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2024/03/05

日焼止めの使用感が苦手...肌へのダメージから安全性まで。資生堂研究員にギモンを直撃!

日焼止めの使用感が苦手...肌へのダメージから安全性まで。資生堂研究員にギモンを直撃!

紫外線のピークは過ぎても、1年中欠かせないのが「日焼け止め」。
肌にとって必要なアイテムなのに、使用感や肌への負担など、不安を感じながら使っている人も少なくないはず。そこで、今回は日焼け止め成分はもちろん、化粧品に配合される原料の安全性評価を担当し、資生堂製品の「高品質」をど真ん中で支えてきた資生堂の畠山研究員を直撃! 安心・安全な化粧品づくりへの取り組みについて伺うとともに、私たちが抱えている日焼け止めへの疑問や不満をぶつけてみました!

***

お話しを伺ったのは...
畠山研究員:「みなさん、こんにちは。資生堂の畠山です。」

<目次>

【1】安心・安全な化粧品づくりを支える!「安全性評価」の意義や研究内容とは?

「私たちが毎日使っている化粧品は、"安心・安全であることは当たり前"。顔や身体に塗るものですから、安全性や品質にはとことんこだわっています。」(畠山研究員)

ではその「安心・安全・高品質」は、どのように保証されているのでしょう。まずは畠山研究員に、「安全性評価」の意義や具体的な研究内容、さらに研究への思いなどを伺います。

Q.「安全性評価」とは? どのような仕事なのでしょうか?

「魅力的な化粧品や新製品を作るためには、新しい機能を持った原料を開発する必要があります。そういった原料の安全性を評価したり、安全性の試験方法を開発・進化させたりすることも私たちの仕事です。

これらの試験法は学会でも高い評価を得て、多くの賞を受賞していますし、厚労省や欧米を中心とする専門家会議から新規な評価法として採択されたりしています。また私たちは、世界のお客さまに「安心・安全」をお届けし続けたいという願いのもと、これらの成果を自社内だけではなく化粧品業界全体に共有しながら、グローバルを代表する企業の1つとして貢献しています。

さらには人への安全性だけでなく、環境への影響についても配慮しており、最近では日本水環境学会でその成果を発表しています。こうした専門的な研究に加え、お客さまから届けられるお申し出を毎日愚直に確認したり、横浜にある我々の研究所(S/PARK)に来てくださる一般のお客さまとコミュニケーションをとったりすることで、お客さまの心に響く安心感を提供できるように日々努力しています!」(畠山研究員)

「安心・安全」の評価はどのように行われているの?

「私たちは、化粧品に配合する全ての原料の、刺激性やアレルギー性、光安全性(光にあたると化学反応する成分に関する安全性)、全身への影響について、厳しく評価を行っています

さらに具体的には、皮ふに塗った化粧品の成分がどれだけ体内に吸収されるかコンピューターサイエンスなどを用いて調べ、体内に吸収される量と安全とされる量を比較し、どこまでだったら製品に配合できるかを、バランスを見ながら決めています。加えて製剤にて、パッチテスト、使用テスト、感覚刺激評価(スティンギングテスト)など、ヒトの皮ふで最終確認を行い、安全性を総合的に評価しています。

また、化粧品に配合されている成分(たとえばビタミンAなど)は、普段の食事やサプリメントから摂取できるものも多いため、皮膚を介した化粧品からの吸収だけでなく、お客さまの使用シーン(食事やサプリメント)まで想定し、安全であるかを議論し、製品への配合量を見極めています。

このように、お客さまに安心して当社の製品を使っていただけるよう、さまざまなシーンや状況を考慮しながら、原料の安全性評価を行っているんです」(畠山研究員)

原料を厳しい基準で評価しているからこそ、私たちは安心して化粧品を使えるんですね! そして化粧品の安全性という「当たり前の価値」が、畠山研究員をはじめ、たくさんの人の手によって作りあげられている、ということもよくわかりました。

【2】日焼け止めに関する素朴な疑問を研究員が解決!

ここからは畠山研究員に、安全性評価で培った知識をもとに、「日焼け止め」にまつわる素朴な疑問についてお答えいただきます!

Q1:日焼け止めを選ぶ際、優先すべきポイントは何でしょうか?

「ポイントは大きく3つあります。

1つは『防御力の強さ』。
これはSPFやPAという表記で見たことがあると思います。日常生活、屋外でのスポーツ、炎天下でのレジャーなど生活シーンに合わせて選んでいただくと良いと思います。

2つめは『使用性』。
日焼け止めには2層タイプ、ミルクタイプ、ジェルタイプ、スプレータイプ、化粧下地など様々なタイプがあり、しっとり、さらさら、みずみずしいなど、使用感触も選べるようになっています。

3つめは『肌タイプ』。
普通肌の方はもちろん、敏感肌の方にも安心して使っていただける処方設計をしたアイテムも多数あります。

さらに最近では、シンクロシールドテクノロジー(太陽の熱や汗・水で防御膜をより強化する技術)、環境にやさしいサンデュアルケア(紫外線を美肌光に変えてくれる技術)、仕上がり効果(つや、トーンアップ、毛穴カバーなど)が期待できるなど、付加価値を持った製品も多くあります。

日焼け止めは季節を問わず毎日使っていただきたいアイテムなので、お伝えした3つのポイントからご自身の生活スタイルや好みに合ったお気に入りの製品をぜひ見つけていただけるとうれしいです」(畠山研究員)

▶︎資生堂の人気の日焼け止め一覧

Q2:「紫外線散乱剤」「紫外線吸収剤」という言葉をよく聞きますが、どんなものですか? ふたつの違いなども知りたいです。

「『紫外線散乱剤』も『紫外線吸収剤』も紫外線を防御する成分のことで、日焼け止めには欠かせません。どちらも日焼け止め成分であることに変わりはありませんが、紫外線を防御する仕組みや、成分の見た目・使用感触に違いがあります。

『紫外線散乱剤』とは...
その名の通り、紫外線を鏡のように反射させることで防御する機能を持った成分
です。見た目は、白くサラサラとした粉状で、触るとキシキシとした感触があります。主な成分として、酸化亜鉛や酸化チタンが挙げられます。

『紫外線吸収剤』とは...
透明で滑らかな液体で、吸収剤そのものが紫外線のエネルギーを吸収し、熱エネルギーや他の見えない光などに変化させて防御する機能
があります。

よく『ノンケミカル処方』という言葉を耳にすると思いますが、これは『紫外線吸収剤』を使用せず、『紫外線散乱剤』のみで構成される日焼け止めを指しています。

一般的な肌質であれば、『ノンケミカル』にこだわらずにお使いいただけますよ」(畠山研究員)

Q3:日焼け止めを塗ると、きしみ・べたつき・被膜感・白浮き...などを感じることがあります。なぜ日焼け止め特有の使用感があるのでしょうか?

「日焼け止め成分の『紫外線散乱剤』と『紫外線吸収剤』が原因かもしれませんね。
散乱剤は片栗粉のような感触の粉なので、きしみや白浮きを感じやすい傾向があり、吸収剤は液体なので、べたつきや被膜感を感じやすいという傾向があります。

ただ最近は、処方技術の開発が進み、昔に比べて日焼け止め特有の使用感は少なくなっていますよ。たとえば『白浮き』であれば、ほとんどの製品は塗って10~15分経つと自然な仕上がりになじみます。一部は、トーンアップ効果を見込んであえて白色を残している製品もあるんですよ」(畠山研究員)

<教えて!>こんなときどうしたらいい??

・『白浮き』が気になるなら...
適正使用量を塗って10~15分経つと自然な仕上がりになじむものがほとんどですので、塗り方を確認してみてください。またジェルタイプなど、透明感のあるテクスチャーを選ぶこともおすすめです。

・『きしみ』が気になるなら...
ジェルタイプや美容液タイプなどみずみずしく透明感のあるテクスチャーがおすすめです。

・『べたつき』が気になるなら...
散乱剤のみで構成される「ノンケミカル処方」の日焼け止めがおすすめです。

ここちよくお使いいただくために、日焼け止めを選びの参考にしてみてくださいね。」(畠山研究員)

Q4: SPFやPA値が高い日焼け止めって、なんとなく肌にダメージがありそうな印象が...。実際はどうなのでしょうか?

「ぜひ、安心してお使いください。

数値の高い日焼け止めは、日焼け止め成分(紫外線散乱剤・紫外線吸収剤)がより多く含まれることを意味します。

私たちはすべての原料についてさまざまな角度から安全性評価を行い、配合できる濃度を決定しています。『数値が高い日焼け止め=肌に悪い』ということはありません。また日焼け止めは、顔にも身体にも大量に使うものなので、全身への影響を考慮した評価は特にこだわっており、全身の皮膚からわずかに吸収される量にさえも配慮し、全身や次世代にまで影響がないことをしっかり保証していますのでご安心ください。

ただし、人によっては、肌に合わないこともあります。そのような時は使用を中止し、万一皮膚トラブルがあった場合は皮膚科専門医に相談の上、原因成分をできるだけ特定し、原因成分が配合されていない化粧品を選ぶことが大切です。敏感肌用のものを選択するなどご自身にあった製品をお使いください」(畠山研究員)

Q5:子どもも使える日焼け止めと、大人用の日焼け止め、どんな違いがありますか? 子ども用のほうがより肌への負担が少ないのでしょうか?

「お子さまの皮膚は大人よりもずっと薄く未熟で、外からの刺激(温湿度・化学物質)にとてもデリケートです。そのため、子ども用の日焼け止めには、アレルギー、感覚刺激などに配慮した敏感肌用の厳選した成分しか使っておらず、より肌への負担に配慮した成分で設計しています。

生後28日から3歳未満で、肌にトラブルのないお子さまは、以下の日焼け止めをお使いいただけますよ。

アネッサ ミネラルUV マイルドジェル
アネッサ パーフェクトUV マイルドミルク NA
ドゥーエ ベビー 日焼け止めミルク

また、3歳以上で肌にトラブルがないお子さまには、一般(大人用)の日焼け止めもお使いいただけます。ただし、乳幼児のお子さまは、日焼け止めを塗っていても、日よけや帽子、薄手の上着などで肌を守ることも大切です」(畠山研究員)

Q6: 『石けんで落とせる』日焼け止めがありますが、メイクにはクレンジングが必要なのに、なぜ日焼け止めは石けんで落とせるのでしょうか? また、「石けんで落とせる=日常生活で落ちやすい」ということはないのでしょうか?

「昔は日焼け止め成分(紫外線散乱剤・紫外線吸収剤)の配合量が多かったので、専用クレンジングが必要でした。しかし、SPFやPAが効率よく高められる成分開発や、紫外線散乱剤の分散性の向上などにより、日焼け止め成分の配合量が少なくなったため、普通の石けんでも日焼け止めを落とせるようになりました。

また、汗や水に強いテクノロジー*が搭載された製品は、日常生活では落ちにくく、石けんで落とせる設計で開発されています。
*シンクロシールドテクノロジー

資生堂では100年以上前から日焼け止めの研究に力を入れており、技術も日々進歩しています。そして新しい技術を開発する際に大切にしているのが、『お客さまにここちよく使っていただけるか』ということ。『使用感がよく、紫外線防御力も高い』ことや、『汗や水に強いのに、石けんでするりと落とせる』ことなど、お客さまのニーズが高い分野については、特にポリシーを持って開発をしています。

もちろん、私たちが担っている『安全性評価』も、技術開発を支える大事なピースのひとつ。私たちが評価した新しい原料たちが製品に配合され、それをお客さまに安心・安全・快適に使っていただければ、とてもうれしいです」(畠山研究員)

***

【3】畠山研究員イチオシ! おすすめ日焼け止め

最後に、畠山研究員にニーズ別におすすめの日焼け止めをセレクトしてもらいました。

きしみを感じにくい

スーッと肌になじんで快適! スキンケアもできるみずみずしUVジェル

うるおいを与え、素肌の保水力を整えるみずみずしい使用感のシミ予防UVジェル。美肌サンエッセンス配合で、乾燥などの肌ダメージも防ぎます。

 

被膜感が少ない

紫外線から隙なく守りぬく。さらさらUVミルク

動きによってできる日焼け止めのよれや隙間を自動修復するオートリペア技術と、汗、水、熱、そして空気中の水分によってUVブロック膜が強くなる技術をW搭載。スキンケア成分50%配合、驚くほどさらさらな塗り心地など、肌へのやさしさもGOOD。

 

ノンケミカルなら

やさしい使い心地。紫外線吸収剤無配合の日焼け止め

紫外線吸収剤無配合(ノンケミカルタイプ)。敏感肌を考えた低刺激処方ながら、SPF50+ ・ PA+++の高い紫外線カット力が魅力。うるおいバリアサポート成分*配合で、みずみずしい肌に導きます。
*キシリトール

 

防御力が高くスキンケア効果も

太陽の光を美容効果のある光に変換する技術を搭載した日中用美容乳液

紫外線をカットすると同時に、太陽の光を美容効果のある光に変換する技術を搭載。ダブルのケアで、うるおいが続きます。ヒアルロン酸&コラーゲンGL*(保湿)などスキンケア成分を配合し、まるで美容液のような塗り心地を楽しめます。
*効能評価試験済み*水溶性コラーゲン、アセチルヒアルロン酸Na、グリセリン

 

子どもと一緒に使える

赤ちゃんのデリケートな肌をしっかりガードする日焼け止め

快適な使い心地がさらに進化。低刺激処方(無添加*・無香料・無着色・アルコール(エタノール)フリー)で敏感肌や赤ちゃん**の肌を守ります。
*防腐剤(パラベン)、鉱物油不使用
**新生児を除く

 

たくさんの人の手と長年の研究結果が詰めこまれている資生堂の日焼け止め。ぜひお気に入りを見つけて、楽しみながら紫外線ケアを行ってくだださいね。


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photo:shutterstock
●当記事は、編集部取材に基づいた情報です。また、個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用ください。

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資生堂研究員

資生堂研究員

研究員

資生堂の研究開発は1916年に始まり、品質と安全を最優先に、最新の皮膚科学と処方開発技術に基づいて開発を実現してきた。世界中の化粧品開発者が目標にする研究発表会「IFSCC」では、世界最多の受賞。
http://www.shiseidogroup.jp/rd/

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