ベスト3を挙げるとしたら、どんな本がありますか。

シマジ:うーん、それはかなり難しい質問ですね。敢えて言わせていただくなら、20代の前半に読んだ本から沢山影響を受けましたね。シュテファン・ツヴァイク全集に入っていた『人類の星の時間』(みすず書房)のなかに「南極探検の闘い」という短いノンフィクションがあるんですが、ノルウェーのアムンゼンに先を越された英国のスコット大佐の悲劇の物語なんです。零下40度のなかで死を覚悟しながら書いた遺言が感動的です。それからこれはいま絶版なんですが、『世界ノンフィクション全集 全50巻』(筑摩書房)のなかの第5巻に入っているウォルター・ロードの「タイタニック号の最期」ですかね。スミス船長の、死に対する潔さが美しいんです。もう一冊挙げろと言われれば、同じ『世界ノンフィクション全集』のなかの第28巻に納められている「戦没学生の手記」でしょうか。いまでもときどき読み返しますが、涙なくしては読めません。20代で戦死された学生たちの手記に対して、若き開高健さんが素晴らしい解説を書いているんですが、それもまた感動的です。こころ揺さぶる本は沢山ありますが、わたしにとって傑作ベスト3はこの3つの作品ですね。

須田:そうですか。でもほとんどいまでは買えないような、幻の作品ばかりですね。

シマジ:そういうときこそ図書館に行くべきですよ。いま思い出しました。川島正という中国大陸で亡くなられた若者は「おれの子どもはもう軍人にはしない、軍人にだけは・・・・・ 平和だ、平和の世界が一番だ」と書いているんです。開高さんもこの一文を絶賛していましたね。70数年前の戦争で、多くの優秀な学生たちを日本は失っているんです。須田さん、これは来年の終戦記念日に読むとまた格別だと思いますよ。

須田:シマジさんはいまでもその全集を手元に置いているんですか。

シマジ:若い頃住んでいたアパートは狭かったので、当時読んだ本は売ってしまいましたが、また最近読みたくなって買い戻したんです。そしてたまに引っ張り出して読んでいるんですよ。

須田:今日教えていただいた3冊は必ず読むことをお約束します。もし図書館にないときは、シマジさん、貸していただけませんか。

シマジ:喜んで。ではそろそろ、資生堂からいらしてくれた石川莉穂さんの単独インタービューの時間としましょうか。石川さんは資生堂に何年に入社されたんですか。

石川:2015年です。

シマジ:勤続年数がまだ3年に満たないんですね。初々しい限りです。資生堂に入社したきっかけというか、動機はなんでしょうか。

石川:わたしは19歳から20歳まで、サンフランシスコ・ステート・ユニバーシティに留学していたんですが、留学生対象の現地の就活で採用していただきました。

シマジ:アメリカで何の学問を専攻されていたんですか。

石川:英語学です。就活していたときのわたしのキーワードは、「イングリッシュとビューティー」いわゆる「英語と美」だったんですが、資生堂の魚住社長の掲げるテーマとまさに合致していて、美を通じてワールドワイドに人々に影響を与えている資生堂に強く惹かれました。そして、毎年開催されているボストンキャリアフォーラムという留学生対象の就活で運良く採用していただいたんです。それは全米に留学している日本人の学生を対象にした就活フォーラムで、わたしのときは180社くらいの日本の企業が集まっていました。資生堂のブースだけでも250名くらいの学生が詰めかけていましたね。

シマジ:そのなかから資生堂には何名くらい採用されたのですか。

石川:5名だったと思います。まさか自分がこんな大企業に入社できるとは想像もしていませんでしたので、入社が決まったときは大感激しました。これからさまざまな部門に携わりながら実務を覚えて、1日でも早くグローバルに活躍できる人材になることが目標です。

シマジ:留学して身に着けた英語力が今後どんどん生かされるでしょう。いま日本の多くの会社が、外国人が参加する会議は英語でやるそうですね。

石川:たしかに資生堂もその傾向が強くなってきたと聞いております。

シマジ:石川さんたちのように英語を自由に操れる人が活躍する時代にますますなってくるでしょうね。親しくしている日産の社員が言っていましたが、上司に外国人の方がきて、毎日必死で英語を聞いて話していると、否応なく英語がわかってくるものらしいですね。彼に言わせると、いわゆる“サバイバル・イングリッシュ”ということらしいですよ。石川さんはいまの業務はどういうことをやっているんですか。

石川:毎月出る新商品やキットの販売実績のフィードバックを行なっています。詳しく申しますと、毎月どの商品がどれだけ売れたかチェックしている部門です。またデジタルサイトのワタシプラスとビューティーフーズの施策運営、スタッフ名簿管理などもやっております。

シマジ:資生堂はワールドワイドで活躍している会社です。きっと石川さんの英語力が生かされる日がまもなくきますよ。そのときは大いに羽ばたいてくださいね。

石川:ありがとうございます。がんばります。

新刊情報

神々にえこひいきされた男たち
(講談社+α文庫)

著: 島地勝彦
出版: 講談社
価格:1,058円(税込)

今回登場したお店

Ginza Zenith
東京都中央区銀座6-4-7 G.O.WESTビル 7F
Tel:03-3575-0061
>公式サイトはこちら (外部サイト)

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