白髪を目立たなくする対策やお手入れポイントを研究員が解説!おすすめアイテムも♪
黒い髪のあいだに、ちらほらと色が抜けたように白く光って見える白髪。同じ年齢でも多い人と少ない人がいるのはなぜ? 白髪になる3大原因や白髪予防におすすめの方法、お手入れのポイントなどを、資生堂の研究員が解説します。
- 目次
そもそも白髪ってどんな状態
毛髪に色を与えているのはメラニン色素です。メラニンをつくっている細胞は、髪を生みだす毛母細胞にメラニン色素を受け渡すことで、毛髪に色を与えています。このメラニン色素が何らかの原因でつくられなくなると、毛髪は色を失い、光を反射して白く見えるようになります。これが白髪です。
白髪にはメラノサイト(色素形成細胞)が残っているにも関わらずメラニン色素の合成を行っていないタイプ(休止型)とメラノサイトそのものが非常に減少、あるいは欠失しているタイプ(欠失型)があります。白髪の多くは欠失型です。
白髪の3大原因とは?
1.加齢
多くの白髪は自然な老化現象によってはじまりますが、個人差が非常にあります。
2.遺伝的要因
白髪になりやすい人と、そうでない人がいます。これには遺伝的な要因が強いといわれ、若白髪の人は10代~20代で白髪が出はじめることもあります。また、最近の研究により白髪では黒髪に比べて、メラノサイトの生存や維持、黒化に非常に重要な働きをもつ遺伝子の発現量が低下していることがわかっています。まれなケースとして、遺伝的な原因により先天的に色素形成能力のない人も白髪になります。また部分的に皮ふの脱色が起こる白斑症が頭皮部分に起こると、その部分が白髪になることがあります。
3.精神的ストレス・その他
過度のストレスや、栄養状態の不良、薬の副作用や代謝障害によって白髪が生じることが知られています。
白髪のパターンって?
成長期途中から突然白髪になって伸び続ける
髪を生みだす部分にある色素形成細胞が突然死んでしまった結果、または、突然活動を休止した結果起こると考えられています。
成長期の途中から徐々に白くなりながら伸び続ける
髪を生みだす部分にある色素形成細胞が加齢などにより、長い年月をかけて徐々に活力を失っていく結果と考えられ、最終的に毛根の色素形成細胞がすべて死んでしまう場合もあります。
白髪は抜いてもいいの?
白髪を抜くのはNGです。そもそも白髪は、加齢や遺伝的要因、精神的ストレスなどにより、色素をつくりだす細胞のメラノサイトの働きが鈍ったり死んでしまったりすることにより生じます。つまり、白髪は色が白くなってしまっただけで、決して「成長が止まった毛」ではないのです。そのため、今ある白髪を抜いたとしても、新たに生えてくる毛の多くはまた白髪というサイクルに陥りがち。
さらに、毛を無理に抜くことは毛穴や毛根を傷つける恐れもあることから、次に生える髪にダメージを与えないためにもおすすめしません。
白髪予防対策におすすめの方法
①ヘッドマッサージ
抗白髪効果のある育毛料を使用し、ヘッドマッサージを行いましょう。ヘッドマッサージは入浴後の血流が良く、柔らかい頭皮に行うのがおすすめです。
■簡単! ヘッドマッサージHOW TO
【STEP1】 髪を6ブロックに小分けにしながら、頭皮全体に頭皮ケアアイテムが行きわたるようになじませる。
【STEP2】 両手の指の腹で、頭皮全体を動かすように、生え際から頭頂部にかけて揉む。
【STEP3】 両手の指の腹で、頭皮を軽くつまむようにし、その後はずみをつけて離す、を繰り返す。リズミカルに指を動かしましょう。
【STEP4】 指先を使って、頭頂部周辺をリズミカルに軽く叩く。
【STEP5】 最後に両手で拳をつくり、頭全体を軽く叩く。
②生活習慣の改善
白髪予防には、生活習慣の見直しも大切です。
・十分な睡眠をとり、ストレスを避けるようにする
・毛髪のもととなるたんぱく質をとり、バランスのよい食事を心がける
などを意識するのがおすすめですよ。
③健やかな頭皮をつくる! おすすめの食品&食材
毎日のヘアケアと合わせて、バランスのいい食生活を心がけることも健やかな頭皮づくりに欠かせない要素です。健康的な頭皮をつくる「ターンオーバー(肌の生まれ変わり)」、「血行促進」に働きかける食品・食材をご紹介します。これらを使ったバランスのいい食事を心がけることで、頭皮の乾燥が改善され、健康的な毛髪が生まれますよ。
頭皮のターンオーバーを促す食品&食材
●ビタミンA
牛乳・乳製品、卵、鶏レバーなど
●カロテン(α・β)
にんじん、モロヘイヤ、ほうれん草、西洋かぼちゃ、小松菜、大葉、ブロッコリーなどの緑黄色野菜
●β-クリプトキサンチン
温州みかん、干し柿、ポンカン、オレンジ、グレープフルーツなど
頭皮の血行を促す食品&食材
●ビタミンE
アーモンド、うなぎ蒲焼、はまち、モロヘイヤ、ほうれん草、アボカド、ヘーゼルナッツ、植物油など
●ビタミンP
みかん・オレンジ・レモンなどの柑橘類の内皮の薄皮、さくらんぼ、そば粉、そば茶、日本そば(そば湯も)など
●ビタミンC
ピーマン(赤・黄)、ブロッコリー、ゴーヤ、ケール、レッドキャベツ、さやえんどう、れんこん、じゃが芋、さつま芋、いちご、温州みかん、キウイフルーツ、グレープフルーツなど
白髪を目立たなくする対策法。お手入れのポイントは?
いまある白髪はヘアカラーなどで染めて、好みの色を楽しみましょう。また、カラーコンディショナーなど、日々の洗髪時に使うことで白髪を目立ちにくくするアイテムも。さまざまなタイプの白髪染めが揃っているので、ライフスタイルに合わせて上手に活用しましょう。
タイプ別! おすすめの白髪染め
■しっかり染まる!「白髪染めヘアカラー」
サロン発想の3ステップで、つややかに染まるヘアカラー
根もとから毛先まで自然でムラのない染め上がりに。専用トリートメントがセットになっているので、上質感のあるつややかな髪色、なめらかな手触りが持続します。
ニオイが少ないクリームタイプのヘアカラー
"ウオーターインオイルベース"採用でしっかり染まる。気になる部分のみの使用も◎。放置時間10分の早染めタイプなので、忙しい人にもおすすめです。
■ケアをしながら白髪染め!「白髪染めトリートメント」
洗髪のついでに白髪ケアできるカラーコンディショナー
普段のコンディショナーをこちらにかえるだけで、毛髪を着色するだけでなく、ふんわりなめらかでツヤのきれいな髪色が続きます。「ブラック」、「ダークブラウン」、「ブラウン」は気になる白髪を目立たなくし、「グレイ」は大人の髪をきれいなグレイに仕上げます。
■気になるところだけカバー! 「白髪の部分隠し」
サッとなじませるだけでOK。白髪用ファンデーション
生え際、わけ目、耳のまわりなどの気になる白髪に。ブラシで塗るだけでサッと簡単に隠せます。ベタつき、ごわつきのない、ふんわりとした仕上がりながら、汗や雨に強く色落ちしにくく、シャンプーで簡単に落とせます。
■白髪染めを長持ちさせる! おすすめシャンプー
色素流出を防止し、髪の色あせを防ぐシャンプー
ヘアカラーの色素も、髪本来のメラニン色素も流出防止し、色あせのない美しい髪色を持続させるシャンプーです。根元から立ち上がるふんわりハリ・コシアップ処方で、生きいき髪に導きます。
美容部員の白髪カバー方法もチェック!
髪の色素をつくりだす細胞メラノサイトの働きが鈍ったり、細胞そのものが死んでしまうことが白髪の原因。できてしまった白髪には、目立ちにくくするアイテムなどを上手に取り入れましょう。
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●当記事は、編集部取材に基づいた情報です。また、個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用ください。
資生堂研究員
研究員
資生堂の研究開発は1916年に始まり、品質と安全を最優先に、最新の皮膚科学と処方開発技術に基づいて開発を実現してきた。世界中の化粧品開発者が目標にする研究発表会「IFSCC」では、世界最多の受賞。
http://www.shiseidogroup.jp/rd/