
うっかり日焼けは即シミに?紫外線を浴びたダメージ肌のケア方法
春先から夏にかけて、どんどん増える紫外線量。この時期は、「日焼け止めを塗らずに外出したら、うっかり日焼けしてしまった」という人も少なくないですよね。赤くほてった肌を見て「シミになっちゃうかも…」と悩んでいる方に、紫外線の肌への影響と、紫外線によるダメージを防ぐ方法をご紹介します。

くみこアレルギークリニック
向田公美子先生
紫外線は肌にどんな影響を与えるの?
ひとくちに「日焼け」と言っても、実は2種類あることをご存知ですか? 肌は紫外線を浴びた8~24時間後に「サンバーン」といわれる炎症反応による皮膚の赤みを起こし、2~3日後に一度落ち着きます。その数日後、今度は「サンタン」といわれる皮膚の黒化を起こします。
地上に届く紫外線は、波長の違いでUV-AとUV-Bに分けることができます。サンバーンもサンタンも、主に波長の短いUV-Bが表皮に作用することで引き起こされます。しかし、UV-Aも肌の奥まで届き、真皮にダメージを与えて肌のハリや弾力を低下させてしまうので、どちらの紫外線にも気をつけるようにしましょう。
日焼けをしたら即シミになるの?
紫外線を浴びて肌に炎症が起こると、肌は今後の紫外線ダメージに備えて、メラニンという色素をつくり出します。このメラニンが肌に沈着することで、黒く日焼けした肌色になるのです。
しかし、この黒い日焼けは一時的なもの。通常はターンオーバー(肌の生まれ変わり)とともにメラニンも徐々に肌表面に押し出され、垢とともにはがれ落ちます。そのため、肌の色はまた通常に戻ります。
ところが、長年に渡って紫外線によるダメージが蓄積されると、表皮の奥のメラニン生成工場(メラノサイト)が刺激され、メラニンが過剰につくり続けられるようになります。加齢によるターンオーバーの乱れも影響してメラニンがうまく排出されずに肌内部に残るようになり、シミになってしまうのです。
日焼けによるシミの発生を防ぐには?
シミの発生を防ぐには、やはり「紫外線を浴びない」ことがもっとも重要。日頃から日焼け止めを塗り、日差しの強い季節や場所では日傘や帽子、UVカット加工を施した衣類などで肌を守りましょう。
うっかり日焼けした後のケアは?
日焼け直後の肌は、軽いやけどを起こした状態です。まずは冷やして、炎症を鎮めましょう。保冷剤をタオルにくるんで肌に当てる、ミネラルウォーターをスプレーするなどの方法があります。
ほてりが一段落したら、痛みやかゆみを抑えるために抗炎症成分を配合した軟膏や塗り薬を使うのもよいでしょう。なお、強い痛みや水ぶくれがあるなど通常の日焼けより症状が重い場合は、念のため皮膚科を受診することをおすすめします。
炎症がすっかり治まったら、医薬部外品の美白化粧品でシミ予防のお手入れを始めましょう。美白化粧品の有効成分は、メラノサイトでメラニンがつくられるメカニズムにアプローチするものが多く、メラニンの生成を抑える働きが期待できます。
肌のバリア機能を整えるケアも大切
紫外線対策や美白ケアとともに意識しておきたいのが、「肌のバリア機能」を守るケアです。角層にうるおいを蓄えることで維持されている肌のバリア機能は、紫外線のダメージによって低下しています。そのままでは肌が乾燥し、かさつきやくすみなどトラブルを起こしやすい肌になってしまう可能性もあります。
バリア機能を整えるうえでカギとなるのは、角層細胞の天然保湿因子(NMF)や、細胞間脂質のセラミド。さらに、汗と皮脂が混ざり合ってできた皮脂膜が表面をヴェールのように覆い、肌を保護しています。毎日のスキンケアでは化粧水や乳液で角層にうるおいを与え、その上から肌表面を保護するクリームやバームをプラスするとよいでしょう。
紫外線は肌にさまざまなダメージを与えます。日焼けをするとすぐさまシミになるわけではなりませんが、長年の紫外線ダメージがメラニンを過剰に生み出し、シミの原因になってしまうことも。シミのない明るい素肌をキープするためにも、紫外線対策と合わせて美白ケアやバリア機能を整えるケアを取り入れていきましょう。
KEYWORDS
- 日焼け
- シミ